序章3
「ああああああ!!」
自分でもどこからそんな声が出るのか分からないほどの声を出しながら短剣をかまえ、そいつに襲いかかる。だが、俺の一撃は難なく弾き返された。
そいつがゆっくりと俺を見る為に振り返ってくる。そいつは、明らかに異常なほど体格をした、角の生えている姿をしていた。まさに鬼だった。鬼はこちらを見ると不気味な笑顔をしながら、爺ちゃんを刺している剣を抜き話し出した。
「また、1人弱そうなゴミが出てきたなぁ?」
鬼はそう言いながら、近づいてくる。
足音を聞くだけでも体が震える。こいつの攻撃をかわすことは出来ないと頭ではわかってる。でもここで逃げてしまっては、一生後悔する。そう心に決める。やるしかない。
「に.逃げろ..ヒナト」まだ、意識のある爺ちゃんが言って来る。爺ちゃんがまだ生きていただけでも、断然勇気が湧いた。この時は、少しは期待していたのかもしれない。前の戦いでも魔王軍とは戦えると思っていた。だが、実際は戦いにすらならなかった。鬼は遊んでいるのか、鬼の剣は殺すほどの勢いはなく俺をいたぶってきた。それでも、俺は戦う、諦めたくない。確かにこの時俺の目には微かな光があった。だが、そんな俺を見た鬼は俺を吹き飛ばした後爺ちゃんを片手で持ち上げ倒れている俺の目の前で首を切り飛ばした。爺ちゃんは悲鳴すら上げる事なく息絶えた。
「は....は...」声すら出ない。
何をそんなに期待していたのか、俺には誰かを守る力なんてないじゃないか!!もう、無理だ何も出来ない何も守れない何も成し遂げることすらできない。もう、いいや。
鬼が俺をなめた顔で殺そうとしてくる。わかる、この殺気のこもった剣は避けられない。こんなところで終わりか。
次の瞬間俺の目に入ったきた光景はあんなにも憎い鬼の体が真っ二つになっている瞬間だった。




