序章4
「ここがグラシャか」
そう言いながら門をくぐる。
外からの見た目は王都エリゴスとほぼ同じに感じたが、中に入ると明らかに違う都市なのだとわかった。それは、
「凄い霧だね」
ユズが嫌そうに言う。
そう、ユズが言った通り霧がすごい濃いのだ。
ここグラシャはまたの名をミストタウンと言わられくらいに霧で有名な街なのだ。
だからと言ってこれは濃すぎる。
「ま、まあとりあえず今回の依頼を振り返るか」
ユズもそれには頷いていた。
実を言うと、まだユズとは分かり合えていない
グラシャには馬車で行ったのだがその中でも話は続かなかった。気まずい。
そんなことは一旦置いておく。
「今回のターゲットは連続殺人犯だ。
この殺人犯は今のところ5件の殺人を犯しているが未だなんの証拠も無いんだ。どんな姿なのかもわかっていない」
「うーん。中々にやっかいな敵だね
一体どこから探せばいいのかな」
ユズは冷静に分析をし始める。
とりあえずこの門の前にいても意味は無い
「聞き込みしてみない?」
と聞いてみる。ユズもそれには、納得らしい。
俺たちは聞き込みを始めた。
「んー。なぜだ?なんで街の人は何一つ知らないんだ」
びっくりだ。この街の人に聞いても
「連続殺人?何を言っているんだ?」
「この街にそんなことは起きてるわけないじゃない」
誰一人として連続殺人犯について、いや殺人のことすら知らなかったのだ
「明らかにおかしいね。まるでこの街の人ごと殺人の記憶を忘れているみたい。」
まさにそうだと思った。
「クソ、埒が明かないな。一体どうしたらいいんだ」
そんな事を呟きながら今日泊まる宿舎を探す。
そんな時だった。
「わぁああ!」
俺たちの前で男の子がこけてしまったのだ。
少年が持っていた果物が色んなところに転げ落ちる。俺たちはそれをすぐに集め少年に渡す。
「あ、ありがとうございます!」
そう言った少年の顔はどう見ても日本人だった。




