序章5
「はぁはぁ」
息を切らしながら城の階段を駆け上がる。
訳が分からない状況で頭が回らない。やっとのことで王の部屋に着くとそこには多くの魔術師達がなにかの魔法を唱えていた。
辺りを見渡すと魔術師達が囲んでいる真ん中に倒れている人が見える、そこに目を凝らすとそこには首から血を流して絶命しているユーリアがいた。
本当に彼がいなくなってしまったのか、実感がわかない所にヨネアさんが来た。
「まさかな」
それだけ言うとヨネアさんはすぐに部屋を出ていった。
「ヨネアさん..」
俺も続けて部屋を出る。
さっきまで走っていたせいでこんなにも空が透き通っていた事に気づかなかった。あまりにも真反対な状況で嫌になる。
「ユーリアはね、小さい時から知ってるんだ。
あいつは他の後継者よりも力がなくてね、ただあの子には人をまとめる力があったんだ。だから彼がどんな道を進むのか楽しみだったのにな。許せないねこればっかりは。」
「ヨネアさん..一体誰がこんなことを」
「まさか、人間側がやるとは思わないけどでも魔王軍の奴らはこの街には入れないだろ?」
「ああ、そうだともこの件に関しては私が徹底的に調べよう。」
そうゆうとヨネアさんは静かに歩き出した。
俺は何も言えずにその場に立っていた。ふと魔王軍がいる平原の方を見渡す。
「なっ」
魔王軍がこちらに向かって進軍して来ていた。
戦争が始まるまで数秒も要らなかった。




