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10/10 22:31

今回のコメント


ドラゴンズ勝利っ!

いいなぁ、平田。馬鹿すぎて。

思わず奴のヒーローインタビューで、恥ずかしすぎてチャンネル変えちゃったよ!

でもなんにしても一勝。まだ三連戦あるし、その後もジャイアンツ戦が控えてる。


ということで今日もスタート!



***********************************



 放課後、沙和のじとっとした視線を感じつつ、急いで教室を出た。いつものように旧校舎の四階へ向かう。今日から早速、選挙活動だ。


 部室にはすでに滝川・高月両先輩が待っていた。滝川先輩はいつも最期に来るのに珍しいなぁ。とりあえず、平光先生が来るまで昨日の作戦会議の復習を行った。


「早速だが、草弥。日記は昨日の内に読んだよな」


 滝川先輩がおなじみの指し棒を僕へと向ける。大丈夫、今日はちゃんと答えられる。


「はい。選挙の争点は新制服をどうするかにあります」

「昨日の復習はできているようね」


 隣に座っている高月先輩が僕に微笑みかけてくれた。なんか癒されるなぁ。それにしても今日は隣に座ってるから、身体から発せられる圧が違う。肩にかかった髪を払うだけで良い匂いが漂ってくる。しかも、ちょっともたれれば触れられる……


「草弥。じゃあウチが取る作戦を答えろ」


 僕が顔の力を抜いて、だらしなくなったところへ、滝川先輩の容赦ない指し棒が僕の鼻先へと突き刺さる。


「痛っ!」

「目が覚めたか? さぁ、答えろ」


 睨みつける滝川先輩が鬼軍曹に見える。僕は鼻を摩りながら答えた。


「えっと……こちらは制服存続を訴えて保守派の票を勝ち取ることです」

「そうだ。日記によれば、制服のことに触れたのは美国陣営だけだ。ほかの立候補は触れることもなかった。リスクを取れなかったからだ」


 たしかに御堂真理の日記にもこのあたりの雑感が書かれてあった。五十年以上の歴史のある制服について触れる事は、自分達だけでなく、教師側をも巻き込むことになる。


 ただ、生徒会長をやってみたいとか、推薦で無理やりとかいう立候補者には制服議論をする気持ちがなかったといえる。


「だが、我々は違うっ! 勝利をもぎ取るためにあえてリスクをとるのだ!」

「でも、僕達反対側ですよね。それで生徒の票が取れるんですか?」

「わからん。だが、美国と同じ主張をしたのでは違いがでないのだから、知名度がないウチは圧倒的に不利だ」


 後で聞いた話なのだが、御堂真理はそれなりに有名人だったらしい。元々制服を新しくしたいと言い出したのは彼女だし、羽扇子を学校に持ち込んでいるだけでも、教師から目を付けられるのには十分だった。


 教師に逆らう勢力は生徒にわりりと好意と畏怖を持って迎えられる。上手く利用すればカリスマ性だって発揮できるのだ。


「とにかくだ。御堂真理に対抗したいのだ、私は!」


 滝川先輩は指し棒の両端を持ち、折らんばかりにしならせる。僕は高月先輩の顔をうかがった。すると、頬杖をついてホワイトボードに書かれた美国進と言う文字を眺めているように見えたのは、僕の被害妄想だろうか?


「はい、お待たせ~今日も楽しい期末テストの時間だよ~♪」


 僕たちの作戦会議の終了を待つように平光先生が扉から顔を見せた。




更新は1~2時間後だったら良いなと思いながらも、実はやる気ないんじゃないか風な感じを出しつつ、更新できる日を信じて頑張ります!(長っ)


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