第四十七話 フラグ回収乙…。折っときたかった。
さて、無事にエイフィーネに帰還し、報酬ももらい、正直言って油断していた。
油断大敵って本当なんだね。肝に銘じておくことその三に任命するよ。
その一とその二は油断禁物と増長厳禁…あ、一個目と同じだ。今のなし。
三つめは大事なことは忘れんなにしとこうと思う。
例えば、フラグ折るとか。
「急に呼び止めちゃってごめんね~。リーダーがうるさくてさ~」
アマリリスさん、二回目ですね。
今現在エイフィーネにあるカフェの一角。
マルアカの魔林から帰ってきてギルド集会所で報酬もらって出たら「ちょっといいかなーそこの五人組~」って感じで声かけられてとんとん拍子で一緒に食事する的な感じになって今に至る。
神様を一回ぶん殴りたいと思ったのはほかの四人も同じはずだ。
何回も思ってるから会うことがあったらさっさとぶんなぐって帰ろう。
さて、そろそろ現実逃避せずに目の前の異常&非常事態に向き合わねばなるまい。
一、アマリリスさんが超ため口で楽しそうに話してること。
二、おごるから食べてと言い始めたこと。
三、主要メンバーに会わせたいからついてきてということ。
主人公フェーズフラグが機能しすぎて食事が喉を通る気配なし!
心の中で盛大にため息をつき、目の前のジュースをストロー越しに飲む。
ズズズッと恥ずかしい音がしてすべて飲み干してしまったことを悟る。
周りの人たち、否、エルフと妖精たちはさほど気にしていなさそうだ。
どこまで地球のマナーが適応されるかわからないのが地味に怖い。
まあいっか、田舎から来ましたで済ませばいっか。
外では蝉の大合唱中。青々とした葉が日光を遮っているが、どうしても熱い。
マルアカの魔林は結構涼しかったのに、なんでだろうか。
「えっとね。うちのリーダーが君たちに会いたがってるのはタダの気まぐれなの」
‥‥。
「…気まぐれはよくある話なんで置いといて…どこで俺らのこと知ったんですか」
気まぐれはそんなにないよ氷人。と言いたいところだが黙る。
後者の質問は私も思っていたことだったからだ。
すると、アマリリスさんはあー…と言った後、「その人を殴りに行かないでね?」と念を押してから口を開く。
「カイトさんが『今日さー、なんか初心者っぽい五人組が来てさー。そのうちの一人が弟子入りしたおかげで兄貴のやる気スイッチ入ってさー。嬉しいの隠そうとして頑張って顔作ってるの最高に面白いねって話をイースとしてたんだよねー。今日はみんななんかあった?』と…。他のギルドマスターも結構笑ってましたよ…」
カイトさん、勇者様か。
後で絶対殴る…、あれ。
(((((おい待て今見逃せない単語が入ってたぞアマリリスさん))))))
見逃せない単語、それすなわち“他のギルドマスターも結構笑ってましたよ”だ。
単語じゃないとは思うが単語の語感がいいからこのままにしておく。
「あ、アマリリスさん、その通話まさかとは思いますけど世界トップの方々の通話では」
ことの発端、メラルドさんの弟子である金央がしどろもどろに尋ねる。
するとアマリリスさんが苦笑いで答えた。
「あ、うん。あの五人(カイト、レンゴク、ネイルス、ナカビ、ガルメラ)結構仲いいので…」
あの五人まさかの笑いの沸点低いパターンの人間の集まりなのか…。約三名人間じゃないけど。
いや、そんなことよりもこの五ギルドに目を付けられたも同義ではないか、それ。
他の四人もそう思ったらしく冷や汗をかいている。
主人公フェーズフラグは死んででも折っておくべきだった。
それを今確信したが、時すでに遅し。
私達のそんな様子を見てアマリリスさんは「だ、だよね…」とものすごい苦笑いをしている。
本人も体験済みなのだろうか。
ただ、一つ分かったことがある。
ギルドの中に常識人は1~2割程度しかいない。
勇者パーティに至っては絶対いない。
これだけは確か。
そして私たちはその非常識人たちに特攻し続けなければならないと。
軽く死ねるね。やべ。
とりあえず言ってみようという話にはなったものの、アマリリスさんは何度も「行きたくないなら言っていいんだからね!?私が怒られるだけで済むから!」と繰り返したが、それを言われると行かないといけないと思ってしまうということをこの人は知らないのだろうか。
…もしくは、それをわかってこの言葉を吐いたか。
そうなれば策士だ。策士と言わずしてなんという。
まあそんな策士の作戦にさっさか乗せられてる学年主席五人組なわけですが、ネイティアの拠点がちょっと思ったんと違うのよ。
THE・王宮って感じのところ。
メイド服のエルフさんやら妖精さんやら精霊さんやらがうろうろしてる。
これすなわちネイルスさんは王族の血を引いてるってことでOKですね。
出た、そういう系統の人。
異世界定番ネタに舞い上がっていると、どうやらその部屋についたようで、アマリリスさんが扉をノックする。
中からキレイなよく通る声が響いて、私たちは中に招き入れられた。




