第八十六話 謎を増やすなぁあああ!!
考えたことを端的に口に出すとカイトさんはポンッと手を叩く。
「確かに?そう言われればそうかも」
「で、ぶっちゃけ今回私たちいかないほうがいいかもしれません」
思ったことをそのまま伝えると、私たち以外全員が慌て始めた。
そんなに慌てなくても…。
そうは思うが、好きに騒がせとこうとも思う。
色々と言い訳を考えないといけないからだ。
自然神でしょ?
で、我々が使うのは季節、四季の属性たちなわけで。
自然は季節ないと味気ないんだから、大方土用の上が自然なんでしょ。
季節ないと味気ないって言ったら全国の自然愛好家の方にめっちゃいろいろ言われそうだけど、季節ないって考えられん。
季節=自然と言っても過言ではないと私は思う。
火山活動とかは別にしてさ。
つまりさ。
変に属性封印されて足手まといになったらいけないのだ。
霊属性とか、聖属性みたいにあからさまにマジック系ですよってやつはほっとくにしても。
空属性に関してもどうしようもないんだよね。
空間、自然にありますから!
そもそも論だがカイトさん達もだいたいの攻撃手段がつぶれちゃうんじゃなかろうか。
物理で殴るしかできないし。
…いや、物理で殴れるだけましなのか?
「え、ちょ、何で!?」
まだ続いてたよパニック。
どんだけ信頼してたらそうなるんだよ。
重い重い。
期待が重い。
「ギルド名から察するように私たちが使っているのは自然系統の属性です。それが使えなくなったら攻撃力が大幅に下がりますから」
「あー…」
急に理解した、という雰囲気になる皆さま。
切り替えが早い。
「というか、クエスト何ですか、それ」
「いや全然。なんか出たらしいから行くか的な」
「無計画野郎じゃないですか…そんなんで大丈夫っすか」
悲報、まさかの無計画野郎だった。
成り行きというか、大船に乗ったつもりなんだろうなぁ。ポセイドンだけに。
出たらしいから行くかってなんだよ。
適当に他の人に任せればいいじゃないかという無責任な意見しか言えんけど。
だってあんたが死んだらこの世界終わるのよ。
そこんとこわきまえてほしい。
トランプの最後の二枚を捨て、上がる。
頬杖をついてカイトさんをにらむと、そんな怖い顔しないでよとたしなめられた。
子ども扱いしないでください。
「まあ、無計画だよね。でもまだ時間があるからって思っちゃうわけ。多分魔王が暴れだすのは…今年が退魔歴998年でしょ?だからあと2,3年かな。もうちょっと時間あるよね」
だからちょっとは肩の力を抜きたいのーと彼は言う。
パーティメンバーに抜きすぎだと叱られているが。
意外と責任感があるのかもしれない。
なんせ優しいし。
いつでも勇者は善人がなるもんなんだねぇ。
私らには向いてない。
人間性フツメンはモブらしく過ごせばいいんだ!!
変に自分を肯定したところでもう一個疑問が出る。
退魔歴って…何!?
ちょっと待ってこればかりは聞けない!!
聞けないって。
だって世界で使われてる西暦的なあれでしょ?
知るかっ。
ということでパネルでこっそり調べた。
某G先生に負けず劣らず頼りになるパネル様。
神様はなんて便利なものを作ったのでしょうか。
お、出た出た。
[退魔歴]
[初代勇者が初代魔王を打倒した年を元年としたルリフェニアで使われる紀年法。それ以前は創世歴。魔王が100年周期で現れることから退魔歴を目安として国の運営をすることもある]
なるほど。
だからカイトさんはあと2,3年って言ったのね。
んー、でもさ、基本的に0年じゃなくて1年から数え始めるんでしょ?
それでもきっちり100とか200で出てきたんかな。
そうなるとちょっと周期には個人差があるのか。
まあ、その年にあるよ!っていうのがわかるだけまだねぇ。
南海トラフ地震も同じようにならないかしら。
まあ、地球に戻らないから関係なぞ一切ないんだけど。
それでも生まれ故郷だし心配位する。
「とりあえず私たちはいかないほうがいいかなと思います。というか他の人に任せるというのは考えなかったんですか?ちょっと無責任ですけど…」
「んー、考えなかったわけじゃないけど、万が一他の人がやってくれたら合法的に観光できるしいいかなと。秋になったら俺ら世界軽く一周するし」
世界軽く一周ってパワーワード。
軽く一周していいものじゃないよ。
確かに転移陣は貴重だけど!
それでも旅にしたって地球の5倍くらいしかかからないんだよ!?
だというのに軽くって!!
やっぱりこの人たちおかしい。
インフレがやばいので少年漫画にお帰り下さい。
ここはほのぼのとした異世界なので。
気づけばトランプは終わっていた。
珍しく秋白が最下位。
ふむ、ステータスはあんまり関係ないのかな。
あくまで勝率を上げるだけだし、たまにはこういうこともあるのかもしれない。
書くいう私は二位なんだけど。
一位のカイトさんは何なんだろうな。
前にも思ったけどただただ運がいいのかな。
しばらく話してからそれぞれのテントに潜る。
不思議と落ち着いて眠りにつけたが、彼らに対する謎は深まるばかりですっきりしないのは事実だった。
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