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鬼取屋  作者: 石馬
第参幕「酒呑童子」
56/63

怪ノ玖「鈍角・駿角〜地獄で嗤う鬼畜の門番〜1」

皆様、またまたお久しぶりです。


このような駄作でしかも更新ペースが遅いのでは皆様離れていってしまうのではとビクビクしとります((-_-;))


お詫びというほど大層なことはできませんが、今回は長めです。それと戦闘場面をやっとこ取り入れられました。


長々と書きましたが、宜しくお願いしますm(_ _)m

 月も星も分厚い雲に隠れた闇の中、その巨大な影は夜の街を少しずつ侵していった。

 街灯の光さえ其処には存在していない。


 そんな薄気味悪い道程を運悪く一人の男がふらふらと歩いていた。

 乱れたスーツ、少しだけ寂しさの漂う頭、恐らく酒を呑んできたのだろう、顔は紅潮し足元は覚束ない。右に左にとふらふらぶらぶら、いつ倒れてもおかしくない。

 男は酒が入って余程ご機嫌なのか、鼻唄など歌っている。どうやら家路につく最中のようだ。


 その背後に死の危険がいることなど、そんな男に分かるはずもない。音もなくまるで獲物を見つけた蛇のように、巨大な影は男に近付いていく。


「モホホホ、駿角、アイツなんてちょうどいいんでねえか?」

「ヒヒヒヒ、鈍角、アレなんてオテゴロではありませんか?」


 二体の巨大な影は互いにそう言うと、喜び勇んでまるで競うように男に襲い掛かった。

 ……悲鳴はなかった。恐らく男は、死んだことはおろか襲われたことにさえ気付かなかったはずだ。

 苦しまずに逝った。それがこの惨劇、最初の被害者の、唯一救われた部分だった。





 白昼の街並みの中、一台の車が走っていた。運転手は言うまでもなく、心霊相談請負事務所鬼取屋所長、鬼丸京介である。

 隣の助手席には、例によって一人の少女が座っている。


「京介さん、私たちはいったいどちらまで向かっているんですか?」


 榊美雨は怪訝な顔で横を見遣り、現在進行形で車を走らせている京介へ問い掛ける。

 京介はいつものように美雨の方を向かず前方に視線を集中しながら口を開く。


「俺の知り合いの元にお前を届けに行くんだよ。

 今回のヤマは一際大きいからな、流石に俺らの近くにお前を置いとくのは危険だろ?」


「えー! じゃあ今回のお仕事私目立たないじゃないですか!」


 京介の発言にあからさまに嫌な顔をする美雨は、ビービーと小学生のように駄々をこねる。


「イヤです降ろしてください! ただでさえ最近影が薄いんですから数少ない私の出番を奪わないでくださいよ!」


 そう言いながら京介の握るハンドルを奪い取るように切る。


「ぬぉ!? 馬鹿野郎危ねえだろ!」


 そうこうしていること約1時間、京介と美雨の二人はやっと目的地へと到着できた。

 其処は一見すれば何処にでもあるような、そんなビルだった。少し新しかったり、一階が銭湯になっていないこと以外は、鬼取屋の事務所と殆んど変わらない造りだ。

 ただ都心にある鬼取屋と違い、周りにはこのビル以外に建築物がない為に相当場違いな空気を醸し出している。


 美雨は不機嫌な表情で車から降りると、その不可思議な空気を放つビルを見上げる。


「ほら、いつまでも突っ立ってないでいくぞ」


「いーやーでーす!

 良いじゃないですか京介さんが私を守ってくださいよ。そうすれば万事解決じゃないですか!

 さすがは私、天才と呼んでください」


「ふざけんな! 此処まで来て何言ってんだよ、もう諦めてついてこい!」


 京介の方も流石に疲れたのか、美雨の首根っこを掴んで無理矢理に引き連れることにした。端から見れば誘拐かと思うような光景ではあるが、生憎辺りには人間処かネズミ一匹いない。よって、美雨は為す術なく京介の意のままにそのビルの中へと連れていかれるのであった。

 ……悲鳴に近い叫び声だけが、その建物内に谺していた。


 迷いのない足取りで階段を上がり、更に少女の首根っこを掴んで引っ張る京介が遂に足を止めた目の前には部屋があった。

 鬼取屋の事務所の入り口と変わらないなんの変哲もない無機質な扉、その扉を開けると、其処にはやはり鬼取屋と変わらない配置の事務室の景色が瞳に入ってくる。

 そして鬼取屋なら京介の席があるであろう席には、既に先客が座っていた。というより、其処はその人の席なのだろう。席の主は回転式の椅子の正面を窓に向けている為、その姿を確認することは出来ない。


「よう、久し振りだな(くるり)

