序章6
今朝の目覚めは最高だった。久々に早く寝たおかげか体も軽い。
まだぐっすりと夢の中にいるユズを起こし今は朝ごはんを食べている。
本日のメニューはクロワッサンにこの世界のニワトリの卵で作ったスクランブルエッグらしい。なぜらしいと言ったのかと言うとさっきの庭にいたニワトリが明らかに俺の知っているニワトリじゃなかったからだ。なんで翼4つ付いてんの?しかも卵取ってきた人も身体中ボロボロだったんだけど。
深く考えても意味が無いと気持ちを切り替えスクランブルエッグを食べる。うまい。うまい。
心の中で〇獄さん出てくるぐらいに美味しかった。
朝ごはんを食べ終え俺たちは本日行われる闘技場での戦いに向かう。
ユズと他愛もない話をながら街を眺める。本当に賑やかな街だ。こんな朝早くなのにもう街に人が溢れかえっている。人以外にもエルフやドワーフ、背中に翼の生えた妖精のような奴までいる。
どんなに種族が違ってもここの人々は共存していた。
そんな風に街を見ているとこの街の中心に着いた。
そこには大きなコロシアムがありその入口には1人の大きな剣を持った甲冑の銅像がたっている。
ユズと二人ですげー見たいな顔で見ていると、
ちょんちょんと腰をつつかれた。
なんで腰?と思い振り返ると誰もいない。
「気のせいか」
と身体の位置を戻そうとすると
「気のせいかではなーい!下を見たまえ、下を!」
と明らかに俺の足元から声が聞こえた。
下を見ながら振り抜くとそこには俺の腰くらいしか身長のないドワーフのおっちゃんが立っていた。
「あ、おはようございます」
「おう、挨拶が出来るやつは俺は好きだぞ!」
すっごい元気な方だ。横ではユズが表情は変えてはいないが未知のものを見たようにワクワクしている。
「それでどうされたんですか」
「おう!お前たちが目の前にある銅像をキラキラした目で見ていたからな。この銅像に興味があるのかと思ってな。」
確かにこの銅像は妙に引き寄せられる。
「確かに気になりましたね。この人って誰なんですか?」
と言った瞬間、俺は爺さんのスイッチを押してしまったのだと感じた。
「この像はな初代の勇者様なんだ!なんと言ってもこの街で勇者が必ず生まれるからな!」
なんとこの街は勇者の生まれる街だった。




