最終話 最終決戦!魔王VS救世主!
「本当に何もないね、もう少しでつくかも」
魔王は1人で待つと言った。信じてはいなかったがここまで歩いてなにもないなら本当なのだろう。
「あれじゃない?」
いかにも魔王城って感じの城が見えた。
「ここか、行くぞ」
「待って!ピチュを!まだ傷が足しか癒えてない!急がば回れだよ!」
「知るか!ウィッチになにがあるからわからん!行かなきゃならねんだよ!」
「ピチュ!待って!」
「ピチュをさん待って!」
ひめりの呼び掛けを無視して1人で魔王城に入っていった。バルンはピチュをの後を追いかけた。
「こっちは回復してから行くよ!」
黒蝶とひめりは回復をし始めた。
「ウィッチ!どこだ!」
『以外と早かったな』
「魔王!ウィッチはどこだ!」
『そんなに会いたくば会わせてやろう』
そういって魔王が指を鳴らした。すると上からウィッチらしき人物が出てきた。
「ウィッチ?…ウィッチだよな?」
『再会だろ?せいぜい楽しめ』
「我、前の敵を排除す」
そういってウィッチは攻撃をしてきた。ピチュをはギリギリで攻撃をかわす。
「待てウィッチ!俺だ!ピチュをだ!」
聞こえていないのか攻撃をやめない。良く見ると目が光っていた。恐らく操られている。
「マジかよ、こんなん勝てるわけねーだろ!バルン!下がってろ!」
魔力の質はこっちが上でも量はウィッチの方が多い。それに、仲間を傷つけられない。
「雷の槍」
ウィッチは鋭い雷の槍を投げて来た、速度も早く俺は肩を貫かれた。
「痛っ!」
「力技」
ウィッチの行動が格段に早くなっていてかわすことができない。できてもかすり傷に押さえることだ。
「やめろウィッチ!」
「粉砕」
今度は腹に直撃した。骨を何本か持っていかれた気がする。
「グハッ!やめ…ろぉ」
「ピチュ!」
「ピチュを!だから言ったのに!魔王は?」
「相手は魔王じゃない。ウィッチだ」
「は?!ウィッチ?!まさか催眠術?!」
「仕方ない、ウィッチの相手はうちに任せて。黒蝶とピチュは先行って!」
「は?何言ってんのさ!ウィッチ相手に1人なんて」
「うちのことはいいから早く!」
「わりぃ!じゃあ行かせてもらう」
そういってピチュをと黒蝶は走って行った。
「ウィッチ、容赦しないよ!」
「敵、排除します」
『腕の一時回復!』
ひめりの機能を失っていた腕が回復し包帯を投げ捨てた。
「ウィッチ!本気で行くから、本気で来なよ!」
そのとたんウィッチがひめりの目の前に瞬間移動してきた。
「うぇ!?」
「力技」
ひめりは驚き、思わず隙を見せてしまい、ウィッチの攻撃をまともに受けてしまった。
「串刺し」
「クッ!ウィッチの癖にやるね。でも、うちも負けないよ!」
そういってひめりは詠唱を始める。
『獣の民よ、誰もが従えんとした魔獣の力をここに示せ!魔獣召喚!』
ひめりの前に魔方陣が浮かび上がりその中から、巨大な魔獣出てきた。召喚した魔獣はワイバーン。
「ワイバーン!全てを焼き尽くせ!」
グウォォォォ!とワイバーンが吠えるとウィッチに向かってものすごい量の火炎弾が飛んでいった。
「完全防御」
ウィッチは壁を作ったが、思ったより小さく、ワイバーンの炎が壁の上からウィッチに向かってきた。ウィッチは避けられる訳もなく炎に飲み込まれた。ワイバーンは攻撃をやめると魔方陣ごと消えた。
「あ、あれ?私はなにを?」
「あ、正気に戻った」
ウィッチは炎の衝撃で正気に戻った。
「ん?ひめりだけ?ってか体が燃えるように熱い」
「燃やしたからね」
ひめりは真顔で言うとウィッチは少し驚いたように水を作り消火した。
「それより、ピチュと黒蝶は?」
「先に行ったよ。今頃魔王と殺ってんじゃない?」
「魔王の力は凶悪だよ、2人じゃ勝てない。急ご」
2人は走って俺と黒蝶を追いかけた。
時は遡りひめりとウィッチが戦闘に入った頃ピチュをと黒蝶は、
「ここか、魔王の居場所は」
「だね、行こう!」
扉を開けると魔王が座って待っていた。
『以外にも早かったな、仲間を倒すのは得意なのか』
「ウィッチの相手はひめりに任せた。魔王よ、俺らが相手してやんよ!」
『ほう、精々楽しませてくれ!』
魔王VSピチュを&黒蝶の戦いが、異世界最後の戦いが始まる。
「行くぞ魔王!」
『来い!救世主とやらよ!』
ピチュをは力を貯め、黒蝶は攻撃を仕掛けている。いくつか黒蝶の攻撃は魔王に当たってはいるがダメージが入っているのかわからない。
「黒蝶!下がれ!粉砕!」
ピチュをの攻撃はかわされ、魔王が攻撃してきた。攻撃は普通に殴られただけだが威力がおかしかった。殴られた衝撃でピチュをは壁まで飛ばされた。
