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天才たちは異世界での極振り生活を夢見る※改訂版更新中(あらすじにリンクあります)  作者: 月那
第二部第九章 世界一ギルド決定戦Ⅱ~世間ではこの時に伝説が始まったそうですが、我々にとってはただの通過点です~
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第百六十話 予選が来た…。めんどくさい。

「えー皆さん本日はお日柄もよく___」


鉱山に行ってから1週間。

装備の方はまだ途中だけど、まあ大丈夫だろうということで予選に参加している。

お留守番はおなじみスライムとゴーストに任せてる。

え?名前ないのって?

スライムとゴースト、だよ?

モンスターの正式名称はそれぞれマジックバブルとレッサーレイス。

ほら、名前あるじゃん。


彼らもいくらかレベルが上がっているので、まあそこら辺のモンスターに引けはとりません。

特に愛着はわかない。たまにかわいいな~と思うくらい。


長々と開始前の校長先生的な挨拶をしているところ悪いけれど、今回の予選ルールを確認する。


まず、参加できるのは1ギルドにつき5人まで。

別にソロでもいいし、きっちり5人でもいい。

次に、PvP(こっちの場合Person vs Personの略)はOKで、倒した人数×1ポイントと、その人が所属するギルドが持っていたポイントの1割ぶんどれる。

ポイントは、モンスターの種族的地位に基づいて…まあ要するにレア度&強さに基づいて割り振りされる。

根こそぎ辻斬りしていくからいいけど。


エリア内にはすでに参加者が死ぬ寸前にスタート地点に戻る、いわゆる死に戻りシステムの結界がある。

便利すぎる。


また、この予選で倒したモンスターの素材は持って帰っていい。

PvPしても素材は手にはいらないから要注意。

あと、PvPしすぎるとちょっと注意が入るそうな。

そりゃそうだ。


という感じで予選は進む。

3日間の野宿ありの予選なので、サバイバル能力も試せる。

悔しいけど、この予選は正解だと思う。


「__というわけで、10時から予選開始となります」


丁度良く話が終わった。

今現在9時50分。

あと10分で開始。

参加者には、パネルのマップ機能に予選エリアが表示されている。

また、被ダメージや、デス回数をカウントするための装飾品の装備を求められている。

そういうのも考慮に入れて、5組選ぶ、ということだろう。

そうでもしないと、順番決められないよね!


私はマップを見る。

範囲は大分広い。

この場所での参加者は全50組。

範囲は25平方㎞。

…広いよね。

なお、ここは結構大きめのダンジョンになっているらしく、一番奥にはボスモンスターがいるらしい。

ボスモンスターは倒せば最大ポイントである50ポイントもらえる。

これを逃さない人たちは多いだろう。

だから、私たちも逃さない。

幸い、ボスモンスターの位置も割れている。

ならば、すべきは一つだろう。

ルール上、必ず足で移動しろとは言われていない。

勝てる。


「それでは、予選開始___!!」


「『テレポート』」


その合図とともに、私たちはその場から消える。

そして、目の前には巨大な…これなんだろう。

一番近いのはキ〇グギドラとか、八岐大蛇か。

プラスネズミ…みたいな。

とりあえずわけわからん。


「ジュゥゥゥウウウウウ!!!」


あ、鳴き声はネズミっぽかった。意外。

向こうもこちらに気づいたらしく、威嚇してきたのだが…鳴き声意外だわ。


そう、私たちは、開始直後に、最大のポイントソースであるボスモンスター討伐に乗り出した。

だって、そうすれば最初から50ポイント先制できるじゃない。

入り口から進んだら1ポイントの敵しかいないしね。


「じゃあサクッと倒すか」


「任せて~」


刹那、跳躍。

一瞬で相手の頭上に陣取る。


「『春泥』」


詠唱すれば、敵の足元がぬかるむ。

それに見事足を取られた敵は、あわてたように体を振り回す。


「雪解けの春、ぬかるみには注意しましょう…なんてね」


春属性スキル、春泥。

敵の足元をぬかるみに帰るだけの簡単なスキル。

まあ、範囲がすごいけどね!!

ここまでして、私は敵の目を全て切り裂いていく。

HPが3割ほど減る。

あと2割減ったらパターンの変化もあるんだろうけど、そこまでさせるほど私たちは優しくない。


あとは、うちの火力馬鹿どもに任せれば一瞬で終わる。


「『蜘蛛』」

「『冬薔薇』」


氷でできた薔薇が美麗な花を咲かせながら、その棘のある蔓で相手をホールドし、ダメージを与えていく。

そこに追撃で蜘蛛の糸が四方八方から迫る。

その糸は、張り付くこともなく、敵を豆腐のように細切れにして黒い光に変えた。

…。

やっぱこのコンビえぐい。


「よし、終わり」


「朱夏、宝箱だけ回収してきて。先行ってる」


「ういうい」


そういえば、即座に結界を張って宝箱の中身を出してはインベントリにしまっていく。

その様子を見つつ、ぽっかりと空いたボスの空間の周りに群がる視線を感じる。

そして、そこに直行。


「おわ!!?」


「お行儀が悪いね、出直してきたら?」


モンスターと一緒にこちらの様子を見ていた冒険者たちを辻斬りして、ついでにモンスターも倒して行く。

ホント、他人の利益だけぶんどろうとするからそうなるんだって…。

後ろからも結構悲鳴が聞こえてくるから、他のメンバーもドンパチやってるっぽいな。

ほどほどにしないと、運営から注意されるから、やめときなよ…。


とはいえ、漁夫の利狙いが10組もいたので、若干の注意はされた。

解せぬ。

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