序章5
ローブ野郎は何も言わずその場に崩れ落ちた。
だがまだ死ぬには時間がある。それまでに聞かなければならないことがあるんだ。
「おい、お前何故何度も俺の前に現れては周りの人を殺したんだ。答えろ。」
いつもと同じく俺は怒りを表には出さず話し出す。
「アアア」
奴はそれしか言わなかった。いや、言えなかったのだとあとから思えば分かる、でもあの時はそんなに冷静ではなかった。
「おい、ふざけるな」
一発ぶん殴ろうとしたがそいつの指に腕輪があるのが見えた。なんともこの世のものでは無いような禍々しい腕輪だった。
こいつが原因なのは一目瞭然だ。俺は短剣で腕輪を破壊す。その瞬間ローブ野郎は塵となり死んで行った。結局ミストタウンのことも聞けず大切な人も失い最悪の状況になってしまった。
「ユズ..」
ユズはさっきからずっとヨネアさんのそばにペタンと座っていた。いつもよりももっと小さくなったその背中に俺は後から抱きしめることしか出来ない何も言えないけどこれくらいならと精一杯だったんだ。少し経つとユズは静かに立ち上がると
「私、これからどうしよう..一体何も目標にしたらいいのかわからなくなっちゃった。」
俺はそのことを聴きながらヨネアさんの亡骸を持ち上げ話し出す
「俺もわからなくなっちまったよ..とりあえず家に帰ろう?」
ユズも無言で頷き俺達はボロボロの街を歩き家の庭にヨネアさん埋めた。
結局俺達の倒したローブ野郎は今回の戦争の主犯だったそうで奴が死んだことによりエリゴス側も指揮を取り戻し魔王軍はすぐに撤退して言ったそうだ。俺達は無謀と思っていた戦いに無事に勝利した。
失った代償はとても大きかったが、今は勝利の宴がそこらじゅうで行われている。戦いにはかったが周りを見ると街は半壊多くの血が流れた戦いだった。俺はその街を見ながら唯一壊れなかった我が家に帰る。ユズは家からは出ずに暖炉の前でぐっすりと寝ている。
「俺も疲れたな」
そう言うとすぐに睡魔が襲ってくる。ベットに横たわりあっという間に寝てしまった。