 突然現れて悪いが、今日はお前に折り入ってお願いがあって来た」


 京介は座っているその席の主に向かって、そう呼び掛ける。それに呼応するように、椅子はクルリと回転し京介ら二人の方へと向き直る。


 座っていたのは、女だった。肩まではあるであろう赤紫色の髪を後ろ手にまとめ、赤い瞳を隠すように縁なしの眼鏡を掛けている。

 季節はもう秋だというのに着ている服はしわくちゃのワイシャツとグレーのスラックスだけという薄着で此方を半ば笑った表情で見つめていた。

 整った顔立ちをしてはいるが、美雨はそのわざとらしい表情を少し不気味に感じていた。


「やぁ京くん、本当に久し振り。だけど来る事は判っていたよ。

 君も冗談が好きになったね、ボクにとって『突然』という単語ほど似合わないものはない」


 京介に転と呼ばれた女は子どものようにそう言って二人を交互に見遣る。それが何かを企んでいるような感じがして、美雨は京介の後ろへ隠れるようにその視線を逃れようとしている。


「京介さん、この人いったい誰ですか? 冬子さんみたいな妖怪のお知り合いですか?」


 怯えた声で訊く美雨に、京介は転から目を離さずに答える。


「此奴は人間だよ美雨、大分変わり者だけどな。

 此奴の名前は(はずみ)(くるり)、未来視が出来る霊能力者だ」


 京介の紹介に、転はにっこりと美雨に笑い掛け、そして口を開いた。


「君とははじましてだね、榊美雨ちゃん。

 機転(きてん)と書いて、『はずみくるり』というものだ。機転の効く女と覚えておくれ。ああ、言っておくけど偽名じゃないよ、(れっき)とした本名だ。これから末永く、仲良くしておくれ。

 ……まあ、そうなるにはちょっとまだ時間は掛かるんだけどね」


 彼女の少女のような屈託のない笑顔に、何故だか美雨は恐怖に近い感覚を覚えた。





 ――辺りには死体の山が築かれていた。それは人間だったモノだけでなく、妖怪だったモノも何体か混じっている。

 その死体に埋もれているかのように佇みながら、何人かの生きた人間と何匹かの生きた妖怪が死闘を繰り広げていた。

 妖怪側の先陣を切っているのは愛染飛鳥の肉体をその手中に収め、不死身の肉体を手にした悪鬼にして日本最強の鬼、酒呑童子の右腕、茨木童子。

 彼は眼前にいる人間達に敬意を表すように語り掛ける。


「中々遣るじゃないか人間共、俺達“鬼”を相手に此処迄善戦した奴等は初めてだ」


 その評価とは裏腹に、彼の口振りは余裕に満ちていた。何十という数の同胞を失っても最後に勝つのは自分である、そんな意識が相手の人間側にも伝わってくる。


「敵の称賛程意味ないものはねえよ。お前達一体何が目的だ?」


 口を開いたのは人間側の中心的な人物だ。

 やや荒い口調に今時の若者が好んで着るようなラフな服装、髪も長く伸び、染めているのか日本人とは思えない鮮やかな朱色をしている。年齢は二十歳前後だろうか? 若作りはしているが京介や吹雪とそう変わらないように思える。

 朱色の青年は茨木童子を一瞥しながら、後ろにいる仲間の人間達を庇うように戦闘の構えを崩さない。そんな青年を見据える茨木の表情は、ニヤリと卑しく嗤っていた。


「目的? んな(モン)は決まってるだろ? 貴様等の身体を俺達の同胞達の為に提供して貰おうと思ってな、一寸した虐殺をしに貴様等を襲ったら想像以上の器を発見しちまったのさ」


 茨木童子が返答すると同時に、彼の後ろにいた醜悪な姿の妖魔達が一斉に朱色の青年へと飛び掛かってきた。

 朱色の青年は静かに襲い来る鬼達を見つめると特に何を思うでもなく、右腕の掌を鬼達に向ける。後ろにいる人間達はその動作を見ると一、二歩後退する。


「邪に穢れた魂が。醜い体諸ともブッ飛びやがれ!」


 青年の咆哮と同時に、空中を走る数体の鬼の身体が破裂した。それはまるで空気を容れすぎた風船のような光景、急に鬼達の腹が膨張し出したと思ったら、そのまま音を立てて四散したのだ。バケツを思いっきりひっくり返したような血液の塊が人間と鬼、両者を紅に染めるように降り注ぐ。

