伯爵家の嫡男※
他視点は、短編にする事も考えていたので、内容的に重複を含みます。ご了承下さい。
「ああっ、またアレ関連の支出が増えている。……一体、いつまで続くんだ、こんな事」
伯爵の執務室から持ち出した帳簿の確認作業をしながら、僕は頭を抱えた。
コンコンコンコン。
「どうぞ」
ノックに応答すると、開いたドアからティーワゴンが見えた。
一息入れようと頼んでおいたのだ。
「失礼いたします。お茶をお持ちいたし……」
「お兄さまっ! ズルいですわ! 美味しそうな、お菓子! わたしにも下さい」
太った女児が、メイドを押しのけて入ってきたかと思えば、金切り声を上げる。
「……持っていけ。ここでは食べるな」
「え? お兄さま? ちょっと!」
ワゴンから茶菓子の皿を取り、喚く小娘に押し付けると、部屋から押し出す。
悪態をついているが、構う気にもなれない。
「君、悪いが、代わりを持って来てくれるか?」
「かしこまりました。お茶の用意は先でもよろしいでしょうか」
「頼む」
持ってきた茶だけをテーブルにセットして、立ち去っていくメイドは表情を変えないが、背中から疲れた気配が漂っている。僕も疲れた。
「公爵夫人から小包が届いております」
代わりの菓子は執事が届けてくれた。小包のついでの様だ。
「姉上から?」
僕の姉は、気の毒な人だ。
18歳で、自身の倍以上の歳の男やもめに嫁がせられた。
相手は、我が伯爵家よりも遥か格上の公爵ではあったが、前妻との間に姉と同年代の嫡男が居る。
姉の役割は、引継ぎの円滑化と将来の年寄りの世話だけだった。
引継ぎは間近で、姉は20代半ばにして前公爵夫人となる予定だ。
子どもの頃は、姉との仲は最悪だった。
僕が伯爵家の長男で、非常に厳しい後継教育を受けていたから。
鞭打たれる事もなく、時間を自由にできる姉がたまらなく妬ましかったものだ。
僕より6歳も上の姉もまた、後継教育を受けていた事があったのを知らなかったからでもある。
そして何より、姉が母に嫌われていたからだ。
第一子である姉の誕生は、非常な難産の末だったそうだ。
姉を産むのが大変だったからと言って、母は事あるごとに姉を親不孝者と罵っていた。
一切の反論も無く謝罪する姉の姿を見て、愚かだと思っていた。
後から謝るくらいなら最初からしなければいいのに、と考えたのだ。
子の出生に関する事を学んだ今では、深く後悔している。
全く理不尽な考えだった。
姉との仲が冷え切っていたために、直接言わずに済んだのが不幸中の幸いだ。
転機は、アレが母の手に渡ってから訪れた。
この国の貴族の子どもは、3歳まで複数の乳母に育てられる。乳幼児の死亡率が高かった頃に出来た慣例だ。3歳になると実母の手に戻され、正式に貴族の子として認められる。
しかし、存在が公式になったからといって、扱いが変わるかどうかは、それぞれの家による。
伯爵家では3歳になっただけではまだ足りず、都度必要とされるマナーに合格をもらえなければ、父母に会う事も、食卓を共にする事も許されなかった。
僕の場合、望んだ時に両親と面会できる様になったのが5歳、同席して食事できる様になったのが6歳だった。
ところが、僕がようやく両親と同じ食卓に着く事が許された頃のある日、突如としてアレが居たのだ。
不器用に握りしめているだけのカトラリー。音を立てずに食べるどころか、溢し放題。
伯爵夫妻に挟まれて、使用人に面倒を見られながら、好き放題に振舞うだけの存在。
