未来の『夢』
一週間ぐらいかかってしまいました^^;本編更新です。
毎日、いつも眠いです。さらに、暑くて毎日アイスを4本ぐらい食べる毎日ですw
…体重大丈夫かな?(・ω・;)
ぐだぐだ話ですいません。では、どぞ。
夢を見た。
「私」の体は少し半透明で、どこでも通り抜けられた。幽霊になった気分だった。
「私」は、西洋の城のような建物のある一室にふわりと浮かんでいた。
部屋の中には、沢山の人が集まっていた。その中に見たことのある人がいた。
カミィラ、パルサーシャ、リュナミス、レナード、シェイド、ミュー、あの笑顔の人。
皆、ベットを囲んで真剣な顔で誰かをみつめていた。「私」は気になってベットを覗き込んだ。
そこには私はいた。
髪がとても短くなってるけど、私だった。「私」は私の手に自分の手を重ねた。
私は、瞳を閉じたまま胸を押さえていた。顔には汗をかいている。
時々、目を薄く開けて何かを呟いていた。その言葉にカミィラ達が口を開いて、何か話していたが、私には聞こえていないようだった。
自分で自分を見ていることに複雑な気持ちを抱きながら、そっと手を私の頭にのせる。
「………頑張って、まだ死んだら駄目。まだ、貴女にはやる事がある」
思ってもいなかった言葉が自分の口から出てきた。
「私」の言葉が聞こえたのか、私は震えながら目を開いた。
口が小さく開き、呟いた。
「………だ、れ?」
「……さぁ、誰でしょう、ね」
「私」は失笑しながら、彼女の目に手をそえた。
「……すぐに楽になるから…今は、おやすみ」
私は、「私」の言葉に頷きながら開いた目をゆっくりと閉じた。
「私」は彼女の顔から手を離すと、心配そうに彼女を見つめるカミィラの頭に手をのせる。
「私」の姿が見えないようで、カミィラはいきなり目を閉じた彼女に必死に声をかけていた。
「大丈夫、すぐに良くなるからそんなに心配しないで…」
小さく呟きながら、カミィラの頭を撫でる。カミィラは気づかず、その瞳に涙を溜めてベットに顔を伏せた。
ふと、視線に気づいてカミィラの横にいたリュナミスとレナードと笑顔の人を見る。
彼らは驚いた表情のまま、「私」を見ていた。気のせいかな、と軽く彼らの目の前で手を振った。すると、後ろに後ずさった。
「私」が見えているのか。
「私」はそっと三人を手招きしながら、部屋の隅に飛んでいった。彼らは少し戸惑いながらも、ついてきてくれた。
「私が見えますか?」
そういうと、彼らは同時に頷いた。そして、威嚇するような目を向けてきた。
三人とも、冷たい瞳の奥に敵を見るような感情と怒りが感じられた。
「私」は彼らが安心するように、笑顔を浮かべた。
「彼女は大丈夫ですよ。そんなに弱くありませんから、すぐに良くなります」
「……何故そんな事がわかる」
「だって、彼女は私なんですよ?自分の体のことぐらい、わかります」
「お前が彼女のわけが無い。彼女はここにいるじゃないか」
リュナミスの言葉には、苦笑しかできなかった。
自分でも何故こんな姿になったのか、わからない。だけど、「私」は私だ。
不審げに「私」を見る彼に、「私」は手を伸ばした。彼も手を差し伸べてくれた。
だけど、その手はすり抜け、彼は呆然と自分の手を見つめた。私はわかりきっていたことなので、何も感じなかった。
ただ、何故か目の前の視界がぼやけて見える。頬に熱い物が落ちていくのがわかった。
レナードが私の頬に手をそえた。彼の体温が伝わってくる気がした。
彼はもう、「私」を警戒してはいなかった。
「何故泣いている」
「…さぁ、自分でもわかりません。何が悲しいのかな…?」
「……お前は笑っていればいい」
そう言って、彼は優しく微笑んだ。
