10/6 23:17
今回のコメント
・今日の夕食!
もらい物のさしみ。
から揚げ。
ゆで卵。
ごはん。
以上。
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「真理ちゃん、紹介するね。この人たち、今回生徒会長選に立候補する人たち」
片手で器用に羽扇子を広げると口元を隠す。扇子越しに切れ長の瞳が僕達を見つめた。
「……なるほど。冴えない面子ね」
初対面でこれかよ! 御堂真理、相当の毒舌である。
「どうせ落選するんだから、無駄な時間を過ごすだけ。今すぐ辞退しなさいな」
羽扇子をひらりと裏返して、一瞬不敵な笑みが僕等から見えた。こ、コイツ……
黙っていられなかったのは滝川先輩だった。ずいっと御堂真理の前に立ちはだかる。
「やってみなければわからないだろう」
「あら、アナタが立候補者?」
御堂真理は小さくだけど優雅に羽扇子を仰ぐ。僕等を覗く瞳は値踏みしているようだ。
滝川先輩は僕の奥襟を掴むと、猫を差し出すように御堂真理の前につきだした。
「残念ながら、コイツが立候補者だ」
「ど、どうも~」
残念ながらはないでしょう! とはいえ僕だって軽々しい挨拶しかできなかった。御堂真理が僕を見つめる切れ長だけど大きな瞳が見つめる。
「アナタ、学年と名前は?」
「一年二組の草弥甲斐斗です」
「一年? ふうん。ウチの美国と同じなの……」
羽扇子越しから上から下へと僕に視線を動かす。少ししてふんっと鼻を鳴らした。
「美国、どう? 勝てそう?」
いつの間にか御堂真理の隣にいた美国進は目を細めニコニコと微笑んだ。
「う~ん。まだ分かりませんが、負けるつもりはないですよ」
カチンっときたね。御堂真理の子分みたいな、立ち位置で答えやがって。これが本当に高月先輩が追いかけた人だっていうのか? 僕は御堂真理、美国進の前に進んだ。
「あら? 坊やにも何か言い分があるみたいよ」
御堂真理は羽扇子をパタンと閉じて、僕へと扇子を指さすように向ける。
「いいなさい。全部反論してやるから」
自然と僕と御堂真理がにらみ合う形になった。高月先輩とは別の意味で視線を外せない。今、逃げたら捕食されそうだ。
「どうしたの? さぁ、言いなさい」
「ふう……」
僕はとりあえず、一歩下がった。
「何も言わないのかっ!」
滝川先輩のツッコミももっともだ。でも、反論できるほど、自分に主張できる材料が無いのも事実だった。
更新は毎度毎度の1~2時間後の予定ですよ。
とうとうドラゴンズが!
キタ―――ッ!