序章3
力を込めた短剣はグゼのうなじに見事刺さった。
「グガァァア!!」
グゼから声にならない声が聞こえ、力が抜け倒れ込んだ。
「やったぞ...」
俺も、直ぐにその場に座りたかったが最後の力を振り絞りセイヤのもとへ走り出した。その瞬間だった。グゼのからだ動いたのだ。そして、最後のあがきとばかりに棍棒を投げつけようと振りかざす。
だが、その棍棒はヒナトには届かなかった。
弓矢で腕を貫かれたのだ。
ヒナトは走り出す、セイヤの顔を遠くからでもわかるくらいに青ざめていた。
とその瞬間、今まで使っていなかった石が光りだした。
「なんだ!」
その光から、見覚えのある人影が出てきた。
そしてその人影は今にでもヒナトに向けて棍棒を投げつけようとしているグゼの腕を貫いたのだ。
「何よそ見してるんだ。ヒナト。」
ほんの少ししかあっていないだけなのに、久々に会った気がした。
「サク!」
「僕も避難場所に攻めてくる魔王軍と戦っていたんだけど、ユウ姉ちゃんがこの石を持ってヒナト達を助けに行ってあげてって言われてね。それで本陣に向かって走っていたら急に石が光出したんだ。
もっと、早くに着いていたらセイヤも助かったのかもしれないのに。」
サクから前までのオーラが消え、何かに目覚めた感じがしていた。
「お前も別れたあと色々あったんだな。」
俺の問いにはサクは答えなかったが、何となく俺と同じ感じがした。
サクは何も言わず、セイヤの肩を持ち歩き出す。
俺も逆の肩を持ち一緒に歩いた。
こうして、セーレ村での戦いは終わった。
戦いには勝ったが俺たちはこの戦いで多くの命を失ってしまった。セーレ村が復興するには、何年かはかかりそうだ。そんな事を考え、俺は旅の準備をしていた。今日はセーレ村を出て行く日だ。
あれから、村の人々は沈む気持ちを抑え、みんな頑張って生きている。
俺もいつまでもここにいてはならない気がして、決心した。爺ちゃんに居候させてもらった家の扉を開け、俺は、歩き出した。




