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10/6 2:10

今回のコメント


・お風呂に入ってたよ!(ホント、要らない情報)


夜中、シャンプーをしていると背後か気になって仕方ないです。


でも、シャンプー時の背後の気配について、松本人志が言った「リンスです。リンスが順番を待ってます」を思い出すと、なんか安心できるね。



***********************************



「初めまして、俺は美国進って言います」


 目を細めて、笑いかける美国通。高月先輩は俯いたまま向き合おうとしなかった。見かねた滝川先輩が声をかける。それでも高月先輩は反応しない。慌てて滝川先輩が説明した。


「彼女は高月亜也、三年生だ。」


 滝川先輩と高月先輩を交互に見て、美国通はこめかみに人差し指を当てた。


「なんだかよく分かりませんが……」


 美国通はしゃがみこんで、椅子に座っている高月先輩に視線を合わせた。


「元気出してくださいね」


 瞬間、高月先輩の肩が揺れた。僕は考える暇もなく、足が動いていた。すかさず、高月先輩と美国通の間に割ってはいる。


「ごめん、今日はちょっと先輩、調子悪いんだ」

「え? そうなんだ。ごめんなさい」


 あっさりと美国通は身を引いた。高月先輩と出会う前なのだから仕方ないと言えばそうなのだが……


「ごめん。大丈夫だから……」


 僕の背中越しに声が聞こえる。横から盗み見ると呟いた口元が震えていた。僕はなんだか悔しくて奥歯をかみ締めた。


「あら? なんで部外者がいるのかしら?」


 甲高い声が室内に響く。声へと顔を向けると、ウチの高校の制服を着ている女性が立っていた。美国通は再び僕と滝川先輩の間を通って女性へ近づく。


「御堂先輩、遅いですよ」

「美国が早すぎるんでしょうが、エスコートする気ゼロね」


 黒髪で長髪、前髪はきちんと揃えられている。手には真っ赤な羽扇子を持っている。やや長めのスカートを小さくひるがえらせて、ツカツカと歩いてきた。

 僕は以前の小テストで、一年前の高月先輩が言っていた、人物を思い出した。美国通の想い人、御堂真理だ。

 御堂真理は平光先生の前まで来ると大袈裟に机を叩いた。


「どういうことですか? 平光先生、この日記部の部室に関係者以外を連れ込んで」

「真理ちゃん、紹介するね。この人たち、今回生徒会長選に立候補する人たち」


 片手で器用に羽扇子を広げると口元を隠す。扇子越しに切れ長の瞳が僕達を見つめる。


「……なるほど。冴えない面子ね」


 初対面でこれかよ! 御堂真理、相当の毒舌である。




今日はこれぐらいで。


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