10/12 1:32
今回のコメント
まぁ、今日も我ドラゴンズは勝利したわけだ。
くそっ、スポーツ番組のはしごが止められないっ!(書けよ)
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滝川先輩に手を引かれるままに僕は校舎の玄関を出た。一直線に向かっていた。登校する生徒と逆方向に進むため、御堂真理がこちらに気づいたようだ。お得意の羽扇子を片手で勢い良く広げ、口元を隠すようにして、僕達を迎える。
「あら? 誰かと思えば、昨日の愚者どもじゃないの」
「趣味の悪い扇子持ちやがって。三下がなに吠えてやがる」
距離にして一メートル。御堂真理と滝川先輩は向かい合っている。お互いに腰に手をあて、にらみ合っている。まさに竜虎相打つ状態。先手を打ったのは御堂真理だった。
「来るのが遅いんじゃない? やる気が感じられないわね」
「バーカ。真打は遅れて登場するものなんだよ」
「真打? そうね。アナタ達はトリだわ。授業が始まってからが出番よ。帰りなさいな」
「そっちこそ、真打が登場したんだ。場所を空けな」
言葉を発するごとに二人の距離が縮まってくる。もう二人が触れ合うばかりに近づいていた。慌てて僕は滝川先輩の手を引っ張る。
「離せ草弥、アイツをすぐ黙らせてやるから」
「そんなことしたら選挙どころじゃないですよ! 自重してください!」
なんとか数メートル離れたとこまで連れて来る。よく見ると御堂真理も美国進に引っ張られていた。後退しながらも御堂真理の喋りは止まらない。
「立候補者でもないアナタがしゃしゃり出てくるなんて、馬鹿じゃないの!」
叫ぶ御堂真理に滝川先輩が反応して前に出ようとするから、僕は必死に抑えた。いつの間にか僕達を中心にして人だかりが出来ていた。駄目な意味で注目が集まっている!
「はぁ? お前だって前に出てるだろうが!」
「私は特別よ!」
なにその理屈。美国進はなんでこんな先輩が好きなんだろう。
「私は美国進の推薦人なのよ。美国進を男にするのは私の役目なの」
すげえ。面と向かってそれ言うか。でもちょっと言って欲しいかも。
「で? アナタはなんなの?」
御堂真理に言われ、滝川先輩の勢いが急になくなった。少し下を向きながら口を尖がらせて答える。
「ただの応援者だよ……」
先輩の言葉に落ち着きを取り戻したのか、御堂真理は美国の腕を離した。
「だったら退きなさい。ここは立候補者と推薦人の戦場なのよ!」
「そうだな。勝負は選挙でつける。吠えずらかくなよ。お前達に対抗できるのは私達だけだと思え」
「へぇ。それは楽しみだわ」
御堂真理は自信たっぷりに羽扇子をゆっくりあおぎはじめた。今って秋も終わりごろなのにすごいな、などと無意味な関心をした。
更新は1~2時間後だったら良いなと思いつつも、寝そうな気配だけど頑張ります!