第九十二話 未遂事件の話①
前回色々間違えてました…すみません。
最近ミス多いですね…頭どうかしたのかもしれない。
「にしてもガルメラすごいねぇ~、どこで見つけたの?」
「見つけた、というか…実家の奥の奥にあったんですよね。もう少し調査しますが」
へぇ~!と興味津々そうに反応する彼と、その返事を聞いても顔色変えずいつもの柔らかい表情の彼の後ろをぞろぞろと男子が移動していく。
俺達のほかにはヤキさんしかいないから、結局のところ五人だ。
こうやって人の話を聞きながら自分の状況を整理するっていうのはほとんどしない。
大概ぼーっとしながら気になったことに対して二言三言話を聞くだけだ。
こういうのは蒼桜が得意そうだけど、内面ハイテンションの彼女のことなので、考えていることを全て表に出せばそこそこうるさくなるのではないかと思う。
それもこっちに来てからだが。
俺は、ほら。
こんなだし。
全員明るい方向に性格が変わっているような気がする。
秋と金央はさほどでもないけど、朱夏も、ちょっと輝いて見える。
…断じて気になってるとかじゃないと言っておく。
そうごまかしても無理なことはわかっているけど、あんまり悟られたくない。
恥ずかしいという感情は一応あるのだから。
なんだか地球にいた時はゲームプレイとかスポーツ大会においてもいまいち感情の読めないキャラだった…と思う。
おかげさまで二次元では『死神』呼ばわりされるほどだ。
あれはなかなかに心に来た。
こっちに来てから吹っ切れたけど。
何で顔に出さないか。
スポーツは心理戦。
メンタルがガタガタならプレーに支障が出る。
そして顔に出しても…ね。
せめて顔だけでもとりつくろっとかないとやってられない。
たのしいけど、成績が良くないとちょっと悔しいから頑張る。
そういう一種の縛りプレイもこっちに来てからはなくなった。
その代わり命の危険が付きまとう残機なし縛りの人生ハードモードになったけど。
…前の方がよかったか?
いや、うん。
交通事故がほぼない…いや、船はあるか。
これ微妙だな。
「さっきからなに百面相してるの?」
「ぅえっ…急に話しかけないでくださいよ、心臓に悪い」
カイトさんが急に声をかけてくる。
変な声出ちゃったじゃないか。
おかげで羞恥心含めて一、二年寿命が縮んだ気がする。
後でやり返そうかな。
「ぶー…ガルメラもそうだけどなんか冷たくない?二人似てるよね~~」
「いや、似てないと思いますけど…」
ガルメラさんがすぐさま反論してくれたので、俺からは余計な口出ししなくて済んだ。
最近割と顔も動くし口も達者になってきたはず。
こっちに来る前はちょっとコミュ障気味だった。
片言だっだしな…。
そんな会話をしているうちに風呂場についたらしい。
女子たちが帰って来たと同時に風呂場に向かい始めたため、風呂場がどういう感じなのかは知らないが、ヤキさん曰く「あと十人いてもギリ入れます」とのこと。
そこは「後五人いても余裕です」と答えるところでは?と思ったけど、なんだかかわいいので放っておく。
見た目で人を判断しないほうがいいのはわかってるけれど、マイナスイメージじゃなければ別にいいだろうと変な言い訳を考えついて心の中でドヤってみる。
結構むなしい。
全員が服を脱ぎ始める。
正直言って着替える時に他の人がいることなんて小学校のプールと修学旅行の風呂以来初めてである。だからかちょっと新鮮だ。
羞恥心なんて同性に抱くわけないだろ馬鹿。
誰を罵って言った言葉かはわからないけど、無性に言いたくなってしまった。
失敬。
風呂場に入れば、確かにさっきヤキさんが言ったのも的外れではない。
多分、外が豪雨じゃなかったらもっと景色はよかったと思う。
まあ、タイルの代わりを石畳がしている時点で旅館である。
女子が風呂に入っている間に聞いたことだけど、ここは温泉で稼いでいる国でもあるらしい。
だから、ここも多分源泉かけ流しである。
もれなくうちのメンバーは別府とか草津という地名が浮かんだと思うけど、俺も例外ではない。
四季神の拠点にも一応風呂はある。
一応っていうには豪華な風呂だけれど。
秋が張り切っちゃったから木の根元に小さな家と同じくらいのサイズの建物になったんだよ。
景色もまあまあいいし、その後梯子を上らないといけないことを除けば結構恵まれていると言える。
最近は朱夏がテレポートの魔法陣を描いて労力の大幅削減を図っているけど、多分本人が楽したいだけだ。
勉学面では完璧な彼女だけど、ちょっと抜けてたり、運動面では壊滅的だったりするのが可愛い…。
思いっきり意識してしまっている!!!
恥ずかしくなって思いっきりバシャッと桶に入ったお湯をかぶる。
考え事している間に体と髪を洗い終わった。
カイトさんとガルメラさんもほぼ同時に終わったらしく、旅館並みのサイズの浴槽に向かって歩いている。
…ここだ。
奇怪な事件|(未遂)が発生したのは。
まあ、よくある話である。
時々。
時々タイルというのはかかっている水の加減で超絶すべりやすくなる。
掃除の時の石鹸とか残ってればなおさら。
「「あ」」
二人が声を上げたのは同時。
同じタイルを踏んで同じタイミングで同じ方向に滑る。
綺麗に双子ごっこしてるみたいになっている。
まあ、要するに。
このままいけば片方が片方を押し倒すという構図になってしまうわけである。
誰得だよこの状況。
全員が頭の中でとてつもなく慌てたのは言うまでもない。
こ、今回はミス…ないよな?(最近ミスが続きすぎて怖い)




