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今回のコメント
中日サヨナラ勝ちっ!
これで明日からの(正確には今日)ヤクルト四連戦が楽しみになってきた!
もう勝つしかないのだ。
やるしかねえ!
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三人で朝食を作った。朝なのでご飯に焼き魚、味噌汁程度のものだ。さすがに昨日のおにぎりがあったので、真琴さんの監修の元、間違いがないように作った。高月先輩が自分が作ったものだと驚くほどの味噌汁の出来に、もし昨日好きなように作っていたらどうなっていたか、あらためて身震いした。
さらに三人で登校することになった。もしかしてリムジンに乗って登校? なんて期待したけど、徒歩での登校となった。歩いていくと二十分ほどかかってしまう。高月先輩、滝川先輩と並んで歩く。なんだかそれだけで少し誇らしい気持になった。
日記部に入るまでは独りだった。そりゃ家族はいるが、朝食だって各々が食べて勝手に家を出て行く。沙和は部活があるので大抵は一人で登下校だ。家に帰っても一人自分の部屋でゲームなんかしている。
もちろん日記部にいたって合宿をしなければ、一人は変わらないのだけれど、日記部にいなければこんな瞬間にも会えなかったはずだ。
僕はなんだか、意味なくワクワクして高月先輩を横目で盗み見た。もう何度目だろう、こうやって見つめるのは。別に特別な表情をしているわけじゃない。だけど、普通の表情をこうやって横から眺めることの幸せを感じていた。だけどあまりにもじっと見ていたので、高月先輩に気づかれてしまった。
「なに?」
鋭い視線が僕に向けられる。この目つきにも最初は戸惑ったが、今は少しなれた。僕は正面を向いて返答をした。
「いや、別に。ところで最近寒くなりましたね」
「そうね。今日も布団を出るのをためらったもの。夕実の家って広いから、余計身にしみるのね」
「分かります! 僕も寒くてなかなか起きられなかったんです」
他愛も無い会話。どれだけ憧れたことか。普段の高月先輩の雰囲気だと必要な話をしないと怒られそうだからなぁ。僕の話いに高月先輩は片目を瞑って、少し笑いかけてくれた。
「それが私達が十五分も見つめていたのに寝続けた理由?」
「ええっ? 十五分も見つめていたんですか?」
「よその家に寝泊りしてても、リラックスしてるのね、君は」
「ははは。草弥、ウチがリラックスできるなら、住み込みで働くか? こき使ってやるぞ」
「……遠慮しておきます」
どうしても僕が貶められて終わってしまう。でも、いいか。それで皆が楽しいのなら構わない。テストのことなんて忘れてしまえばいいんだ。そんな風に思う。
学校に到着すると、滝川先輩が昼休みは部室で昼食を取るから集まるようにと告げて去っていく。僕は教室に入ると自分の席に座った。途端に人影が僕の前にあらわれる。
「甲斐斗、今日高月先輩と一緒に登校してたでしょ!」
沙和が僕の席の前で仁王立ちである。尋問する気満々だ。
「いや、滝川先輩もいただろう」
「え? いたっけ? そんなことより、なんで一緒に登校してるのさ。今日、久しぶりに一緒に登校しようと思って家まで行ったのに」
「タイミング悪かったな。昨日から滝川先輩の家で日記部の合宿が始まったんだ」
「合宿!? 日記部が? なんで?」
さすがに期末テストのことは言えない。だが、日記部には常に大義名分がある。
「決まってるだろ。日記書けるような、楽しい高校生活をするためさ」
更新は1~2時間後という大義名分で進めています!