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この連載作品は未完結のまま約2ヶ月以上の間、更新されていません。

異世界侵攻)本編始祖神マルゲス・ゲルディアス神話録

作者:demonrood
エブリスタにても掲載中=スター特典で設定資料集あり
第Ⅰ幕:静寂なる《虚無殿》
星なき天。音なき風。
色も、音も、概念さえも希薄に溶けた虚空の中に、ただ一つ、そこだけが“意味”を持って存在していた。

──《虚無殿(ニヒル・ヴェイ)》。

それは、神話階層に属する制圧戦略本部。
宇宙の果てにすら属さず、時間軸の外に在り、いかなる次元観測者からも干渉不能な「純粋思考存在」のみがアクセス可能な絶対領域。

この殿堂は空間ではない。“意思”のために構築された、“神格知性”専用の概念基盤である。
無限に広がる闇の中心に、それは浮かんでいた。

──惑星《アルティ=ゼノス》の立体投影。

天球儀を思わせる淡い蒼の光球が、幾重にも複雑な魔力演算構造を伴って、重層的に回転していた。
空間に浮かぶ軌道帯には、文明圏の活動密度、魔素流動図、神性分布、霊的干渉濃度、さらには次元横断の痕跡までもが、リアルタイムで反映されている。

ただの地図ではない。
これは惑星全体の“生命と魔法の構造式”を視覚化した“生ける星の投影体”だった。

そして、そのホログラムを、じっと見下ろしている存在がいた。

闇より深き漆黒の座、《玉座構造体エンド=ノヴァ》に鎮座するその巨影。
彼の名は──

《ヴァル=ザイン=ノワリア=レーヴァギア》。

エターナル・ノーブル・デビル吸血魔竜。
幾千の魔王を滅し、幾万の神の因果を刈り取った、神話階層における“禁域超越存在”。

神々をも超える存在でありながら、なお《創造》を欲する者。
彼は今、この星における“新たなる神話”の開始地点を選定していた。

「──ラムドゥ、出よ」

淡々とした命令に、空間が波打つ。

空間認識座標【N-∞】が開放。
幾何学的な魔術構造が光を描き、その中心から冷たい青白い光が展開された。

現れたのは、宙に浮く一対の魔術核と黒銀の杖型インターフェースを持つ存在。
人の形ではない。

それは《ダンジョンコア》、そして分析知性体にして、ヴァル=ザイン直属の補佐機構。

《ラムドゥ=ネイル・オルトラージュ》。

「認識完了。存在確認。貴殿の“観察”要請に応じ、アルティ=ゼノス全土の大陸構造、魔力構造、霊的流動、支配領域、神性分布を統合解析──」
「戦略的ダンジョン創造における最適候補群を提示する。進行を許可されたい。」
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