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冒険の書 第1章   作者: 本多 泉那
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序章2

足に力を込め、一気にモンスターまでの距離を縮める。一瞬で俺が突っ込んできたためモンスターは反応が遅れる。

(今だ!)

短剣に自然と力が篭もる。昔から剣を振ることには慣れていた、相手の心臓にどのタイミングどの角度で刺せば良いかは勘でわかる。

ドッっと鈍い音がした。モンスターから力が抜けていく。いけたぞ!このくらいなら戦える!頭ではそう考えていたが、体は違った。何か変だとそう思い剣を抜こうとした瞬間だった。明らかに力が抜けていたモンスターが俺の右腕に噛み付いてきた。

「グッ!!」

あまりの痛さに意識が飛びそうになるが、舌を噛み意識だけは戻す。朦朧とする意識の中で左手で短剣を抜き、それをモンスターの右目に刺す。

モンスターの噛む力が緩くなった瞬間にすぐに右腕を抜き、モンスターと距離をとる。

右腕からは、ありえないほどの血が流れていた。

(ちっ、右腕が使えなくなっちまった。

考えていた中で最悪のシチュエーションだ。)

絶望的な状況だが、頭の中は異常な程に冷静だった。

(考えろ、まともにやり合っても勝てないのはわかった。どうする?一旦引くか?)

そんなことを考えていると、モンスターが飛びついてくる。その攻撃を回避しながら茂みに隠れモンスターをよく観察してみる。目は赤くこちらを殺しに来るき満々で、体の大きさは1mちょいくらい。

(普通にやっても勝てないなら、あれしかないか。)

静かに呼吸を整える。相手は俺を見失っているのか、辺りを見渡している。俺は、気配を消そうと意識しようとした瞬間、俺の体からの音が消えた。心音や、呼吸音など気配を消すために必要なものが全て消える。

(なんだこれ!本当に気配が消えてやがる

これなら、あいつを倒せる)

力をふりしぼり、木に登る。モンスターはまだ気づいていない。自分の木の近くまで来るのを待つ。

ここだ。木から飛ぶ。目指すは、モンスターの背中。さっき、木に登って分かったがあのモンスターは胸筋がかなり有りそこに剣を刺しても、心臓までは届かなかった。だが、あいつの背中は筋肉があるものの胸筋よりはない。狙うなら、そこだ。

短剣を持ちながら、落ちていく。落下する力を使いながら、モンスター目掛けて剣を刺した。

「グッギャアァァ」

モンスターは抵抗する力もなく倒れた。

「や、、やったぞ!!」

最初の戦いにしてはあまりにも濃い時間だった。

もう立つ力もなく、地面に倒れ意識が遠ざかっていった。


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