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天才たちは異世界での極振り生活を夢見る※改訂版更新中(あらすじにリンクあります)  作者: 月那
第一部 第二章 世界一ギルド決定戦~ほお、世界のトップはお強いですな~
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第十四話 そうなってくると‥‥

「ってか秋白はあの戦い方に察しがついてたのね?」


「まぁ…鉄扇ってある意味非常事態の対処に使うだけだしそうそう訓練するもんじゃないし…極めようとする人は刀握ってたほうがいいと思ったからさ。あー多分スキル乱発するタイプの人なんだなぁと」


どうやったらそこまでわかるのかが私にはわからない。歴史は専門外だ。

そもそも彼は暗記も得意だがその情報を使って解く発展問題を得意とする。そのために知識を入れているようなものである。


ステータスが半減したメンバーたちはそれで折れるわけでもなくMPポーションを使用してスキル詠唱を継続する。ただし、MATも半減しているので大した威力にはならない。


聖杖持ちがHPを回復しようと詠唱しかけたところに遠くからクナイが飛ぶ。

それを持っているのは黒髪の鬼。どうやらクナイが彼の武器らしい。

だが、それで終わるわけでもなさそうだ。


聖杖持ちのステータス欄を確認するとHPがどんどん減っていく。当の本人はひざを折って苦しんでいる。状態異常欄に新たに増えた「毒」の文字がそれを証明している。


「状態異常ガンガン使っていけるの強い…」


「そぉね」


私がこぼせば朱夏が肯定する。全員声をほとんど出さずに観察するようにして観戦している。

スキルを打った分MPは減るが、恐らく毒攻撃にプラス補正がかかるスキルを持っているのだろう、わずか10しか消費していない。


ついにNo.4がNo.9の目前まで迫った。さすがに数がありすぎる魔法を避けながら進むのは時間がかかるらしい。焦って回避しようとするNo.9の足元が凍る。


「…やっぱ雪女かー…」


「凍結」


白い息を吐きながら言う彼は水色の髪をなびかせながらさらに攻撃を仕掛ける。

氷柱を発生させ、それを相手に向かって飛ばした。

氷柱は当たった先から消え、着実にHPを削っていく。

その上からこのギルドのギルドマスターである赤い鬼が小さな炎を生み出し、放つ。


「『妖火球』」


小さな火種は、地面についたと同時に爆発するように巨大な火の海と化した。

おなじみの機械音とともにこの試合は終了した。



「やっぱ雪女やんけあの子…」


「年上かもしんないけどね」


年齢、名前、出身地などは公開されているが、ギルドの関連情報もろともあとでギルド集会場でパネルにインストールしなければならない。それまではわからないので我慢することにした。

ステータスは基本公開されておらず、この一年に一回のイベントの時のみ全国に期間限定配信されるのである。機械的なのかファンタジックなのかどちらかにしてほしい。


「…次はエルフのギルドだっけ」


久しぶりに口を開いた氷人はパネルをいじり続けている。マップやパネルの表示設定をカスタマイズしながら観戦しているらしい。

そのつぶやきを聞いた朱夏がおや?といった目で氷人を見る。


「そういうのに興味があるのかね氷人君」


「‥違うけど」


応えるまでの妙な間はどちらともとれる。何せ彼はいつでも答えるまで少し間が空くからだ。

それでも朱夏は氷人をいじり続け、氷人は「違う」を連呼している。

こっそり付き合いの長い秋白に聞いてみた。


「あれはホント?嘘?」


「白よりだねぇー。マジのときは黙ると思う」


なるほど了解。特に意味ないけど。

つまりテキトーにつぶやいたら朱夏の地雷を踏んでとりあえず違うっていう意思表示している状況なのか。特に意味はないがご愁傷さまとだけ言えるわ。



さあ第三試合。

エルフのギルドだと言われたので察してはいたが…。

全員美女ってどういうことでしょうか?

これが種族の差か…。


とまあそんな話は置いておいて、二組のギルドは舞台上にたたずんでいる。

No.8は攻撃特化型といったところで、剣、刀、双刀、双短刀、聖杖だ。ちゃんとドーピング(補助系スキル)要員持ってくるとか流石だわ~。褒めてるかって?ノーコメントだ☆


No.3は何も持っているように見えない。ただ、前と同様ちゃんと装備はしている…はずだ。


身構えて試合の開始を待つ。

だが、此処からはどういえばいいかわからない展開が待っていた。

電子音が響いた直後、ダァンッ!という音がして…

極太の雷がNo.8を打った。

・・・・・


こんなんアリなん?

え?No.3?

女性がごり押ししていいんでしょうか?


会場もざわざわと動揺の声を漏らしている。No.3のギルドマスターがにっこりしたまま立っているのを見ると鳥肌が止まらない。笑顔で…笑顔そのままでいないでください…。笑顔で人殺せるタイプの笑顔だよ…。


「…そうなってくるとさぁ?」


金央が重い口を開ける。

全員が何が言いたいのか理解した。

そう、全員わかっていた。


「人外にも勝ってしまうこの世界の勇者様はただのチート野郎では?」


「「「「タブンアッテルヨー」」」」


勇者様強すぎ案件、此処に成立。

勇者様は強いと思っていた、思っていたけどそれより実力が下の人達がこれだと…もう、ただのチート野郎だよ。全員が苦笑いを必死で抑えるように真顔をキープしようとしている。この世界の人からしたら普通なのかもしれないけれど私たちにとっては普通じゃない。


RPGではほいほい死んでは生き返る勇者様だが、この世界では死ぬ心配なさそうなくらい強そうのだった。

※No.1~No.5が異常すぎるだけです。No.6~No.10も普通に強いです。

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