「……貴様、一体今何をした?」


 余裕だったはずの表情を強張らせて問う茨木に、青年は不敵な笑みを浮かべるだけで何も答えない。その態度が気に入らないのか、茨木は一歩足を前に踏み出し臨戦態勢に入る。


手前等(テメエら)全員下がってろ、予定変更だ。此奴は俺が貰う」


 腰に提げた二刀を構える茨木、その動きを見て、朱色の青年もまた後ろにいる仲間の人間達に下がっているよう合図を送る。

 一人の人間と一体の鬼が睨み合う中、その凄惨な戦場には不似合いな静けさが漂い出す。

 やがて一陣の風が死体を揺らし、折り重なるように積み上げられていた死体の一つがドサリと地面に落ちた時、既にその場には人と鬼の姿は消えていた。


 先手を打ったのは朱色の青年。先と同じように右手を掲げると、茨木のいるであろう空間が歪み始める。そしてまた、風船を割ったような乾いた音と共に空気が爆発する。

 茨木は回避行動に出るが間に合わず、右腕を肘辺りから削ぎ落とされる。然しその程度の傷など文字通り痛くも痒くもない。妖力さえあれば無尽蔵に再生する愛染飛鳥が持つ“不死身の肉体”の前では如何なる傷もその場でたちどころに治ってしまうのだから。


「無駄だ。貴様程度の攻撃力じゃ俺に傷を付ける事は出来ても、俺に傷を残す事は出来ない」


 回避の行動から一転、攻めの体勢に入る茨木。神風の如く素早い足捌きで青年との距離を一瞬のうちに詰めると、諸手に握る武骨な刃が朱色の髪を掠める。

 先ずは右、次に左と息吐く暇もない攻撃が青年を襲う。その剣撃はまるで暴風のように辺りの人間達を誰彼構わず巻き込んでいき、青年以外の全ての人間を切り刻まんとしているようにも思える。


「テメエ…………!」


「どうした? 何を怒っている、これは戦だぞ? 弱い奴から殺されて逝くのは当然だ。其れとも貴様は、俺が貴様と一対一で(ケリ)を着けるとでも思っていたのか?

 とんだ御気楽思考だな、アア!?」


 より一層激しさを増す茨木の剣撃、青年は遂に躱し切れなくなりその刃を一身に受けてしまう。周りからは青年の安否を心配する声が漏れるが、すぐにそれも刃の暴風に呑み込まれ消えて逝く。


「……ざけんな、このまんまで終われるかよ!」

 腹部から夥しい量の深紅を流しながら、青年は両腕の掌が茨木童子へ向くよう標準を合わせる。


「跡形もなく、塵と消えやがれ!!」


 凄まじい大気の振動と共に、二刀を構える剣鬼の身体は空に咲く花火のように弾け飛んだ。その反動の為か、青年の両腕からも鮮血が跳ね、掌からは黒く変色した液体がベタベタと貼り付いていた。

 青年の言葉通り跡形もなくぶっ飛んだ茨木童子。

 無論、その肉体は即座に再生を始める。然しその隙を見逃す程、朱色の青年も甘くはなかった。茨木童子の肉体が完全に再生するその前に、間髪入れず青年は空気を炸裂させる。

 折角治ったはずの腕が、足が、頭が眼が心臓が、完治したその場で次々と破壊されていく。周りでただ静観していた部下の鬼達も、流石にその表情に焦りを浮かべ、悲鳴に近い咆哮を上げる。

 然しそれでも青年の攻撃は止まらない。一歩その足を踏み出したと思った次の瞬間、最早身体の原型など留めていない茨木童子へ向かって固く握り締めた右の拳を突き付ける。


「……あばよ」


 たった一言、青年はその言葉だけを残し茨木童子へ渾身の一撃を叩き込む。刹那、彼のその拳を中心とした周囲十数メートルの範囲に閃光が走った。

 遅れて数秒後に聞こえたのは、耳をもぎ取るかのような爆音。

 人も鬼も死体も生者も関係なしに呑み込んだその光が消えた時、その場にいたのは朱色の青年ただ一人だった。


「コイツが俺の霊能力“霊力の爆発”だ。

 普段は空気中に俺の霊気を放出してそれを破裂させる程度のことしかしてねえが、拳に高密度の霊気を集中させればその数十倍の威力が出せる。この俺の隠し玉よ」


誰に言うでもない青年の誇らしげな声だけが、誰もいないその場に響いた。

 多くの仲間を失ったとはいえ、何とか勝利を収めることが出来たということに青年は安堵していたのだ。……だからこそ気付けなかったのだろう、彼のその背後にいる“鬼”の姿に。


「中々出来るじゃ無ぇか? 流石の俺もこんなに死んだのは今日が初めてだったぜ。だから誉めてやるよ、貴様は強い。今まで殺って来た他のどんな人間達よりもな。そして幸運に思え、俺のこの“鬼”としての姿を見れた事にな――――」


 夕闇色の太刀筋が、青年の首元をしっかりと捕らえて食い込んだ。





「それで京くん、今日は一体なんの相談でボクの所へ来たのかな?」


 機転はまだ垢抜けない少女のような笑顔を湛えたままそう言った。その言葉の中に企みも駆引きもない、ただ思った疑問を口にしただけだ。然し対峙する鬼丸京介は、そうだとは考えていないようだ。遠く離れた場所からでも不機嫌な表情がはっきりと見てとれる。


