序章6
「勇者の生まれる街ですか?」
「おうとも!つい最近もこの街から勇者が魔王を倒すために出発して行ったぞ。」
なるほど確かに昨日から勇者がどうだこうだと話が聞こえていたわけだ。
「お前さんもこのまま旅を続けるなら勇者に会えるかもな」
ちょっと勇者とか気になっているから一度はあってみたもんだ。
とそんな話をしていると
「まもなく受付を終了いたします。まだ登録を完了していない方はお済ませてくだい。」
立ち話をしていたせいで登録を忘れていた。
「爺さんごめんな、俺たち受付に行ってくるよ!」
「おう、頑張って彼女にいいとこ見せろよ少年」
と不意に言われて吹きそうになるがそこをぐっとこらえ走り出す。
どうにか受付を済ませ、俺とユズは選手と観客で別れて行った。
とりあえず彼女を闘技場に出場させない事は出来たようだ。と待機室に入るとそこは殺気の飛び交う猛獣の檻だった。
「わぁお」
あまりにもよくある感じだったため語彙力のない言葉が出てしまう。全身傷だらけの男や筋肉バキバキの奴だったりとなんか場違いの雰囲気が出てる。
まあ何回か勝てればいいかなって思ってきたがこれは難しいかもしれない。とそんなふうに考えているとちょんちょんと肩を叩かれる
その方向に振り向くと俺と同じようにそれほど体格の良くないなんならガリガリな青年がたっていた。
「おいおい君こんな野蛮なところに来てしまったのかい?」
とてもフランクに話しかけられたおかげでさっきまでの緊張がとける。
「まぁね、ちょっと譲れないことがありまして。」
まあユズを闘技場に参加させたくないって理由だけどな
青年はニヤッと笑い
「なんだ、ちゃんとした理由があってきたのか、それなら話は別だ。よろしくな俺はソーヤ」
なんだか彼の声を聞くととても落ち着く。
「ああよろしくな、俺はヒナトだ」
そんな会話を周りの奴らも聞いていたのかこちらに無言で近寄ってくる。
やばい殴られるのかと身構えるが俺はど上げされていた。
「はい?」
驚きで声が上手く出なかった。
「新入りが入ったぞ!」「今度の奴はどんな奴だ?!」「酒だ!酒だ!」
めちゃくちゃ俺を歓迎してくれた。それをソーヤは笑いながら見ている。
「ようこそ闘技場の戦士として君を向かい入れよう。たった何日かの関係だろうがよくぞ来てくれた。」
そう言っているソーヤの周りにはがたいのいいヤツら立ち並んでいる。
「ソーヤさん、新人なんて何年ぶりですかね。」
とソーヤよりも年上に見えるヤツでも敬語を使っている。
「ソーヤってもしかしてやばい?」
と俺を肩車しているハゲのおっちゃんに聞いてみる
「ヤバいってソーヤさんは年間チャンピオンですよ」
まじかよあいつどれだけ強いんだ。ちょっと先が不安になった。




