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第5話

「パーティを辞めるって?どういうこと?」

「だから、そのままだよ」


そのままの意味でそのまま。イエナはパーティから抜けたい。


「俺じゃこのパーティで力不足っていうレベルじゃないからな」


一年以上も日々強くなっていく彼らを停滞させているのは、誰でもないイエナのせいだ。戦闘でも役に立たない。その上、視力がほとんどないせいで日常生活すらもエレノアがいなければ、きっと送れていない。


エレノアはそのことに文句を言った事はない。しかし、


「お前は、全く気にしないけど、俺はお前の足枷にもなっているのは分かってるから」

「だから、わたしは気にしないって・・・」

「もう、迷惑をかけたくないんだ」


小さい頃から、というかエレノアに言われてからは、ずっとSランク冒険者になりたかった。一年前までは本当にSランク冒険者になれそうなくらい上手く行っていた。だけど、Cランクまで上がった今なら分かるのだ。Sランクは厳しい。


イエナの実力では、Sランクはきっと無理なのだ。そう思ったら、今イエナがやっている事は足を引っ張っているだけだ。エレノア達を含めた本当の英雄となる人たちの。


「小さい頃から、エレノアには迷惑しかかけてないからな。このままじゃ、俺はエレノアに一生迷惑をかけることになるから」

「・・・・・でも、わたしは!」

「だけど、たぶん、それを思ってるのはエレノアだけだ」


エレノアを囲むように座っている他の3人を顎で指す。ジークがパーティを辞めるという話を聞いて、彼らの明らかにほっとしている表情を指す。


「とりあえず、パーティを抜ける手続きだけは今日中にやってしまうから」

「ちょっと待ってよ!なんで、そんないきなり」

「絶対にエレノアは反対するからな」

「でも、私はイエナがいたから!」

「ギルドの人も嬉しそうに再就職先を教えてくれたよ。たぶん、俺が厄介だったんだろうな」


イエナの顔が純粋に気持ち悪いというのと、能力もないのにエレノアに粘着している奴という二重の意味で。


「だから、ごめんな。エレノア。これまでありがとうな」


そうエレノアに告げて、ジークはその部屋を出た。


日間ランキングに入ってました、ありがとうございます。

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