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今回のコメント
・さっき窓の外から見たら雨が降っていた。
いつのまに。
今日の朝もかなり寒かったからなぁ。
どんどんこれから秋が深まっていくのかなぁ。
秋大好きだからいいけど。
(天気の話だけ書くとはそうとうネタがないのか?)
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緊張して一歩踏み出す。すると室内は三年後とは少し違っていた。まずカーテンが淡い紫色になっており、テーブルも同系色のテーブルクロスがかかっていた。本棚は変わっていなかったが、カーテンとテーブルクロスがあるだけで、結構印象が違うものだなと思う。
「さぁさぁ、ここに座って」
平光先生にすすめられ、滝川先輩、高月先輩、僕の順番で席に並んで座った。反対側には平光先生のみである。
「じゃあさ、ここにサインして」
僕たちに向けて書類を差し出す。高月先輩が紙を受け取り、内容を確認する。途端に先輩の眉が釣りあがった。紙越しに平光先生を睨みつけ、静に紙を机に置いた。滝川先輩と僕は紙に近づき内容を読んだ。用紙には「立候補者申込書」と書かれてあった。
僕と滝川先輩は顔を見合わせて、次に高月先輩へ同時に視線を移す。すると、高月先輩はは小さくため息をついて、低く怒気を篭らせた声で平光先生に尋ねた。
「どういうつもりですか?」
「『どういうつもり』って、そのまんまだよ。生徒会長選挙に立候補してもらいま~す。それが今回の試験内容」
「なに言ってんだ! 私達と美国進を戦わせようってことか!」
滝川先輩は机を叩いて立ち上がった。僕も同じ気持ちだったが、先を越されて一瞬腰を浮かせただけに留まった。
しかし、平光先生はまったく動じた様子もなく、ニコニコとした口調で答えた。
「うん。そして、この日記内で美国進に選挙で勝つことが、期末テストの合格基準になります」
「――なっ」
滝川先輩は二の句が継げずに、その場に固まってしまった。僕も反応できずにいる。
「試験内容は分かりました。これに立候補者の名前を書けばいいのね」
申し込み用紙を持って、高月先輩ははっきりとした口調で答えた。滝川先輩と僕は一斉に高月先輩を見つめた。平光先生が小さく拍手をする。
「亜也っぺ、物分りが良い~」
「亜也……」
滝川先輩と僕の注目を跳ね除けるように、高月先輩は肩にかかった髪を大袈裟に払った。さらに鋭い視線が平光先生に向けられる。
「どの道避けて通れないし。覚悟はしてた」
「亜也がそういうんなら、仕方ない。草弥、名前を書け」
「わかりました……って、どこにです?」
滝川先輩は僕を睨みつけ、机を指差して答えた。
「立候補者の欄にお前の名前を書けって言ってるんだよ」
「はぁ~~~~?」
僕が口を開けたまま、固まっている隣で、高月先輩も同意するように頷いていた。
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