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序章
嫌だ。死にたくない。あと少しなのに。
そう願うが死までのカウントダウンが刻一刻と迫ってくる。
自身の腹にはナイフが刺さり、血が滝のように出てくる。
「やっとなんだやっと手がかりが..つかめたのに..」
必死に手を伸ばすがその手は空を切る。
「死に..たくない」
そして意識がプツリと消えた。
「おーい」
なんとも気の抜けた声がする。
「あっれぇ?死んでる?」
ただただムカつく声がする。
「いや、もう死んでるわーなんちって」
「うるせぇぇえ!!」
とうとう堪えられず大声をあげてしまった。
だが、俺の前に立っているそいつは顔一つ変えないでこっちを見ていた。
「おお!!やっと起きたか」
「全然起きないから心配したよ」
何一つ状況を理解できない俺にそいつはこう言った。
「よくぞ、来たな!僕は神様だよ!!」
死んだはずの俺の前に立っていたのはなんとも脳天気な神様だった。