「……マナーが習得できなければ、食事に加わる資格が無かったのではないのですか?」
アレを目線で示し、姉が両親に質問する。
「いいのよ、この子は。あなた達と違って責任も無い。何より孝行者だわ。産むのが一番楽だったのよ。」
「後を継ぐ役割を課す必要も、ちょうどいい政略結婚の相手も居ない。ならば、儂らを楽しませるだけで構わんのだよ」
両親だと思っていた2人の返答は、聞いた時には理解できなかった。
アレ、即ち妹の事である。
敬愛する姉と対の意味を持つ呼び方でアレを呼びたくない。しかし、名を意識するのも嫌だ。
結果、アレと表現している。
流石に伯爵夫妻相手には使わないが、使用人相手には説明の必要も無かった。
あの日から、目に見えて父母はアレを甘やかし始めた。
食べさせたい物を食べさせ、着せたい物を着させる。
嫌がる事があれば止め、好む物が分かれば与える。
ただ、それだけ。
一体、何が楽しいのか、分からなかった。
そして、自分が何を目指していたのかも、分からなくなった。
僕と姉は、感情を制御するための訓練と言われて、好む物を食べる事も、趣味に合った物を着る事も許されない日々を送っていた。
努力の先に在ったと思っていた父母とのふれあいとは、何だったのか。
姉の提案で、食事は姉とだけ共にする事になった。
夫妻からの反対も無かったらしい。
父母を親だと思う事を諦め、自分の家族は姉だけなのだと思う事にした。
アレを構う様になってから、僕達へ課されていた無駄に厳しい習慣が有名無実と化したのを、幸いと言っていいのだろうか。
彼らに、僕と姉への興味など、元々無かったのだと思う。
苦手だと偽って好物を食していても、悟られる事も無かったのだろう。
姉と2人きりで食卓を囲む様になって、互いの事を話す機会も増えた。
教育に関する誤解が解けたのもこの頃だ。
内容によっては、家庭教師よりも姉から教わった方が分かりやすかった。
鞭を使う教師は姉が交代させてくれた。
自分も姉に何か返したかったが、10歳をいくつか越したくらいでは、理不尽な婚姻を止める事も出来なかった。式直前の公爵に突撃して姉を大事にしてくれる様に訴えたが、どれほどの効果があったのやら。
内輪だけの地味な結婚式を終えて、僕だけを「元気でいてね」と抱きしめて別れを告げていく姉を、涙を堪えて見送る事しか出来なかった事が悔やまれる。
その姉から届いた小包を開く。
装丁だけは立派だが厚みの無い本が1冊と手紙が入っていた。
手紙を開く。
「愛する弟へ」
「知らせたい事があり、手紙をしたためています」
「同封の本は、伯爵夫妻のお気に入りが書いたものです。1冊だけならばまだしも、同じ物を20冊も作成してしまった模様」
「目を通しておいて下さい。伯爵領で配布するつもりの様です。わたくし達は、これを社交界で広めます。どういう意味かは分かると思います。隣領の侯爵家嫡男を頼りなさい。力になってくれます」
「わたくしは、あなたの味方です」
若干謎めいた短い文章しか書かれていなかった。
続いて、同封の本を読む。
怒りを掻き立てられて、短い割になかなか読み終わらなかった。
アレが書いた事になっているが、そこまでの能力は無いだろう。アレの遊び相手として屋敷に居る男爵令嬢が書いたと思われる。
本の前半部分は、アレが経験した事など無い、姉と僕の苦労話。後半部分は、稚拙で馬鹿げていて説明する気にもならないが、伯爵家の教育が全否定されている。
……これを伯爵領で配る?
