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天才たちは異世界での極振り生活を夢見る※改訂版更新中(あらすじにリンクあります)  作者: 月那
第二部 第六章 クエストで他の地域へ~ボスモンスター狩るくらいなら私たちいらなくないですか~
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第百三話 友好関係…。

「ああ、すまない。ちょっとイメージと違ったから…」


「…タメで大丈夫です。敬語を使わせるのは申し訳ないので」


私の氷人株価が最高値更新中。

あんた、成長したねぇ…。

秋白がめっちゃ親の顔している。

ついでにヒバナさんの溜飲も下がったらしい。

普通の顔をしながらちらりとレンゴクさんを見てはにやにやしてる。

さっさとくっつけあんたら。

見せつけられてるこちらの気持ちにもなってくれないか?


「…敬語使ってないんだけど」


「…デフォルトと違う気がしたので」


ああ、そういうことね。

ちょっと無理して初対面の人に合わせてる感じに見えたってことか。

静かな人って良く周りを見てるよね…。


「…カイトさんが素のままだったのであんまり堅苦しくされると緊張するというか」


「なるほどね。じゃあそうする」


あ。

ヒバナさんがむすっとしてる!!

まさか、この状態で話しかけてもらったことないとか!!?

お、おう…。

そしてまたにらみ始めたんだが?

ヤンデレを怖いって思ったの今日が初めてだよ。


「…ギルドメンバーの方にもそうしたほうが皆さんうれしいんじゃないんですかね」


フォロー入ったぁあああ!!!

空気が読める男!モテて当然!


「善処する…。出身が出身だからあんまりなれてないんだ」


ほお。

貴族階級とかはなかったはずだけど、ナカビさんみたいな感じかな?


「…無理しないでいいですから」


氷人が少し下を向く。

どした?と思っていると[念話(テレパス)]がつながった感覚がした。


{緊張したぁ‥‥死んじゃうって。緊張のし過ぎで死ぬってば}


{あれで緊張してたんかいあんた!}


めっちゃ顔赤い。

そして緊張してたんか。ポーカーフェイスうますぎ案件。

全員がマジで?みたいな顔をしてて、氷人がうつむいているのをレンゴクさんがわけわからんという風に見ている。


氷人。君こそ無理するな。


「すみません…この人ホントは結構口下手だしプレッシャーに弱いので」


「朱夏知ってたんかい!?」


「朱夏と僕以外は知らないかもね~」


マジか…。マジか…!

よくアスリートしてたな…。

人にめっちゃ囲まれてただろうに‥‥。

というか、2年くらいの付き合いになっても知らないことはあるな…。

付き合い長い朱夏のことも知らないことが多々あるからな…。

背中を預けあえるくらいにはいろんなこと知っときたいよね。


「うん…なんかゴメンな」


「‥だ、大丈夫です…」


「フフッ…」


‥‥。

声のした方を見る。

ちょっとそっぽを向いて口元に笑みを浮かべたヒバナさんがいる。

いやな感じの笑いじゃなくて、普通の。

…。


「あ…な、なによ」


わ、笑った…だと?

レンゴクさんも割と吃驚してるよ。

氷人だけ大丈夫そうな顔してないけど。


「いや~、なんでも」


「い、言いたいことあるんだったらちゃんと言いなさいよ!!」


あら、ヤンツンデレでしたか。

これはおいしいものが見れた‥‥。


{好きな人にちゃんと気持ちは伝えたほうがいいですよぉ~}


{余計なお世話よ!}


朱夏が冷やかすように言うとヒバナさんが顔を赤らめて返答した。


「ヒ、ヒバナ?」


「なんでもございません」


(((((切り替えはやっ…)))))


たじってるレンゴクさんが声をかけると、ヒバナさんが能面をとっかえひっかえするように一瞬で表情を戻す。

それで顔芸して金稼げるんじゃなかろうか。

というか、何で笑われたんだ?


「んん…と。とりあえず時間がないからこれから行く場所と目的について説明する」


レンゴクさんが仕切りなおすように言葉を紡ぐ。

おふざけ話でじっと耳を傾けた。


「まず…ディア湖と反対方面へ進む。州の境目はここからだいたい10㎞。そこからデザバク砂漠まで…20㎞」


あ、割と近い。

フルマラソン走りきらなくても着くじゃん。

そんなちょろいクエストじゃんという雑念を抱いた矢先、フラグというのはこうやって回収されるのかと思い知らされる。


「あくまでデザバク砂漠までの距離。目標地点はそこから100㎞」


…ちょろいとか思った罰が下った。

100㎞って何だろう。

地球の円周が4万kmでしょ?

経線0~90度、つまり四分の一が1万kmでしょ?

それの100分の一?

90÷100…。

経線0度から0.9度移動と同じ??


…いや、無理だって。

サハラ砂漠とかは経度いくらくらいの幅にあるかは知らないけど、相当な距離だということが分かった。

こんな形でわかりたくなかった。

同じことを地理的に考えたのか、秋白の顔が青い。

うん…そうなるよな。

他三名はわけわかめと言った感じで疑問符を浮かべている。

氷人だけちょっとOH...という顔をしているけど。

フルマラソン3周分だからな。

分かりやすいんでしょう。


「で、今回の目的だが、とあるモンスターの討伐だ」


砂漠でモンスターね…。

…あれかなぁ。

とある見守りシュミレーションRPGではこいつの丸焼きは大概のキャラクターが拒否反応を起こしたり、某有名RPGの砂漠の国に出た奴だったり。

砂漠の虫といえばこれ!!ってやつじゃないよね?


「スコーピオン…と言って通じるか?クラーケン並みにでかい白のサソリだ」


へぇ‥‥。

定番だなオイ!!!

ついでに白だって?

黒ときつね色のイメージしかないんだが??


「基本的にスコーピオンは2~4年ほどで別色の個体がかわるがわる復活する。今回の白はその中でも危険とされる個体。最後に出現したのは50年前だったはず。…勇者がいなかった時代だからな、かなり被害が出たようだが…」


レンゴクさんが淡々と説明をする中、私はとある一言が気になった。

え、待って、今なんて???

勇者がいなかった時代?そんなのあるの??

スコーピオンに限らずサソリって白のイメージ無いですよね??

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