9/21 0:56
今回のコメント
・前に書いた「トロフィー」のメモが見つかった!
読んでみたら、ぜんぜん違う場面のメモだった!
ぎゃふんっ!
暗い部屋での一人ぎゃふん。
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高月先輩は俯いて二の腕を摩りながら、呟くように言った。
「もう終わり。痛くしたから」
僕は再び先輩を見つめる。高月先輩はすでに僕を見ていた。眉間に力が入り、睨みつけるように。
「後は自分で見つけなさい。会話してわかった。一年後の私がアナタに話をしなかったわけが」
「話をしないわけですか?」
高月先輩は僕の言葉に反応して、小さくため息をついた。眉間に入った力が抜け、やや、困惑したような表情で、僕に答えた。
「だって、アナタ一生懸命だもの」
自分だってそうだろ、と言いかけて止めた。なぜだか分からないけど、いつの間にか一年後の高月先輩に話しかけるように僕は緊張していた。
「……一生懸命は悪いことですか?」
すると先輩は首を振った。口元が少し緩んで苦笑しているようにも見えた。
「悪くないよ。でもね……」
それ以上は何も言う気がない。ハッキリと言われたわけじゃないけど、先輩は黙り込んでしまった。
何もない周りの風景は時間が止まっているかのように感じる。だけど先輩が黙っている間は永遠に続く拷問のように感じた。近くにいて反応がないことがこんなにも辛いとは思わなかった。そして数秒か数分か、よくわからない時間が過ぎた。
不意に先輩は「よし」と言って、僕より先を見つめた。
「そろそろ私、美国先輩を探しに行かないと」
ようやく沈黙の拷問から開放された僕は思わず、安堵のため息をついてしまった。
本当は先発ピッチャーには完投して欲しいけど、七回からは黄金リレーでいきます。
手堅く小刻みに。
更新は1~2時間後