手紙を読み返し、頭を抱える。
姉の婚姻話の時も願ったが、もう少し早く生まれていればと思う。
尤も、その年の差も伯爵夫妻の責任である。
最初の難産で子どもを産むのを嫌がった妻と、許してしまった夫のせいだ。
それならそれで姉を可愛がって後継にすれば良かったものを、やもめの公爵に一人娘を褒められた事で余計な事を考えたのだった。
第二子である僕の出産が恐れていたほどではなかった事で、さらに子を設ける事になったのが、また悔やまれる。
ライティングデスクに移動し、便箋を取り出しながら、ため息が出てしまう。
呼び鈴を鳴らし、やって来たメイドに執事を呼んでもらった。
「お呼びと伺いました」
「手紙を頼みたい。まだ書き終わっていないから、その間に、この本を読んでおいてくれ。先ほど届いたものだ」
執事に例の本を渡す。
「拝見致します」
書き終わった手紙のインクが乾くのを待っていると、執事も読み終わった様だった。無表情を装っているが、眉間の皺が深まっている。
「領で配布の予定があるらしい。聞いているか?」
「……いえ。お嬢様の指示で作られた内容を多量に製本されたのは、知っておりましたが」
「姉上はこれを広めるつもりだ。もう手も回している。この手紙もその内だ」
「……かしこまりました。私も覚悟を決めます。せめて若様があと2歳、お年を召していらっしゃれば、とは思いますが」
「それは僕もそう思うよ」
僕は16歳なので、一応成人しているのだが、慣例的に一人前扱いされるのは18歳からだ。主体的に動くには2年後の方が都合は良い。
しかし、そうも言っていられなさそうだ。
「お時間頂き、ありがとうございます」
お互いタウンハウスに居たという事もあり、侯爵家嫡男とは王都で会う事になった。
領が隣り合っていたため、幼馴染と言っていい間柄だ。
幼い頃はもっと交流も多かったが、結婚をして爵位の継承も間近な相手に、子どもの頃の様な態度は取れない。
「いや、構わない。君も大変だな」
幼馴染は、無表情に棒読みで応える。
変わらない様子がおかしくて、少し笑ってしまった。
3つ年上のセルジャンは、容姿こそあまり冴えないものの、優秀な人だ。
表情が乏しいので分かり難いが、思いやりもある。
「姉から、あなたを頼る様に言われました」
軽くお互いの近況報告をした後、話を切り出す。
「……妻が、君の姉上と仲良くなった様でな」
セルジャンの顔が、微かに赤くなった。
幼馴染の結婚相手、元ヴェールフォンセ侯爵令嬢は僕の2歳上で、派手だが美しい事で有名だった。王太子殿下が妃に望んでいるという噂もあった。
顔色の変化は、僕が幼馴染でなければ、分からないくらいだったが、上手くいっている様で何よりだ。
ともあれ、セルジャンの新妻が姉上の協力者だと分かった。
「奥方のご助力を感謝いたします。……任せてしまうのは心苦しいのですが、僕が動くのは、おかしいですよね?」
姉がしようとしている事は、我が家の醜聞を広める事だ。
代替わりを早める企みだが、嫡男が協力するべき事では無い。
「まあ、そうなんだが、相談するという体を取る事も出来るぞ。少なくとも公爵閣下には、会っておいた方がいいだろう」
「なるほど。ある程度、親しい相手に限られますが、妹の愚行に困っていると言って本を見せてまわるのですね。公爵閣下へ会いに行くのは必須として、出来れば協力して頂きたいですね。姉と連絡を取り合って進めます」
今の伯爵家当主には不安があるので代替わりを早めた方が良い、という噂を広めて、王家を動かすのがいい。
そのためには、王家に近い公爵の協力が欲しい。
「そうだな。こちらでも広めておこう。王宮への働きかけも必要だな」
王家に直接的に訴えるのは、無関係な貴族家からの話であれば内政干渉だが、隣領のメナール侯爵家からなら妥当な懸念である。
「よろしくお願いいたします」
