第二十九話 origin
炎と水が渦を巻く。
空気の居場所がなくなるような赤と青の世界。
実際空気があることを忘れて息してないくらいだった。HPが減り始めてようやく気付いた。
ちゃんと空気があってよかった。
周りの人たちはいかにも普通といった感じで観戦しているが、地球人が見たら全員同じ反応する。
そう断言できる。
だが、決着がつくのは早そうだ。
レンゴクさんは肩で息をしている。
他のインフェルノのメンバーは全員ダウン。
対してカイトさんは息切れ一つしていない。
勇者パーティのメンバーは同じように全員ダウンしている。
カイトさん以外はほぼステータスに変わりがない。
しいて言うなら勇者パーティのレベルの方が平均的に1~3ほど高いというくらいだ。
つまり、ギルドマスター同士の戦いですべてが決まると言っても過言ではない。
カイトさんとレンゴクさんの勝負は最初は五分五分といった感じだった。
だが、カイトさんが[海神]を使ったあたりから一気に優勢に出た。
多分五分五分の時も少しは押していたが、その後レンゴクさんの大きな攻撃が来たため、本気を出したといったところだろう。
「そろそろ限界?」
「…肯定したくはないがそうだな」
「毎年この質問するときなんか俺悪役感すごいなーって思うのよ」
「そういう性格してるからだろうな」
「ド正論だな…」
顔文字で表すなら(´・ω・`)といった感じでカイトさんは答えた。
お二人ともお願いだからまじめにやってくださいよ。
他のメンバーさんがかわいそうだから。
…私でも同じことするわ。人の事言えないわ。
決め手に欠けてるから会話でどうにか決着付けようとしてるんだろうな、双方。
かれこれ20分くらい続いてる気がする。
ただし、時計を見たらまだ10分しかたってなかった。
oh…時間間隔狂ってやがる。
不意にレンゴクさんが槍を二つとも構える。
じっとカイトさんを見る。
カイトさんもレンゴクさんから目を離さない。
不意にすっとレンゴクさんが腰を低くする。
「『生命燃焼』」
HPが一秒に5ほどのペースで減っていく。
同時にATKとMAT、DEF、RESが一気に増えていく。
[生命燃焼]、そのスキルの効果は。
[生命燃焼]
[発動するとHPを残り1割まで減らし、その代わり他のステータスを上昇させる]
その状態から繰り出される全力。
「『煉獄氷華』」
一瞬でまばゆいほどの光と冷気、熱気。
結界越しでもそれは感じられる。
何かが爆発したかのような光と轟音の後、記憶が途切れた。
後から聞いた話だが、結界越しだというのに、場内全員が失神するほどの音と光が発生したらしい。
「う…あ」
失った意識が戻った時、そこにあった光景は。
二人して倒れているカイトさんとレンゴクさんだった。
モニターで確認すると、勝者は。
カイトさんだった。
ギリギリカイトさんの方がHPが1を切るのが遅かったらしい。
それでも、運が良ければレンゴクさんが勝つこともできた。
運の良さでさえ上位。
…ステ的にはレンゴクさんの方が上だけど。
天性の運の良さとでも言っておこう。
ただ、この時は知らない。
誰も、インフェルノが決勝に立てるのが、
今年で最後であると。
それどころか、
この五組がトップ5であれる最後の年だとは。
******
「それが蒼桜さんたちの原点ですか…」
「そう。あの頃はまーさかこんなに強くなるとは思ってなかったけど」
「にしても九代目は本当に能天気な人というか…」
「なかなかいうね…あの人は優しすぎるからね、傷つきやすいの隠したがるんだよ」
「男の気持ちは分かりませんね…」
「いずれわかるようになるよ」
「それで、次は何をしたんですか?」
「次は前氷人が言ってた大乱闘したんだけど…これがまた」
そういって軽く笑う。
「その前にちょっと装備揃えたよ。さすがにオーバーキル並みの攻撃は受けたくなかったからね」
「蒼桜さんたちの初期装備…気になります」
「初期装備というよりかは第二装備だね。初期装備は支給されるから」
そういって私は話の続きを語り始めた。
第一部完結です!ここまで見ていただいてありがとうございます!
出来れば今日中に四季神全員のステータスとキャラ設定をちょっと出したいと思います!
今後ともよろしくお願いします!




