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鬼取屋  作者: 石馬
第壱幕「出逢い」
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怪ノ初「紅鬼〜哭き喚く紅い鬼〜」

初めまして、石馬と申します。


初めて投稿する作品、まだ序章ですが、精一杯書きました。


下手くそもいいところですが、より多くの方々が読んでいただければ幸いです。


よろしくお願い致します。

 教室の中は、地獄だった。

 それは決して比喩とか、そういった類いのものなんかじゃない。

 壁は鮮血で真っ赤に染まり、一定の間隔で並べられていたはずの机や椅子は台風に襲われたかのように半壊し、床はさっきまで人だった物の肉塊で埋め尽くされていた。いや、肉塊と言うよりも肉片と言った方が正しいかもしれない。

 その位、この床に転がっている物はバラバラで、ぐちゃぐちゃだった。

 一体、誰がこんな酷いことをしたんだ。

 俺はただただ泣き叫ぶばかりだった。

 ふと、割れた窓に泣き叫ぶ自分の姿が写し出される。

 その姿は、決して人とは言えないような、どちらかといえば、獣に近い姿をしていた。その両手には、自分の物ではない、誰か別の人であろう物の足が握られていた。俺の口元は、怪我もしていないのに血で真っ赤に染まっていた。

 ……嘘だ。こんなの、全部デタラメだ。俺は、俺はやってない。俺はやってないんだ、これは俺がやったことじゃない。

 俺は、殺ってない。殺ってなんかない。


「ガアァァア!!」


 まるで本当に獣になってしまったかのように、俺は吼えていた。

 ……それが俺、鬼丸京介、小学校四年生の、最低で最悪の、唯一無二の思い出だった。

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