プロローグ 前半
暇つぶしに書くので不定期の更新になりますがよろしくお願いします。
「長かった」
私、伊月晃はこれまでの人生を振り返りそう、呟いた。
「平和な世界に生まれ、平凡な日常を送っていた私がまさかこんな世界で神や大魔王を相手に大太刀回りをしこうして満足して逝く事が出来るとは人生諦めずに粘ってみるものだな」
全ての準備は整った、神々や大魔王達は一体残らず封印した。同胞達が文明を築く為の土台は固めた。最後は、神や大魔王の力がなんかしらの理由であふれ出し暴走した時の対策を造るだけだ。
『開門』
私は、魔術の施行を世界に対し宣言する《魔句》を唱えた。これによって私の心臓に蓄えられていた魔力が血に宿りこれで魔術を施行する準備が整った、後は意識を集中し魔力を血から分離させ魔力のみを集めていく集めた魔力は、可視化するほどに凝縮し空中に幾つもの記号を描いていく。後はこの魔術を一時的に世界に認めさせる《魔句》を唱えるだけでこの魔術が発動する。この間、僅か30秒程度この時間で完了。このレベルの魔術を行うのは、この世界にあった魔術【起言魔術】で行うなら人生一生分掛かるだろう。この速度の速さこそ私の開発した魔術【ルーン魔術】の利点の一つだ。
『展界』
私が《魔句》を唱えると空中に描いた記号は、まばゆい光を放つ。そして私は、この光が収まった後の景色を見る事はないのだろう。
何故なら今私が発動している魔術の内容は私の肉体を素材に異界を形成しその魂をその中に収納し触媒とする事で異界に自身の好きな性質を付与するという物。
私の形成する異界の名は【英霊神殿】、性質は英雄に相応しい者の死後その魂を保管し条件が揃った時に肉体を魔力をベースに作りこの世界に送り出すという物。
あぁ・・・そろそろ残りの時間が短くなって来たらしい走馬燈が見え始めた。
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俺の名前は伊月晃、現在高校二年生の夏休みを満喫している。
そんな訳で今日は、幼馴染の宮野光、岩田隆、光の妹の宮野緑と一緒に比較的近くの神社で肝試しに来ている。
ルールは、二人一組で神社の脇にある小さな祠そこにお参りして帰ってくるだけ。俺と光・隆と緑のペアだこのペアを組む時「あんた達まさか女子二人で組ませるわけないでしょうね」とか「なら、私と隆さん、おねぇちゃんと晃でいいですよね」と女子二人によって強制的に決まりせっかく百味ビーンズの味でペアを決めようとしたのに残念だ。
ただ、俺としてはこの組み分け一切の不満は無い。なにせ光は俺の学年で一位二位を争う程可愛いからだ俺だって惚れていただろうただし、まれに出るぶっ飛んだ言動が無ければだけどだがそういった言動は、このメンツの時しかしないから学校じゃファンクラブが出来る程の人気だ。
「アッキー、肝試しなんてひしさしぶりだね」
アッキーというのは、俺のあだ名だ。もっともこのあだ名で呼ぶのは光だけだがな。
「そうだな光、小学校以来か?」
「うん、そうだね。それと私の事は光じゃなくってヒッキーって呼んでよ」
「いやだから、ヒッキーってなんか引きこもりみたいだからやめろよな」
「アッキーにヒッキーで仲いい感じじゃん」
「それなら、隆はタッキーでいいじゃん」
「良くないの!そういうのじゃなくって、こう・別な・・にその・・」
「なんだ、声が聞こえないぞ」
「うんん、何でもない何でもないの」
そうこうしているうちに、祠までたどり着いた。
「さて、なにを願うかな」
そうつぶやき横を見ると光が何やら真剣に願っていた。
まぁ、適当にこいつらといつまでも過ごせますように。
目を開けると、光が目の前で笑っていた。今までで一番の笑顔だ。
「真剣に願っていたけど何願ったの?」
「別に何でもいいだろ」
高校2年にもなってこの願いは幼稚すぎるからな。
「あっ、もしかしてあーなるほど、そうですか」
「なんだよ」
「さすが高校2年えっちー」
「は?・・・おいおいおい!そんな事願ってないぞ!」
「えーほんとかな~」
ここは、俺と全男子高校生の名誉とプライドの為に否定しておかないと。
「あぁ違うともなにせ俺たちは、紳士だからな」
「紳士ねー」
「あぁ紳士だ」
「「ぷすっ、あはははははははっはっははっはっはっはは」」
あーまったく楽しい。
「楽しいね」
「あぁ楽しい」
「戻りますかね」
「そうするか、エスコートしてやるよ。なにせ俺は紳士だからな」
そお言って、俺は手を出す。
「ちゃんと、エスコートしてよね」
そう言って光は、俺の手を握った。
その後もどうでもいい話をしながら来た道を戻って行った。
こんな時間が永遠と続けばよいと思いながら・・・
そして、鳥居を潜り抜けた瞬間 光の手の感触が消えた
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