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冒険の書 第1章   作者: 本多 泉那
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序章4

この事務所に来てから、数日がたった。

今はこの事務所の近くにある一軒家を貸してもらいながら俺は毎日依頼をこなして行った。(ほとんど草むしりとか)

未だに彼女とは、分かり合えていない。

そして俺は今ヨネアさんとくだらない話をだらだらとしていた。

「聞いてくださいよ。俺はすぐには殺さずに話を聞いてからって言ったのにユズは何も聞かずにすぐ殺したんですよ?おかしいとは思わないんですか?」

ただ、愚痴だ。この仕事をしている人はどこかが壊れているのが当たり前なのは知っている。知っているはずなのにどうも 腑に落ちなかった。

「まあまあ、君ならユズの事を分かってくれると思ったから、一緒に仕事に行かせたんだよ?」

そう言いながらヨネアさんの指を見ると、右手の小指に指輪があった。銀のリングの真ん中には赤色の宝石がはめ込まれている。

「あれ、ヨネアさんってもしかして恋人とかいるの?」

ちょっと気になった。

「ああ、この指輪かい?まあ、昔好きだった人に貰ったものなんだよ。だからこいつは私の宝物なんだ。」

そう言っているヨネアさんはとても遠くを見ていた。

何となく、その人はこの世にはいないのだと分かった。

「そうですか、大切なものなんですね」

「ああ」

そんな話をしていると、ユズが帰ってくる。

ヨネアさんの方を振り返ると指でユズを指していた。早く行って話してこいとでも言うようだった。

俺も無言で頷くとユズの方へ行く。

「よ、ようユズ。少し話しないか?俺達って仲間だろ?まだお互いのこと分かり合えていない気がしてさ」

ここからどうにか仲良くなって連携とか取りやすくなれれば仕事の効率が良くなる。

そう思ってユズの返事を待つが帰ってきた答えは

「別にそんな分かり合う必要なんてあるの?」

と言う言葉だった。

後ろでヨネアさんが崩れ落ちる。「ダメだこりゃ」と言いながら立ち上がる。

俺も固まっていた。こいつ、中々にめんどくさい。

「はぁ〜、仕方ない。ほら、この依頼を2人で仲良く解決してきな!」

そう言いながらヨネアさんは1枚の紙をくれた。

「なになに、霧の街で殺人事件が多発するも殺人鬼がどんなに姿なのかは未だ掴めていないだって?」

なんか、現世で聞いたことのある記事だった。

「これを二人で行って解決してきてくれ」

俺とユズはお互い顔を見合う。ここでどうにか仲良くならないと。

こうして、俺たちは王都の次の都市グラシャへと行くのだった。


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