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お客様の願い「子どもたちの未来を守りたい」について考えてみた件

前回の打ち合わせから数日後。


私は占いの館のレンタルスペースで、

今日も打ち合わせの準備をしていた。

書類を整えつつ、心の中で自分に言い聞かせる。


「今日も落ち着いて、しっかり説明するぞ」


時間になると、カーテンがゆっくり開く。

あの青年が少し緊張した面持ちで顔を出した。


「こんにちは、ナナミさん……今回も世のため人のためのお願いなんです」

「もちろんです。どんな願いですか?」


青年は小さく息をつき、昨日ニュースで見た映像を思い出すように言った。


「通学中の子供が事故に遭ったんです。軽傷で済んだけど……やっぱり未来ある子供たちは守らないと」


私は微笑みながら頷く。


「なるほど、子供たちの安全ですね。具体的にはどんな形で?」


「できるだけ早く、通学中の安全を守りたいんです」


私はメモを取りつつ説明する。


「地域行政の見守り施策の拡充で対応できそうですね。横断歩道や交差点の見守りエリアを増やす……

シルバー人材を活用すれば人手も確保できます。

関係者にチョチョイとすれば可能です」


青年の目が少し輝く。


「本当にできますか?」

「はい。でも……」


「実は見守りエリアの見直しはPTAや地域安全委員会が定期的にやっているんです。

限定的に範囲拡大するのに願いを使うにはもったいないかも」


青年は眉間に皺を寄せて考え込む。


「なるほど……確かに、既存の体制に任せる方が現実的ですね」


「ですね」 


青年は少し肩を落とし、でも安心したように笑う。


「世のため人のための願いは難しいね……」


彼はバツが悪そうに呟いた。


「大丈夫です。こうして考えるだけでも、一歩前に進んだ気がします」


「別な願いを考えてみます」

青年は少し背中を丸めながら帰って行った。


「小さな一歩でも、未来を守ることにつながる……

 今日も少しだけ、仕事をした気がする」


私の営業レディとしての実績は未だにゼロ。

でも契約サインまでは諦めずに頑張ります。



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