流石に礼を言うのはおかしいので、頼むだけにしておいた。
「お父さま~、新しいドレスが欲しいですわ~。 どうして新しいのを買ってはいけませんの~?」
アレは、伯爵夫妻には取り分け気持ち悪い喋り方をする。
「出掛ける先も無いのに、必要ないだろう」
伯爵は、何故、今までもそう言って断っていなかったのか。
「でも~、お腹まわりがきついんですの~」
未だに、アレの食費は増すばかりだ。
「痩せなさい」
「貴方も痩せて下さい」という言葉を飲み込むのは、大変だった。
「お母さま~、アナを戻してくださいな~」
「出来ません」
アレが甘ったれた声を出して強請っているが、伯爵の妻にすげなく断られている。
アナはアレの遊び相手だった男爵令嬢の呼び名だ。
行儀見習いだったが、例の本を手掛けた事で伯爵夫妻から不興を買い、実家に戻されている。
理不尽かもしれないが、この邸に来てからアレと同じくらい丸々としてきた事を思うと、同情は出来ない。
本の件に関しては主犯だったとも言えるので、寧ろ、処したいくらいだ。
「最近、お父さまもお母さまも、ひどいですわ~。どうしてですの~? 親不孝なお姉さまとお兄さまをこらしめるための本を書かせたのは、お父さまとお母さまのためですのに~」
湧き上がる殺意を必死で抑えた。
姉が始めた企みは、思ったより効果が出ている。
正直、代替わりまでいかなくても仕方ないと考えていた。
伯爵夫妻とアレに、少しでも大人しくなってもらえれば御の字、くらいのつもりだった。
「おお、君は例の伯爵家の嫡男だね。領地経営の教育は進んでいるのかね?」
夜会で会った近隣領の貴族家当主だ。
同様の相手に似た様な事をよく聞かれる。
場合によっては助力を申し出られる事もある辺り、想定以上に深刻に思われているかもしれない。
「お陰様で、一通りは済ませております。少なくとも本家の帳簿周りと、代官くらいは出来ますよ」
やっていないのは方針決定くらいだ。
寧ろ、任せて欲しかった。
伯爵夫妻は、社交もそれなりには好んでいた。
最近は、白い目で見られたり遠巻きにされたりが多いため、機嫌が悪い。
突如として冷たくなった伯爵夫妻に、アレが戸惑っている事がある。尤も、その割に行動は何も変わっていないが。
そうして、遂に来るべき時が来た。
「公爵閣下、突然、どうされました?」
姉も連れず、先触れも直前の公爵の来訪に、伯爵が動揺している。
もちろん、応接室でもてなしている。
「寄り子貴族の悪評を確認しに来るのは当然だろう?」
公爵は、伯爵家からすると寄り親貴族家の当主になる。
姉の理不尽な婚姻は、こういう理由もあったのだ。
「あ、悪評ですか?」
「公爵様が気にされる様な事は、何もありませんわ」
冷や汗をかく伯爵の横で、妻がしらばっくれようとしている。
「そうか? 問題のある本を多数作成し、配布の予定があると噂になっている。現物を読んだ者も多い。看過できるものでは無いな」
「そ、それは、娘が勝手にした事でして」
「遊びで作っていたものですから、皆様にお見せする予定もございませんわ」
伯爵が侯爵にしどろもどろの言い訳をし、妻が無責任な事を言う。
「ほう? 1~2冊ならまだしも、桁違いの量をご令嬢が勝手に、とは財政管理が心配になるね。君の意見はどうだね?」
公爵が僕の方を向く。
「両親と妹がご迷惑をおかけして、誠に申し訳ございません」
振りではなく、心から申し訳なく思う。
アレとその親を自分の家族と表現しなくてはならない事だけが、業腹だ。
「どうやら、嫡男はまともな様だな。もう代替わりをしたらどうだ? 国王陛下も気にしておられたぞ」
公爵が皮肉な笑みを浮かべる。
ここで命令にはしてもらえないのが辛いところだ。厳密には国王ですら、各家の事を好き勝手には出来ない。爵位は国から賜るが、領地は各貴族家が元々所有しているものだからだ。尤も、王家からの理不尽な命令に従わなくても良いのだから、良し悪しではある。
