少女のその後
ようやく投稿出来ました
「はぁ、」
私、宮野緑は半年前のあの日から話していない姉を思いもう何度目かわからないため息を吐いた。
そう、あの日あの幼馴染で初恋の人だったアッキーこと伊月晃が消えたあの日から姉は変わった。
あの日以来、姉は私とも隆とも話していないし、部屋から殆んど出ていない部屋から出てくるのは食事を取りに来るときだけだ。
家の部屋は、それぞれ内側から鍵がかけれるようになっている為、姉が部屋で何をしているかは分からないが食事を取りに来る時の目の下の隈を見れば睡眠を取って無い事だけは分かる、正直姉の体調が心配だ。
だが、それでも私は姉に寝ろとは言えないなぜならあの日から約一か月間は、まさに地獄の様だった。
男子高校生謎の行方不明事件。警察は、姉を犯人と決めつけ脅迫まがいの尋問を行い、メディアは連日押しかけ「なぜこのような事をしたのですか?」「今の心境は?」「どの様ににして被害者殺したのですか?」
などと、聞かれ続ける。学校に行くとクラスメイトからは怯えられ、または「自首しろ」「償え」と机に書かれ先生からも職員室に呼び出されては、「自首した方がいい」などといわれたそうだ。
その上、晃の両親は毎日怒鳴り込んできたそして、私たち家族や隆は口では「大丈夫私たちは味方だよ」といいながらも心の何所かで姉が犯人だと思っていた。
そして、姉は部屋に引きこもった。
それから少しして、この事件は未解決事件として迷宮入りをした。
あの事件から二か月が経った頃には、私や両親、隆は、ある程度落ち着き姉を疑う事をしなくなると同時に姉を疑っていた自分が信じられなくなっていた。
そして、今では世間は事件の事なんか忘れ晃の両親も怒鳴り込んでは来なくなった。
そして、私は、たまにある食事を取りに来ない日の習慣となりつつある姉の食事にラップをしトレーに乗せ部屋の前に置いて眠りにつく。
その、翌朝私は手の付けられりょうていない料理を見てドアをノックし「おねぇちゃん居るよね」と話しかけるも、返事が無い。
私は、工具を持ってきて鍵を壊し中に入るとそこには大量の専門書に囲まれ死んでいた姉の姿があった。
後日、鑑識の結果姉の死因は過労死だとわかった。
「はぁ、」
私、宮野光はため息と共に「遺伝子と才能」という本を閉じた。
半年前アッキーが消えた日から私は遺伝子学を学んでいる。昔は分からない事だらけだったという遺伝子についても今では、どの様な遺伝子の配列がどの様な生物を作り出すのか、人間における容姿・体格・反射神経などは、どこで決まるのかその大体が判明し今では理論上好きな性質を持つ生き物を創り出す事さえ可能となった。
だが、私は生き物を創造しようなんて考えている訳では無い。
『世界干渉説』 『世界10分前説』が正しい事を前提として語られる馬鹿げた学説、つまりこの世界が10分置きに創造され更新されるのならそのタイミングで特異的に異常な程脳が活動したのなら世界の創造に干渉し本来作られるはずの世界と異なる世界になる。という物。
私が、この説について知ったのはあの日から1ヵ月後のある日何となく視ていたネットサイトでだった。
それから、私はこの説を人為的に起こしアッキーがいる世界を創造する。そのことを目標に文字通り寝る間も惜しんで学び続けた。そんな無茶を続けられたのは、何があってもやり遂げるという覚悟ゆえ。
だが。
・・・あれ、なんでだ?体に力が入らない。意識が遠のく。・・・
ろくな、休息も無く限界まで体を駆使すればいずれ限界が訪れる。
私が、目を覚ましたのは右も左も判らない暗闇の中だった。そして、前には白い布の様な服を纏う美女そして美女を囲む様に生えている薔薇。
彼女は、目を開けると
「ようこそ、新たなるダンジョンマスターよ」
と、いった。
正直、この言葉を聞いた瞬間アッキーに薦められて良くライトノベルといった本を読んでいた(ついぞ何が面白いのかが解らなかったが)為自分が死んだ事を理解した。
そしてこの様なパターンは、神などがお礼か謝罪の為に転生させる、何かやってほしい事がありその為に転生を行うの二つがあるが先程私、私をダンジョンマスターと呼んでいたから後者なのは確定だろうだとすれば。
「で、あなたは私になにをしてほしいのですか?」
この質問で十分だ。まぁ、ダンジョンマスターになるのは決定だろ。