私は小さく頷くと、自然と笑みを浮かべる事ができた。すると、いきなりレナードが私の頭の上に手をのせてきた。
触れる事ができないのに、彼は「私」の頭を撫でてくれた。
「ありがとうございます、レナードさん」
「別にかまわない」
彼は普段の顔に戻ると、「私」の頭から手を離した。そして、私のいるベットへと歩いていった。
彼の後姿を見ていると、不意に「私」の目の前に手が差し出された。
「リュナミスさん?」
「……手を」
「私」はおそるおそる彼の手に触れた。すると、ぎゅっと暖かい手で握られて引っ張られた。
驚く間もなく、「私」は彼の腕の中に居た。彼の心臓の音が耳元で聞こえた。少し早い鼓動が耳に入ってくる。その音が、心地良いと思った。
「何で…触れる事ができるんですか…っ?」
「さぁ、な。触れたいと思ったから、触れられた」
そう言って、抱きしめたまま「私」の頬に手をそえた。いつの間にか、また「私」は涙を流していた。彼は涙を指で拭いながら、苦笑した。
「そんなに泣き虫だったのか?お前は」
「私も……なんで泣いてるのかわからないです。だけど……」
とても胸が温かい。こんな感情は久しぶりだった。
彼は少し微笑みながら、「私」の額に顔を近づけた。その途端、額に温かくやわらかい物があたった。
「私」は思わず、額を手で隠した。たぶん、今顔は真っ赤に染まっているだろう。
彼は笑いながら、「私」を強く抱きしめた。
「…まるで、昔のお前に会ってる様な気がする。反応が懐かしい」
「私で遊ばないでください」
「それは聞かなかった事にしておこう。俺の楽しみが減る」
彼が意地悪そうな笑顔を浮かべた。「私」は彼の足を勢い良く、踏んだ。
痛そうに足先を握る彼を、いい気味だ、と思いながら見た。
痛がるリュナミスの横で、天使の笑みを浮かべる人が腹を抱えながら笑い声を出すのを耐えていた。
「くっ、君は本当に尻にしかれるタイプじゃないのかなっ?あはは」
「笑わないでください、殿下」
「いや、これを笑わず何を笑うと言うんですか。ははははっ」
そんな彼らを見ていると、ふと体から光が飛んだ。手を見ると、どんどん姿が薄くなっている。
彼らもそれに気づいたのか、慌てて「私」の手を握った。
「私」は二人に笑顔を向けながら、そっと手を外した。
「もうそろそろ…時間みたいです」
「もう行ってしまうのですかっ、もう少し、あと少しだけでも」
「私」は横に首を振った。
「もう、私の役目は終わったようですから」
「せめて、ここに来た理由だけでも言ってくれないか」
「……たぶん、ですけど…覚えてますか。私がまだこの世界に来て最初の頃、洞窟で……」
「っ!何で、その話になるのですか」
「私は、その時の『私』です。カミィラの家で寝ていたら、いつの間にかこんな事に」
彼らはその言葉で、何かを感じたのだろう。すぐに口を閉じた。
暗い表情の彼らに、「私」は胸に両手を重ねながらそっと呟いた。
「……よかった」
「「えっ」」
「いえ、楽しかったです。まさか、未来をこんな形で体験できた事が、とても嬉しい」
「何故、ですか」
「皆さんの成長した姿を見ることが出来たからです。私にも、こんな未来があるという可能性を、見る事が出来ました」
「何が言いたい……」
「もう、いつ死んでも悔いはありません。皆さんのために、私はいつ死んでもいいでしょう」
「そんな事言うな!!」
声を荒げ、彼は「私」の肩を掴んだ。
顔が、とても悲しそうで苦しそうだった。何故、こんな顔をしているのだろうか。
「私」は、こんな顔をして欲しかったわけじゃない。
「なんで、いつもそうなんだ!何故、生きようとしない!」
「………」
「俺達は、お前に生きて欲しい!お前が、傍にいてくれるだけで……幸せになれるんだ」
