序章6
「だめだ!」
絶対にユズを参加させたくない。俺でもよく分からないがそれでも嫌だ。
「なんでよ〜」
「俺もよく分からないけどユズが傷つくのは嫌なんだ」
となんとも恥ずかしいセリフを言えたなと思うくらい俺は動揺してたんだと思う。
「え、ええ」
ユズもユズでなんか照れるせいで俺たちは門の前で意味のわからんことをしていた。
「と、とにかくユズはダメだ。俺が代わりに出るからそれで許してくれよ」
そう言いながらユズを見ると顔はギリギリ冷静を保っていたが耳は真っ赤だった。
「まあ、それならいいよ。でもやるからにはちゃんと勝ってね。」
ととびきりの笑顔で言われてしまった。
そんなこと言われてやる気の出ないやつは男じゃない。やってやるぜと気持ちを入れた時にやっと門の前でこんな話をしていることに気づいた。辺りにはニヤニヤと微笑んでいる人々が沢山いた。
「よしじゃあ街を探索するか!」
明らかにテンションを上げ歩く。あまりの恥ずかしさにここからすぐにでも離れたかった。
午後になり、闘技場の受付も終わった俺たちは街をただ歩いていた。闘技場の周りにはいくつもの屋台が並び人が溢れかえっている。近くにはサーカスなのか口から火を吹いたり、その隣では明らかにこの世の生物と思えない獰猛そうな化け物が日輪をくぐっていた。てかよく見るとあの火を吹いている人絶対魔術使ってるって、まじでノーアクションから火吹いてるってなどと感心してるとユズは化け物に興味津々だったりと楽しい時間はあっという間にすぎていった。
そんなこんなで今は宿の一室で2人して倒れている。
「「つっかれたー!」」
もうダメだ、全身がバキバキになっている。
「明日は闘技場の1回戦なのにぃ」
と文句を言ってみるもどうせ明日には治っているのかなって思っている。
ユズはさっきから死んだようにうつ伏せになって倒れている。見ると疲れて寝ているようだった。
久々に彼女に当たり前の日常とやらを送らせる事ができたと思いながら俺もそのまま眠りについた。




