10/8 1:20
今回のコメント
今さっき探偵ナイトスクープの犬の脱走ネタみた爆笑してしまった。
なんであんなに首輪を抜けようとする犬って必死で情けない顔してるんだろうね。
そしてその後、自由になった時の軽い足取り。
面白いぞ! 尾も白いぞ!(白くないし)
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「今回のテストは勝たないと意味ないんだぞ。わかるな?」
「でしょうね……」
高月先輩は生返事をして、再び俯いた。高月先輩の元気がないのは美国進のせいだとしても、今回の試験について僕は結構楽観的だった。
「滝川先輩。大丈夫ですよ。輪転の誓いを使えば」
以前、銀行強盗を説得した、第五十七期生、大沢ユミ「仲裁女王」のチョーカーを付けて、高月先輩が推薦人のスピーチをすれば、楽勝のはずだ。
でも、滝川先輩の表情は晴れない。晴れないどころが、一層に険しくなった。
「馬鹿かお前は。御堂真理も同じ手を使ってくるだろう」
忘れてた! 御堂真理は日記部部長。美国進がいれば、輪転の誓いなんてわけがない。ということは、今回ばかりは輪転の誓いの力は、対美国を考えると無意味なのか。
「つまりだ、チョーカーを付けた者のスピーチ内容が問題となる。いかに有権者へ訴えかけられるか、言い換えれば、推薦人が立候補者の事をどれだけよく知ってるかが勝負の分かれ目となる」
僕は急に梯子をはずされたような不安感に襲われた。足元がおぼつかない感じ。今回重要なのは高月先輩がいかに僕の事を知って、良さをアピールできるかにかかっているのだ。
現在の冷めた関係では勝てるわけもない。元々信頼関係だって結べているのか、僕には分からない。
「このままじゃあ負けるぞ」
僕が考え事をしている間に滝川先輩は高月先輩に詰め寄っていた。高月先輩は視線を逸らし、黙っている。少しして滝川先輩は小さくため息をついて、背筋を伸ばした。
「合宿だ」
「はい?」
僕は思わず聞き返した。上手く聞き取れなかったのかもしれない。滝川先輩は腰に手をあて、さらに胸を張って叫んだ。
「今日から私の家で日記部合宿だ!」
滝川先輩宅で合宿? 先輩たちと寝食を共にするの?
僕はおおっぴらに喜んでいいのか分からず、口を歪ませて「あははは」と笑った。
更新は1~2時間後ですよ。