第二十六話 チーター(勇者)
「」←会話
()←心の声
[]←スキル名
『』←スキル詠唱
【】←二つのスキルをくくるだけのカッコ(『複数同時効果付与』とか使う時)
絶えず金属音と破壊音が響く舞台の上。
地面は地盤沈下と隆起のオンパレード、火が燃え続けているところもあれば、暴風が吹き荒れていることもある。自然災害がここにすべて集結しているようにも思えるまさに地獄絵図の世界で両者は一歩も引けを取らず戦いを続けていた。
「『魔眼』!『火炎斬』」
ガルメラさんの目が黄色から青へ変わる。それに伴って一瞬カイトさんの動きが止まり、そこに炎をまとった剣で攻撃する。動けるようになったカイトさんの身体は斬られたときの衝撃で後方に押される。
(後1分は使用不可、どうにかならないかなー…?クールタイム地味に長いの腹立つ)
ナイファズアは押され気味、というか結構削られてきている。
HPが半分切った人も多い。
カイトさんが強いのは、大きく二つの要因があるとなんとなくにらんでいる。
一個目、ステータスが異常。
よほどステ増加系のスキルを積んでいるのか、あなたのレベルでこの総量はおかしいでしょうというくらいのステータスしてる。言うのめんどいくらい。
二つ目、スキル多い。
さっきから結構いろんなスキル連発してるからバリエーションが結構あるっぽい。
だというのにー。まだ300しか消費してないんだなこれが。
MP消費軽減どんだけつんでんだとちょっと思ったわ。
「カイトさんステータス高いのにさらに補助系かけるのやめてくれません?ダメージが恐ろしいほど入らないんですけど!」
「[複数同時効果付与]使ってるからだろ、多分。前聞いたら一人だけ範囲外に出すのめんどいからそのままにしてるらしいぞ」
カイトさんとガルメラさん仲いいな。戦いながら世間話してる。
しかし…[複数同時効果付与]結構皆さん持ってるんだな。
あれ結構強いと思ったら常識の範疇だったみたい。
某有名RPGゲームだったら一気にかけられるバフって少ないんだよな。
後魔王がなんかバフを一気に消しに来る技とかあったっけ。
ガルメラさん持ってたら強いけど。
「…『零』」
「おいお前嘘だろ!?」
んー…魔王じゃないにしてもそういうのはあった。
かかっていたバフとデバフが全員のステータス欄からごっそり抜けてる。
ガルメラさん若干片眉吊り上げてるからもしかしたら普段のストレスがあるのかもしれない。
ものすっごく笑顔で詠唱したあたり九割九分九厘そうだ。
あ、これ誰が迷惑かって頑張ってバフめっちゃかけてたラズーリさんか。
ご愁傷様です。
ついでににらまれてるカイトさんも。
ご愁傷様です。
なんかさっきからテキトーになってるのは双方強すぎて諦めたんだよ。
いちいち起こっていることを言ってたら喉の寿命が先に来ちゃうからね、しょうがないね。
「嘘じゃないです(笑)」
「メンバーからの目線が痛いのよ(泣)」
「知らないです。っとぉ⁉」
ガルメラさんが急にジャンプした、その瞬間に何かがそこに落下した。
「ッチ・・・当たれよ」
「口わっる」
舌打ち交じりに暴言を吐いたのはニャズさん。足元には蜘蛛の巣状にひび割れた地面が残っている。
カイトさんはボソッと悪口を言ったが、聞こえたらしく、ニャズさんはカイトさんをにらんでいる。
対して空中に飛んだガルメラさんは[飛行]を使い、そのまま他のメンバーの手助けに回る。
([認識阻害]持ってたんだろうなー…気づくの遅れた、危ない危ない)
他のメンバーはラズーリさんとイースさんと戦っていて、若干優勢、くらいだ。
そこにガルメラさんが不意打ちする。
「『闇月聖光』っ!」
反応する間もなく青い光をまとった剣がラズーリさんとイースさんのHPを削る。
その隙にシーラさん達他メンバーは少しHPを回復させる。
直前でHPが1割切ってしまったフウさんとスイコさんに関しては脱落区域なので少し端に移動した。
ただ、その一瞬の脱力感の間でカイトさん達は距離を詰める。
真っ先に反応したのはオニビさんで、迎撃を始める。
だが…。
(毎度毎度避けすぎだよお前!妖力尽きちまう…!)
無数の炎の球をいともたやすくよけるカイトさん。
目が慣れてくると逆に炎がカイトさんを避けているのではとさえ思える。
そのまま槍と剣が交わる。
後ろからニャズさんがひっかこうとするが、それを空中に身を躍らせて避ける。
が。
「が…はっ」
それを読んでいたらしくカイトさんは事前に装備品の短剣を投げていた。
オニビさんの苦手属性、水の属性攻撃をそれに付与して。
「…頭回るの速すぎじゃない…?…流石に」
氷人が目を見開いていう。
本当によく頭が回る、と思うが、実際のところ頭も回るし以前の戦いで見た癖とかを記憶してるんじゃないかなと思う。だからこそ先読みができるのかもしれない。
いずれにしろ勇者様はチートだ。この世界では。
あー設定考えるだけで勇者様がチートになってまう