「そんな事訊く必要なんてお前にはないだろう転、お前にとって“突然”という言葉程不似合いなものは無いんだろう? 自分でもそう言っていたじゃないか。なら見えていたはずだ、これから俺がどんな相談を持ちかけに来るのか、その未来が、その紅い瞳にな」


 京介の言葉に「その通りだね」と更に無邪気さを露にする転。そんな彼女の表情を、怪訝な顔で覗き込む輩が一名。


「ずいぶんとお二人は仲が良いですね?

 いったいどういうご関係なんですか?」


 転はその言葉の主、榊美雨に視線を移すと、今度はまた最初に見せたような含みのある笑顔で彼女に答える。


「そんなの見れば判るだろうミサちゃん、ボクと京くんは将来を誓い合ったこいび――」

「――転は元鬼取屋専属の情報屋だ。舞がこの仕事に就いてからは、依頼しなくなってたけどな」

 転の言葉を遮りながら美雨の質問に答える京介、その顔はいつも通りの仏頂面だ。然し京介の答えを聞いた転の方が不満がある様子である、頬を膨らませながら口を開く。


「相変わらずなんだね京くん。そんなにボクのことがキライなのかい? ボクは君のことをこんなにも恋しく想っているというのに……」


「ウザイキモイ冥土に還れ馬鹿野郎!」


 先程までの緊迫した空気は何処へやら、二人は急にそんな会話を始めたと思うと顔を合わせて同時に笑い出した。


「これで判ったかなミサちゃん、ボクと京くんはこういう関係さ。

 ボクは彼を恋しく想っているが、彼はボクに対して興味ない。つまりボクの片想いというヤツさ」


 転は美雨に初めて企みも屈託もない無邪気な笑みを向ける。それを見た美雨はやっと転に対して安堵の表情を見せるが、この場の空気は既に変わっていた。……全く忙しい空気である。


「じゃあ京くん、君の頼み事というのは、ボクがこの娘を匿うということで良いのかな?」


「……やっぱり解ってたじゃねえか。まあ良い、そういう事だ。

 悪いが宜しく頼む」


 京介は転に深々と頭を下げる。転は椅子に座った体勢のまま軽く頷くと、本当に軽いノリでそれを引き受けた。


「うん、良いよ。他でもないボクの恋しく想う京くんの頼みだ、それは無下には出来ないよ。

 お金も要らない。これはボクの好意だからね、それで金銭なんか巻き上げられないよ」


 京介は頭を上げると、今度は転と眼を合わせて語り合う。


「そう言ってもらえると此方も助かる。……済まないな」


「なんで謝るのさ、ボクと京くんは恋人でこそなかれ友達だろ? 友達同士に感謝や謝罪なんて要らないじゃないか」


 そう言った転の表情は、まるで女神のようだと美雨は思った。最初こそ自分に対して何か企んでいたようなイヤな笑顔を向けていたが、今は違う。

 彼女の子どものような無邪気な心に、美雨はいつの間にか好意を持っていた。


「でもね京くん……」


 と、美雨が考え事をしている最中、転は急にまた話し出した。


「ちょっと遅かったね、君たちがここに来るの。

 未来は、もう動いているんだよ」


 転のその言葉が放たれるのと、まさしく同時に彼女の部屋の窓ガラスが一斉に割れはじめた。


「モホホホ!! ここからうまそうな霊気のにおいがしたから来てやったぞ」

「ヒヒヒヒ!! こちらからただならぬ強者の薫りがしたため、馳せ参じた次第でございます!」


 現れたのは、転の事務所であるビルと並ぶような巨躯を持つ二体の鬼。

 一体は黒い肌を持つ、牛の顔に巨人の身体を持った、西洋神話に登場するミノタウロスのような姿の鬼、もう一体は白い身体に金色の長髪(たてがみ)、馬の顔、額に一本の角を生やし、此方はケンタウロスのように下半身は馬のそれのように四本の足、首から下の上半身だけが辛うじて人間に近い姿の鬼。

 二体の鬼は京介、転、美雨の三者を見据え、下卑た嗤いと共にその名を口にする。


「モホホホ! オイラの名前は鈍角(どんかく)、酒呑童子様の一の子分の茨木童子様につかえる牛頭鬼様だぁあ!」

「ヒヒヒヒ! ワタクシの名は駿角(しゅんかく)、酒呑童子様の重臣、茨木童子様にお仕えする馬頭鬼様でございます!」


 牛頭鬼の発する低音の声と、馬頭鬼の発する甲高い声が、まるで不協和音のように響いていた。

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