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幕間
9.
コップがある。
ガラス製の透明なコップ。
そのコップに水が注がれている。
次から次に止めどなく注がれる水。
不思議なことにコッブの縁から水が溢れることはない。
しばらく見ていると、不意にコップのいたるところにヒビがはいる。
それはそうだろう、だって水の逃げ場がないのだから。
それでも水は注がれる。
ヒビの入ったコップは遂には粉々に砕け散った。
注いでいた水も辺りにぶち撒かれてしてしまった。
どうしようか考えていると、周囲には無数のコップが並び立っていることに気がついた。
一先ず溢れた水を別のコップに移してしまおう。
水は絶えず生まれてくる。
早く水を注がねば。
もっともっと注がねば。