序章5
「これは攻城戦だ!この城の門で食い止めろ!」
「ぉぉぉぉ!!」
我らが王ユーリアが死んだことは瞬く間にエリゴス中に広まった。それでも皆、戦意を失うことなくギリギリの状態で戦っていた。そう見えていた。
明らかに昨日とは剣を持つ手が重たく感じる。それは、この場にいる全員がそうなんだろう。
俺達も、城の城壁を登ってきたゴブリン達を背後から襲う。ユズと連携を取り、どうにか初日は城壁で食い止めることができた。夜は魔王軍も攻めては来ず俺達は警戒しつつ眠りについた。
「食い止めろぉお!」
どこかの隊長が声を張り上げながらオーグと戦っている。が後ろから来たゴブリンに背中から刺され死んで行った。それでも誰かが死ねばその場に他の誰かが立ち指揮を出す。苦肉の策だった。
少しづつ俺達は押されて始めていた。どうにかして俺も力になりたかったが俺には相手と真正面から戦っても瞬殺されるだけだとわかる。今は大人しくこの門を守る事が優先だと感じていた。
そこへ、嫌な姿が見えた。
「奴だ。ローブ野郎だ。」
ふと口から出た。ユズもそいつが見えたのか顔色を変えて目で訴えかけてくる。2人でそいつを追う。
ローブは俊敏にこの街の屋根を駆けている。
「なんでどこから入って来たんだ?!」
「いいから、早く追うよヒナト」
ユズの声は落ち着いた。その声に少し冷静になる。
「ああ、あいつが今回の事件に何かしら関係しているのはよくわかってる。」
ローブは屋根を駆け回りついに城にたどり着いた。
嫌な予感が当たる。ヨネアさんがそこにいる。
今はユーリアのことで頭がいっぱいなんだ。
(間に合え!)
ローブに続いて俺達も城に入ったが城の兵士たちは呆気な首を掻っ切られていた。その手口でユーリアを殺したのはやつだということがわかった。
俺達は何も考えずヨネアさんがいるはずの王室へ走った。
だが、俺達の願いは叶わなかった。
「ヨネアさん!」「ヨネア!」
2人して声を上げながら何故か空いている扉を通り過ぎた。
「おおそかっだなぁぁ」
この世のものとは思えない声が聞こえ顔を上げる。そこには、ヨネアさんを背後から剣で刺している。
ローブ野郎が立っていた。