「それはね、 あぁそう言えば自己紹介がまだだったわね。私の名はローズ。植物神ローズよ。よろしくで、あなたにはダンジョンマスターとして少しこの世界に貢献して貰おうと思うの、当然植物関係になるけど強力な能力も与えるし向こうでダンジョンマスターとして生活してくれれば後はなにしてもいいからね」
その条件なら受けても良いかも、なにより転生出来るのが良い空いた時間で例の学説の研究が出来る。それに、異世界になら他の方法もあるかもしれない。
「いいですよ。ただし、ダンジョンマスターについての詳しい説明をお願いします」
「もちろん。では、ダンジョンシステムをインストールします」
は?なんて・・・
「ぐ、うっああああああああああああああ」
頭の中、に物、凄い、量の、知識が入っ、てくる、頭蓋骨が、割れそう、なくらい痛い。
「はぁはぁはぁ、何してくれているんだよ」
「だ、大丈夫ですか?」
「大丈夫ですか?だって?自分でしてそれは無いでしょう!」
「あはは。でもこれしないとダンジョンマスターになれませんし第一向こうで生存出来ませんから」
「だとしても!!、だとしてもやり方!事前に説明するとかあるでしょう」
「あぁかなり前に、説明した後痛いのが怖くて一向にインストールさせてくれなかった人がいましてそれ以来こうして不意打ちでさせてもらっています」
「じゃぁ、痛みを無くすとか神なんでしょ」
「昔なら出来ましたけど、今は封印されていて出来ません」
「え?神が封印されれいるの?じゃあこの空間は神域とかじゃ無くって結界の中?そもそも封印されるとかなにしたの?」
「まぁ、かなり昔にそれに神域なんてありませんよ。私たち神は膨大な魔力が生成される魔力だまりに単一性の性質か付与された物ですから自我もありませんし、自身の支配領域拡大の為に他を侵略してましたから。ちなみにこの自我は、私の封印にあたりこっちの方が都合が良かった為に付け加えられたものなんですよ」
「はぁ・・・」
なんか、思っていた神とかなり違うな。
「では、話を戻しますね。と言っても、ダンジョンマスターについてはもう理解出来ていますよね」
まぁ、確かにダンジョンマスターについては、ずっと前から知っていたかのように記憶に焼き付いている。知識は、膨大で多岐に渡るが整理すると
1、ダンジョンマスターの役目は、魔力を安全に供給する事
2、ダンジョンマスターは、魔物・アイテム・迷宮を自由に創造可能
3、ダンジョン内で死亡した霊格(その者の功績×質量)を霊塊として保存。平均的に人間一人当たり1~3の霊塊とれる。
4、ダンジョンは、1日の終わりにそのダンジョンが封印している神か大魔王の生成した高濃度の魔力をDPとして保存する。
5、ダンジョンは、ダンジョン内の魔力を全て常に外へ放出する
6、ダンジョンマスターは、霊塊とDPを消費し魔物の創造を行える。ただし、この魔物は死んでも霊塊とならずに魔力となる
7、ダンジョンマスターはDPを消費しアイテム・迷宮が創造できる
となる。
「これ、簡単に言うと魔物召喚して人殺してまた、魔物を召喚するという事ですよね」
「ええ、ぶっちゃけダンジョンマスターは人々に人間を弄ぶ極悪非道な者という扱いですね」
まぁその辺は、割とどうでも良い。
「わかりました。ならもういつでもいいですよ」
「では、門を開きます。最後に向こうにあなたのサポートがいますからそれと私からの能力は、もう付与してますから後で調べてください」
私は、そんな言葉を最後に聞いてから、ゆっくり目を閉じた。
次に、目を開けるとそこはやく10畳くらいの部屋の中だったというか完全に私の部屋その物だった。確かにダンジョンマスターの知識の中に初期地点として過ごしやすい環境の空間が設けられるとは知っていたが
ここまでとは驚きだ。
そんな、部屋の中に一つ私の記憶に無い者がいる。歳は、だいたい30代あたりだろうか?その肉体は一見普通に見えるがとても良く鍛えられておりその服装は、物語の異端審問官の様な動きやすくも公式の場に着れそうな落ち着きなある服装にローブを纏っている顔は、中の上から上の下といった感じだがその目には、やさしさの中に確かな意思を感じさせるアッキーとよく似た眼をしていた。
そして彼は、私に向かって
「初めましてマスター、これからよろしく」
そう言って、少し笑った。