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冒険の書 第1章   作者: 本多 泉那
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序章7

「あの毒が発生したのはこの集落の祭壇、ホフラの洞窟からなのです」

長が話し始める。

「祭壇?」

「ええ、この集落の守り神ですよ」

どうやらその祭壇がこのメリヤン毒に関係しているらしい。

「原因が分かっているのなら、なぜそのままにしているのですか?」

流石に気になる。過去に壮絶な被害をもたらした毒が再発したのならすぐさま止めるのが普通だろう。

長はごもっともです...と言いながら話す。

「あまりの強い毒のせいで洞窟に入った瞬間に皆倒れてしまうのです。あれはやはり洞窟に何らかのモンスターがいるのではないかとや思っております」

「モンスター?」

「ええ、あの洞窟から恐ろしいほどでかい影を見たと言われているのです。そのせいでずっと祭壇に捧げ物すら出来ないの状況で...どうにか出来ないでしょうか」

「少し考えさせてください」

そんな言葉しか出てこなかった。ヒナトは何かが突っかかっていた。

ユズと二人でどうにかこの問題を解決しようと洞窟に向かう。


洞窟の前に着くと確かにただならぬオーラを感じる。

「なにこれ?酷すぎるよ」

とユズの身体から力が抜け、慌ててヒナトが支える。

「大丈夫かユズ?!」

よく見ると呼吸が荒い。長がいっていた洞窟からの毒素が溢れているのだ。

「ヒナトはよく平気だね」

と弱々しくユズは話す。

確かにヒナトは毒の影響を受けていなかった。

それは現代で何度も訓練を受けていたおかげだろう。

「ユズ..ここから先は俺が1人で行く。いいな?」

時々ヒナトはユズの事になると口調が変わる。

それだけ大切なのだ。それもユズは分かっていた。

「しょうがないからここで待っておくね」

と出来るだけの笑顔で答えた。

ヒナトはユズに解毒薬を飲ませ木に寄りかからせて洞窟に向かう。

もしこの先にモンスターがいれば一溜りもないだろう。モンスターが...

だが、洞窟の奥に待っていたのはヒナトの予想を遥かに上回る。物だった。

ヒナトはそれを燃やし洞窟を出てすぐに長の所に戻った。その目にはさっきまでの優しさなんてものはなかった。

ユズも洞窟から出てきたヒナトと共に長の家に向かう。だが、ユズですらヒナトの怒りがなんなのか分からなかった。



「少しお話よろしいですか?」

「おお、もしかして解決して貰えたのですか!」

長は喜びを隠せずにいる。

「ええ、解決しましたよ。ですが」

「ですが」

「この問題は本来こんなに問題になるほどの事じゃなかったんですよ」

ヒナトから笑顔が消えた。

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