「それに、僕たちは貴女に沢山助けてもらったんです!恩返しさせてください」
「……」
「私」は何も言えず、ただ彼らから目をそらすだけだった。
つらい。聞く事が、言葉が心に重く沈む。嬉しいのに、心の奥ではその言葉を否定した。
だって、『私』は生きては、駄目なのだ。
「私」は彼から離れるように、窓の近くまで行く。
彼は「私」を捕まえようと腕を伸ばすけれど、「私」の体はすでに形が崩れ始めていた。
彼が腕に触れた途端、光と共に腕が溶けて消えた。
「―――っ!」
「本当に、お別れですね」
「私」は瞳から流れる涙を拭わず、最後に一度、私の眠っているベットを見た。
そして、目を閉じる。
「……さよなら、いつか、理由を話しますね」
「―――待ってくれ!まだ、言いたい事がっ」
「私が、何で生きようとしないのか、いつか話します」
「だから、待っててくださいね?」
「私」はそう言って、窓をすり抜けた。体が、空中に投げ出される。
窓から、彼らが身を乗り出して必死に腕を伸ばしているのが見えた。
「私」はそのまま、光になって溶けた。
「んっ……」
軽く体を動かし、目をゆっくりと開く。すると、木の机が目に入った。
勢い良く起き上がると、見たことのある台所や暖炉があった。
「…夢だったのかな…」
だけど、夢のように思えなかった。
今でも、手に彼らの体温が残っているように思った。そっと、自分の手を握りながら夢のことを思い出して、彼のやったことを思い出した。
その途端、顔が熱くなり、机に顔を伏せた。
何で額にキスしたの!?っていうより、未来の私は彼とどういう関係に……。
考えるだけで、ゆで蛸になった気分だった。
「うわぅ~……ものすごく恥ずかしい…」
「何が恥ずかしいんですか?」
「それは………っ?!」
顔を上に上げると、あの天使の笑みが目の前にあった。
思わず、後ろに下がろうとして椅子から落ちそうになった。落ちそうになった所を目の前の人に助けられた。
「大丈夫ですか?」
「だっ大丈夫です。ありがとうございます」
「いえいえ、このぐらいどうという事はありません」
長い銀髪を揺らしながら、彼は私とは反対側の椅子に座った。
私も、少し動揺しながら椅子に座る。床に毛布のような物が落ちているのに気づき、それを膝の上にかける。
窓の外を見ると、もう夕方のようだった。
「そういえば、自己紹介がまだでしたね」
彼は今気づいたように椅子から立ち上がると、芝居がかった礼をした。
それだけで、どんな人なのかがわかった。
「僕はこの国の第一王子、エリク・リュクシア・アラドール、と申します」
私も彼と同じように立ち上がり、お辞儀をする。
「私は樹新零香といいます。今は、この家で居候をさせてもらってます」
「貴女ですか、彼が言っていた女性とは」
その言葉に、首を傾げる。
すると、彼は裏の窓に近づくと私に向かって手招きをした。不思議に思いながら、窓に近づいて覗いてみると
「後300回!次は剣の素振り250だ、休み暇など無いと思え」
「副隊長~、ひどいです!」
「もう体が悲鳴を上げてます!」
「喋るぐらいなら、体を動かせ」
そこでは、沢山の男の人たちが腕立て伏せをしていた。上半身裸で。
奥には、剣をくるくると回しながらリュナミスさんが見回りをしていた。
「…シュールな光景…」
そういわざるおえなかった。
この話を書いている間に、いつの間にか
10000アクセス、突破!!ありがとうございます^^
ユニークも2000を突破しました。
ものすごく、嬉しいです(;ω;)
嬉しさのあまり、兄と近くの川に飛び込んできましたw
次は、ちょっと更新が遅いかもしれません。
もう一つのほうも更新したいので、たぶんそっち優先になると思います。