「滅相もないことでございます。娘が問題でしたら、修道院行きを考えているところでございました」
「もう準備も進めております」
伯爵が答え、妻が追随する。
本が社交界に出回ってから、焦った伯爵夫妻は、犯人捜しもそこそこに、掌を返した様にアレに冷たく当たりだした。遊び相手として、一緒に持て囃していたアナなど鞭打って放り出していたくらいだ。外聞が悪いので、こっそり執事が荷物を渡して辻馬車を拾う様に言っていたが。
修道院は、貴族令嬢の修養の場として普通に使われるが、内実は様々だ。花嫁養成所として名高い所もあれば、厄介払いが目的の施設もある。
夫妻が口にした所は、後者で、しかも公爵領だった。
修道院は教会の管理下にあるものではあるが、公爵家に預けるという事だろう。
所詮あの2人の「愛情」など、そんなものだ。
「そうか。では仕方ないな。しかし、代替わりが早まる様なら相談に乗ろう。今の当主夫妻のままならば、ただの寄り子貴族だが、双方の代替わりが成れば、義兄弟になるからな」
公爵は言い残して去った。
「お母さま~。一体、何が起こっているのですか~? お父さま~、助けてください~」
アレは変わらず甘ったれた声を出している。
公爵が帰った後すぐ、伯爵夫妻はアレを修道院へ送り出す事にした。
何も考えずにただ邸から追い出そうとしたので、執事と僕で止めた。
今は馬車と荷物の準備を使用人に、修道院宛の手紙の用意を伯爵にさせている。
別にアレの為ではない。
外聞が悪すぎるのだ。
ただ放り出すなど、まだ息の根を止めて病死扱いした方がマシなんじゃないのか。
厄介払いの修道院での生活は、アレには不満だろうが、人間らしい暮らしという意味では上だと思う。
本を書いた男爵令嬢も既に送られているので、一緒になって囚人生活をすればいい。
件の修道院では、寄付金の額で扱いが決まるので、立場が逆転する様にしておいた。
揃って迷惑な存在になるだろうが、そういう相手専門の施設だ。何とかしてくれるだろう。
前々から思っていたが、伯爵夫妻は短慮が過ぎる。
家が保っているのは、執事や家令が優秀だっただけだろう。
その後、恙なく代替わりが進んで……いない。
僕はまだ伯爵家嫡男のままだ。
しかし、変化は大きい。
伯爵夫妻はまだ邸に居るものの、公爵家から送られてきた人員によってほぼ監禁状態になっている。
監視役の誘導が上手くて、本人達に大きな不満は無いらしい。
将来的には、領地の片隅でひっそりと過ごしてもらうつもりだ。
家の経営は、公爵家の人手と共に姉上が手伝ってくれて、僕が主導で行っている。
僕が18歳になり次第の爵位の譲渡を目指している。
「そろそろ貴方の結婚相手も探さなくてはなりませんね」
執務の合間に、姉がポツリと切り出した。
長女の結婚はごますり程度で決めて、嫡男の婚約は後回し。
夫妻はほとんど何も考えていないのではないだろうか。
アレのせいで女性不信になったので、僕の事を決められずに済んだのは好都合ではあったが。
「あー、そうですね。……姉上と気の合うご令嬢を紹介してもらえませんか?」
爵位を継ぐなら女主人が必要というのも、尤もだ。
「あら。わたくしの事は気にせず、好きな娘を選んで良いのですよ?」
意外そうな表情で姉がこちらを見る。
「何を仰いますやら。僕のたった一人の大事な家族と仲良く出来ない人なんて、御免ですよ」
言うと、姉の頬が少し赤くなった。
かく言う僕の耳も熱い。
好意をはっきりと言葉にする機会は少なかった。
「フフ。では、探してみますわ。責任重大ですわね」
「ええ、よろしくお願いします」
でも、こんな日々が続くなら、しばらくはこのままでもいいかと思うのだ。
読んで下さってありがとうございます。
ロクサーヌとアンリのハッピーエンドでした。
でも、ここに嫁いでくる人、大変そう……。