序章7
「果てしないなぁ」
つい愚痴が漏れてしまう。だが隣にいるユズもヒナトと同じように
だるんと歩いている。
ウァサゴの街から出て、何時間がたった。
「事前には聞いていたけどさすがにそれはきちぃな」
「うんうん」
ユズも頷く。2人して顔を上げる。そこには巨大な山が立っていた。
ウァサゴで聞いていたが、どうやら次の街までこの巨大な山を超えていかないといけないらしい。
まぁ、この2人なら1日くらいで越えられるが..
「まぁ、グダグダ言ってても意味ないし頑張って山を超えるぞ!」
と言って小さな丘を超える。そこから、前の道に人がたっているのが見える。
「ヒナトあれ!」
ユズが行った時には既にヒナトは走り出していた。倒れているのはどうやら若い男性だ。
すぐに駆けつける。
「大丈夫ですか!」
ヒナトはなるべく身体を動かさないように最低限の力で持ち上げる。
見たところ、傷はない。だが、確かに苦しんでいた。
「ああ」
話すことすら辛いのか何かを言っているが聞こえない。
「ゆっくりでいい話せるようになるまで落ち着くんだ。」
ヒナトの言葉が聞こえたのか若者は呼吸を整え始める。ユズも駆けつけて来る。
「ヒナトどんな感じっ!」
「ああ、大丈夫だ。怪我はないよ。」
だが若者を見たユズは驚きをかくせていない。
「違うよ、これは毒だよっ!」
「え、」
ヒナトが何も分からない顔をしている間にユズは腰のポーチから解毒薬を入れた瓶を取り出す。
それも若者に飲ませる。若者の顔はさっきまでよりも良くなって行った。
数分経つと若者の顔色も良くなり回復して行った。
「なぁユズ、なんであれが毒ってわかったんだ。」
純粋や疑問だった。だが、ユズはその問いに驚きを隠せない顔をしていた。
「やっぱり、ヒナトは記憶がないのね。あれは、数年前にこの世界で流行りだした、毒よ。」
「流行りだした?」
うんうんとユズは頷きながら話す。
「あの毒はメリヤン毒って言われていて、急激に流行りだしたのしかもあまりの即効性にこの解毒薬が出来るまでに何人もの生き物が死んだの。」
「なんだそれ...」
驚きのあまり言葉を失う。
「しかもこの毒は解毒薬は出来たものの、発生した原因が分からないまま今に至るの。最近は聞かなかったのになんでこんなところで?」
ユズは自分の中で考え出す。俺はまだ何もこの世界のことを知らないんだな。と改めてこの世界を学ばなければ行けないとヒナトは思っていた。
「う、うーん」
とそんな時さっきまで倒れていた若者が頭を抑えながら起き上がる。
「ありがとうございます。まさか解毒薬がなくなってしまうとは思っていなかったので」
若者はゆっくりと身体を起こす。
「お願いします。どうか僕の集落を守ってください。」
そう若者は言い出した。




