第七十一話 使用武器談議
まあ全員の種族やら諸事情やら思い出したところで陸の方へ眼を向ける。
ようやく陸地が見えてきた。
ズイカ行く時も思ったけどディア湖はすごく広い。
…水平線見えるくらいには広い。
琵琶湖もこんな感じなのかな?
行ったことないからわからん。
ネットの友人曰く中国地方住んでても行ったことないと言われた。
そりゃ我ら関東地方組はいったことないわけだ。
そもそも行けるような暇のある家庭ではなかった!
そして行こうとも思わなかった!
故に知らん!
金央はいろんなところ飛び回ってたみたいだけど観光なんざしない子だからな~。
お土産は大概お菓子だから。
土産物屋で買えるようなやつ。
それくらい名所には興味がないと。
まあ私らもそんなかんじだったしお菓子美味しいからいいんだけど。
うちのメンバーは全員酔わない体質だから大丈夫。
船は。
船は!
大事なことだから二回言ったよ。
実を言えば金央はめっちゃ酔う。
車でも酔うくらいだから馬車とか使ったら酔う未来しか見えない。
対策をちゃんと見つけてからじゃないと乗せちゃいけないと思う。
なので基本徒歩。
まあ別に私が立体属性もしくは空属性頑張れば揺れない空間作ることもできるんだけど…。
それは私の力不足だからゴメン。
一番有効なのは属性ツリーで見る限り霧属性の最上位に位置している精霊属性でどうにかすること。
霧属性は一応メンタル的な奴が入ってるし精霊属性ならどうにかなりそうじゃない?
とりあえず金央に覚えさせてる途中なのでしばらくはできる限り徒歩。
体力向上につながるからね。
しばらくはこれでいいでしょう。
私がこんなこと考えてる間に目の前の人達はとても騒いでいる。
クッソうるせぇーーーー!
今やっている、というか開催されているのは使用武器談議である。
何でこんなことになってるかというと、タキト君が何も持ってないように見えたので装備は何か聞いたら
「あ、見たことないですか?“魔法銃”っていうんですけど…」
そういって彼は自分がつけていたグローブを外した。
銃って言われたから現物があるのかと思ったけどグローブの裏地を見て納得した。
魔法陣あるわ。
「現存する銃火器に魔法陣を付与することは禁じられているのは知ってますよね?」
‥‥。
何それ初耳ーーーー。
銃火器存在するんだー。
それも初耳ー。
頭の中でフリーズするのを回避して知ってるよという風にうんうんとうなずき返す。
「その代わりに魔法陣を使用して銃のように魔法を発射できるようになってるものをまとめて魔法銃と呼ぶんです。まあ、歴史上で言えば代替品という奴ですけど…。本物の魔法銃は魔法が無効化されても純粋に火薬で相手を傷つけられる危険なものですからね。神様直々に禁忌としたのです」
へ、へー。
まあ要するに?
1、魔法と銃火器のかけあわせダメ。
2、でも魔法を銃みたいに発射したい。
3、代替品で作ったぜ!
っていう感じの歴史なのね。
タキト君、君にもいつか伝えなきゃいけなくなるのかな。
私たちがこの世界の人間じゃないって。
…。
別に言ってもよくね!?
何か支障が出るわけでもあるまいし。
だからって全員の確認もとらずに勝手にやるのもなんかねー。
まあ、黙っとこう。
「銃とは違ってノーアクションで撃てるのでそこは楽ですね。属性は選べます。俺はまあ、魔属性ですけど」
種族的に当然と言った感じでタキト君は言う。
まあ、魔属性って魔族の専売特許的な感じあるもんね。
そんな会話をしていたらリュウヤ君も寄ってきた。
「魔法銃って使う人少ないよね」
「お前が持ってるやつの方が不人気度高い癖に何を言ってるんだか」
リュウヤ君のいじりにハンッと言う効果音がつきそうな感じで嘲笑するタキト君。
なんだろう。
普通にイラつくはずなのに顔のせいで様になってる。
この世界の人達マジで顔面偏差値バケモノだよね。
するとリュウヤ君が武器を取り出して私に見せてくる。
あ…。
説明聞かないといけないタイプですか…。
で、今に至る。
一応他のメンツが聞いてくれてるので私は現実逃避にボカロを頭の中でループ再生中。
あの曲もう一回ききてぇ…。
因みにリュウヤ君が持ってるのが爆魔、タリィさんはトラップ、フルノさんは短刀。
フルノさんだけベーシックな武器構成してる。
爆魔は燃料がMPの爆弾。MP使えば複製できるし、爆発範囲や爆魔自体の大きさ、爆発までの時間の遅延などの微調整が可能なのが強み。
ただ、慣れないうちにやると自分で爆発に巻き込まれてトラウマと化すなんてこともあるのでワーストから数えたほうが早いくらいの人気度。
トラップは様々な形があるが、すべて元のトラップから複製可能だ。
煙幕、まきびし、その他の効果を持つもの。
これが大体の種類らしい。
タリィさん曰く幻狐の種族能力である幻と相性がいいらしく、トラップを見えなくしたり、場所をずらして見せたりできるらしい。
引っかかりたくないわ…。
そんなこんなで武器について盛り上がっている彼らを尻目に、更に近くなってきた陸に目を移した私なのだった。




