第二十五話 AIMといい連携と言い
「ヒバナさんAIMどうなってるんですか…」
「しーらない」
地上5mでヒドリさんにキャッチしてもらったヒバナさんはそのまま本丸に向かって進む。
「良い的がいますなぁ!」
雷が轟く。
すれすれでヒドリさんが回避するが、掠るものも多い。
楽しそうに雷を呼び寄せているのはスターリャさん。
不意にジャンプしてヒドリさんとヒバナさんの目の前に来ると、そのまま大槌で叩く。
貼ってあったバリアの耐久値は一気に0になり、残りの攻撃とダメージはもろに食らう。
「…大槌怖い」
「氷人でも怖いよね、流石に」
地味に氷人が怖がっている。無理もない。
目に見えないほどのスピードでヒドリさんとヒバナさんが地面へ急降下していったからだ。
ただし、ダメージは思ったほど受けていない。
理由はレンゴクさんが二人を片手ずつキャッチしたためである。
人間とは思えない。人外がやることだ。
「ありがとうございます」
「礼は良い。ネイルス頼んでいいか?」
「了解しました」
やり取りを済ませると、二本の槍を持ったままスターリャさんがいる岩の柱の上までジャンプする。
最初は十数mあった柱も徐々に崩れ、今では5mほどだ。
そのままヒバナさんとヒドリさんはネイルスさんの居る場所まで飛行していく。
「あららららギルマスと対戦かぁ!こりゃ大変だぁ!」
今思ったけどスターリャさん結構個性的だな。口調とか口調とか口調とか。
大槌を振り回して攻撃してくる彼女の攻撃を宙返りして避けたレンゴクさんは片方の槍を上空に投げ、投げナイフを取り出すとそれに火をつける。
それを投げる。
スターリャさんの頬ぎりぎりをかすめ、上空から戻ってきた槍をキャッチし、一瞬で近づくと背中を柄で殴る。それでHPが1割を切る。
「あうっ」
「はぁ…風切り音が心臓に悪い。…合流するか」
柱から飛び降り、軽く着地するとネイルスさんに接近する。
地面からは相も変わらず蔓が伸びているが、レンゴクさんは魔法を使っているのかサクサク燃やしていく。
魔法は一説によると寿命を使って出すのだそうだ。ただ、今現在人間が魔法を使って縮む寿命は2~5年ほどなのだそうで、結構燃費は良いらしい。そりゃ寿命だし。
命を代謝してまで戦う必要があったのか、と言われれば謎だが、恐らく必要だったのだろう。
ヒバナさんは後方から矢を打ち続けている。ネイルスさんはそろそろきつくなってきたのか少し顔をしかめている。
「ヒバナ合わせろ!『メテオ』!」
「はい!『火炎雨』!」
上空に向かって放った矢が爆ぜ、スコールのように炎の筋が走る。
その後ろからは隕石と見間違えるほどの炎。
「…完敗です」
炎の燃える音と電子音がほぼ同時。
とても暑い試合だった。
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「さて…次俺らだよ」
カイトは愛用の剣を背負いながら言う。
ガルメラはインバネスコートにそでを通しながら返事する。
「久しぶりに寿命が縮みますねー楽しみです(泣)」
「ちょ!?何でガルメラ泣いてんの⁉」
「カイトさんと戦った翌日は例外なくメンタル不安定&筋肉痛になるからですよ(泣)」
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「あー…暑かった」
「温かかったねぇー」
暑いの間違いだろ朱夏。
いつも温度感覚が狂っているのか、それとも火炎耐性の賜物なのか。
どっちにしろもう私たちも人外の仲間入りを果たしているということは確かなようだ。
次はナイファズアと勇者パーティ。
すでに両者のにらみ合いが続いている。
電子音が鳴る。
カイトさんがガルメラさんの居た場所まで一瞬で移動し、彼を吹っ飛ばす。
「がっ…いきなり来るか…」
([俊足]だけでも厄介なのにやっぱり[勇者]の効果が強く出てるな…)
そのままカイトさんと剣を打ち合わせる。
永遠と金属音が続く。
「『閃光斬』」
「『闇烏』」
光をまとった剣とすべてを呑むような黒の烏がぶつかり、打ち消しあう。
直後の真っすぐ突っ込んでくるカイトさんの攻撃をガルメラさんは避けきり、反撃する。
「『炎雷』!シーラ!手が離せないからゴメン!」
「了解!っと、『闇捕縛』」
「おっと」
シーラさんはニャズさんと相手をしている。
炎、雷、光、闇、風、水…
様々な属性の攻撃が飛び交っている。
「軽く言って地獄絵図か極楽浄土」
「正反対の例を出されてもわからん」
金央がつぶやいた言葉にツッコミを入れる。
ただ、あながち間違ってないんじゃナイカナーとちょっと思う。
魔法や、スキルはきれいだ。
神秘的で、エフェクトも綺麗。
ただ、それが不規則に飛び回っているからなんか…地獄に見えるのだ。
ただ、これがきっちり並んで飛んでいたら極楽浄土と言えるかと言ったらそれもなんとなく困る。
極楽浄土はもっと静かであってほしいという個人的な希望があるためである。
…毎回毎回話それるんだよな、誰のせいだ?
ずれるのは作者のせいです。




