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天才たちは異世界での極振り生活を夢見る※改訂版更新中(あらすじにリンクあります)  作者: 月那
第二部 第四章 クエストで七大強豪国巡り③・武装国家ファイラズア~難関クエストに挑む我らってはたから見たら異質なんだろうな~
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第七十八話 元凶退治4

この戦いを終わらせる気が私にはないみたいです…え?終わらせろって?頑張ります。

再生能力がなくなったとはいえ、ボスの第二形態に入った感じで大量の火の球と闇の球があたり一帯にばらまかれる。

王城ぶっ壊してもいいのかとか気にしている場合じゃない。


わずかな隙間を糸が通るようにぎりぎりですり抜けて、時々魔法の迎撃も含めながら確実に距離を詰めていく。

空属性魔法が使える私を叩き落そうなんて百年早いと言ってやりたい。


アニメやら漫画やら見ていると、ユニークスキルや、オリジナル魔法と言うものは他の登場人物に対して所有者を格段に強く見せてしまう。だからか、そういうあこがれは割と強い。


基本的に魔法は現存するやつを真似て習得することが多いらしいので、私達みたいにイメージだよりでやる人たちは世界中でも少ないんじゃないだろうか。

魔法は基本的にスキルが使えなくなった時用の保険なので、そちらメインで鍛える人は結構少ない。らしい。だから世界一ギルド決定戦でもあまり使っていなかった。唯一ちゃんと使ってるところを見たのはオニビさんとスイコさんだけか。


スキルは似たようなものが多いという特徴がある。

だが、微妙に何かが違う、と言うだけで別々のスキルとして存在している。

そのスキルを明確に魔法に起こそうとすると、どうしても大雑把になってしまう。


魔法は明確に差がわかるが、自身の生命力を代償にするため、戦闘中に体が動かなくなる事故が多発する。

それを恐れて魔法を使うことはない。


双短刀の片方をロシュートに向かって投げる。

空属性魔法の恩恵で確実に奴に刺さったそれは、抜けることなく、毒が巡るようにじわじわとHPを削っていく。


「『春眠暁を覚えず』ってね、寝すぎも毒ってことよ」


新作魔法二つ目、[春眠]。一定時間はHPが回復するが、発動し続けるとダメージを与え始める。

回復とダメージが切り替わる瞬間を計算して投げたのだ、伊達に数学学年一位二年連続取ってるわけじゃない。


因みに蕗ノ薹の効果は周りの気温が高ければ高いほど大ダメージを与えるという奴だ。

今夏の終わりあたりだからまあまあ暑い。

それゆえダメージは大きい。


今は…HP残り300。

削れるのおっそいなー。

前ラーナウルフを実験台にやったんだけど一瞬でお亡くなりになったよ。

まああれモンスターの中だったら下下の上だから。

よくて下の下。


無論このロシュさんは上上の中だよ。

は?

上上の上は誰だって?

魔王に決まってんじゃん。

そして上上上の上は神様だよ分かる?


頭の中で無駄口叩いてる間にまた大量の攻撃が迫りくる。

空属性魔法を付与した短刀で薙ぎ払う。

火属性と空属性が打ち消しあう理由が分かった気がする。

空気だけでなく空間を司る属性は燃えるために必要な燃料、無力やら酸素やらを根こそぎ奪ってしまうのだろう。


まあそれしか思いつかない理科に弱い私を察してくれ。

ゲームに入り浸りすぎてフレミング左手の法則しか頭に浮かんでこないんだ。


は?

前の期末テスト何点だって?

90だが何か!?


あれはちゃんと勉強したからであって頭に残ってるとは思えない!!


と言うかこんなこと考える暇があるって相当舐めプだな。

途中から有利になったからかは知らんけど。


100発ほど[空弾]を大量生産して悪魔野郎にぶつけまくる。

属性適正は体質すら変えるからな。

空属性がよく効くことでしょう。

ついでに空属性耐性ないと思うし。


「あ゛ぁ、あぁ…今日はやけに癪に障る日だ。()()()以来最大だよ」


紅の目を見開いて体中から血を流しながら屈辱を超え、一周回って冷静に、悔しそうに血と共に言葉を吐き出していく。その目には今まで感じることのなかった憎悪が垣間見える。


?あの日?

こいつにもなんかあったっぽいな。

ただ、聞いている暇はない。

こっちはこっちでかなり消耗して来てしまっている。


私はそもそもMPが使えないので有り余っているにはいるのだが、いささか他のメンツ、特に零メンバーのMPの減りが尋常じゃない。

武器が常にMPの消費を求めるから仕方ないっちゃ仕方ないのだが、[MP消費軽減]が成長しきっていないうちはかなりハードだろう。

それでもやってこれたのは、種族能力もちで、それぞれの強みを生かしきれていたから。


そんなメンバーの中で、苦い顔をし始めたのがタキト君だ。

よほど苦しい状況なのか?そう解釈し、下がってもいいよと声をかけかけた時に、消え入りそうな声で彼は衝撃の言葉を口にした。


「それは今年の6月5日か?」


「!と、すると…お前()被害者か」


憎悪に満ちた顔でどす黒く声を発するタキト君に対して、ロシュートは憐れむような、そんなことはないと思うが申し訳なさそうな、そんな顔をした。


「黙れ!何がお前も、だ!お前たちが一方的な加害者だろう!」


今年の6月5日‥‥?

何か、あった…?


「6月5日未明に発生したイチリア帝国の上位悪魔ハイデーモン襲撃事件?」


秋白が口に出す。

!そうだ。

あの時フォース国から支援物資の供給のために馬車の大群がイチリア帝国に向かって出ていくのを見ていた。

やっぱり他人事だと思ってたから忘れるのも早かった。

日本人、災害大国だとはいえ、他人事感が否めない時もあったから、他国のことともなればなおさらか。


そんな平和ボケしている私の感想など置いてきぼりにするようにタキト君はその青い目が紅くなるほどにらんで叫んだ。


「主犯はお前だろ?紅の四天王(ルージュ・エビル)、ロシュート・ルード!親の仇だ、潔く死ね!」

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