序章2
「爺さんはこの村の村長だったの!!」
「ええ、いやはやこんな驚いて貰えるとは嬉しいですな。」
そう言いながら、爺さんは村のゲートをくぐっていく。あまりの驚きに固まっていた俺は遅れないように爺さんの後について行った。
ゲートをくぐると最初に見えたのは巨大な畑だった。
「でっか!!!」
「ほほほ、先程からいい反応をしてくれますな。
この村は農業が盛んで有名な村なのですよ。」
そう言われながら、村の中心まで歩いていく。
すると、目の前に小さな丘が見え、その上にちょこんと家がたっていた。
そこに向かって昇っている途中、急に爺さんが話かけてきた。
「ところで旅人殿、あなたの話を聞く限りこれから旅に出ようと思っている感じですかな。」
「まあ、とりあえず旅には出ようと思ってます。」
「なるほど、ただ今のあなたの格好では近くの街にすら着くのは難しいでしょうな。」
そう言われると、確かに俺はそこら辺の村人が来ている服と腰にある短剣しか持っていなかった。
「ほほほ、安心してください。この村でしたら最低限のものは揃うでしょうし、宿泊するなら私の家を使ってくださいな。」
「ほんとうか、爺さん!」
「でもなんでこんなに良くしてくれるんだ?」
「そうですね、実はあまり覚えてないのですが昔にあるお優しい方がこの村を救ってくださったんですよ。その方はこの村に何の関係もないはずなのに私達に良くしてくださいました。なので、この村ではどんな人が来ても精一杯おもてなしをしようと決めているのです。」
「なるほど、それじゃあ、お言葉に甘えて。」
そう言いながら、俺は爺さんの家に入る。
爺さんは万遍の笑みで向かい入れてくれた。
「ゆっくりしていってくださいな、そういえばまだ名を名乗っておりませんでしたね。私の名前はゴート、短い間ですがよろしくお願いしますね。」
「俺は、ヒナト。こちらこそよろしくな!ゴート爺さん!」