「グハッ…痛ぇ、骨までいったかも」
「ピチュを!…よくも!火球!」
黒蝶の攻撃は魔王に直撃した、魔王がよろけたと思うと攻撃をしてきた。
『反撃!』
魔王の回りに鏡のような薄い板が出てきた。
『槍の雨!』
ピチュをは訳もわからず攻撃したが反撃により全て跳ね返ってきた、半分は避けられたが数本貫かれ、数本かすった。
「くそぉ…」
ピチュをはもう、意識が遠ざかっていた。
「ピチュを!もう下がってて!」
『小娘1人でなにができると言うのだ』
「やってみなくちゃわからないでしょ!」
そういって黒蝶は詠唱を始めた。
『力を対等にし、拳と拳で者を語らん!力の統一化!』
『な、なんだ!力が抜ける!』
「なんだ、力が沸いてくる!」
「力の統一化。範囲内の人の力を平均にする。つまり、ここにいる全員が同じ力を持つってこと!!」
「ピチュ!黒蝶!」
ひめりとウィッチが扉の向こうからやって来た。
「ピチュ!ボロボロじゃん!」
「無茶してたね」
ハハハと笑わざる終えなかった。
「さあ魔王よ、同じ力を持ってるんだ、1対4ではさすがに勝てないだろ!」
『小癪な!』
「甘い!」
大きな脚が上から降ってきたがひめりとウィッチの同じ攻撃で消えた。
『全てを破壊しつくせ!破壊の雨!』
黒く染まった雨が魔王の上から降り注ぎ魔王はもがき苦しんだ。その中、4人は円を作り詠唱を始めた。
『光にまみれ、闇に抱かれ、音で壊され、傷に苦しめ。4人の力、4人の術を組み合わせ、ここで貴様を破滅させる!合技!|闇傷の狂騒曲!』
4人の中心から、どす黒い塊が出てきて、魔王に向かって飛んでいく。4人の合技を受けて魔王は倒れた。
『お主ら、や、やりおるな。だが、まだ…おわ…ら…』
「いいえ、これで終わりです。魔王。チェイン!」
バルンが出した鎖によって動きが封じられ魔王は封印された。
「終わっ…た?」
「みたいだね」
バルンがその場に倒れこんだ、その時城が崩壊しだした。
「まずい!早く!ここを出ないと!」
ひめりが慌ただしく外に行こうとしたが、
「ひめり待って!ピチュが!」
ピチュをは魔王の攻撃で歩くのがやっとでとても走ることなどできなかった。
「俺はいいから先に行け、おまえも巻き込まれたら意味がねぇ」
「ピチュを置いていける訳ないじゃん!」
ひめりは黒蝶に手伝いを頼み、ピチュをを担いだ。
間一髪で城から脱出できた。城から出て少しして、城は完全に崩壊した。
「バルン、終わったんだよな?」
「はい。魔王は封印しました。みなさん、ありがとうございます」
「そっか、良かっ…た」
ピチュをは気を失った。
数分で目が覚めた。
「あ、起きた。大丈夫?」
「身体中痛いけど大丈夫」
「みなさん、本当にありがとうございます。お陰で私の世界、『天使の楽園』が救われました!感謝しても仕切れないです!ですが、魔王がいない今、ここにいては目的がない状況なのでしばらくすると消えてしまいます。急いで元の世界に戻りましょう!」
「本当に!?早く戻ろ!」
皆が焦った。ここで消えたら元の世界には戻れず、行方不明扱いになる。そんなのごめんだ。簡単に魔法を使って走れるまでに回復をし、ここに来たときのゲートまで全力で走った。
ゲートに着くとゲートが消えかけていた。ひめりウィッチ黒蝶を急いでゲートに入れ、ピチュをはバルンと少し話した。
「バルン、いろいろありがとな!」
「いえ、私こそありがとうございました。能力は半分くらい消えますが、現世でも使えるので気をつけてください」
「わかった!じゃあ、またいつか会えるといいな。さようなら」
「待って!」
バルンに呼び止められ振り向くとバルンにキスされた。今度は頬ではなく口に。
「さようなら」
そういってバルンは走って行った。
現世に戻ると夜だった。時計を見るとゲートを最初にくぐった時から変わっていない。
「ねえ、向こうにいるときこっちの時間は止まってたの?」
「わかんない、とりあえず帰ろうか」
そういってみんなは家に帰った。
「ただいまー」
「おかえり、早かったね。なんだったの?呼び出しって」
「いや、ちょっとね」
やはり時間が止まっていたらしい。
「なんか疲れたから飯要らねぇ、寝る」
「あらそう?せっかく作ったのに~。まぁいいわ、おやすみ」
ピチュをは部屋に戻った。すると部屋に何かがあった。
黒いゲート。なんだろうと思い覗くと、誰かが出てきてお互いの頭をぶつけた。
「痛っぇ、なんだ?」
「痛ったーい!誰ですか?」
そこにいたのはバルンだった。
「ピチュを…さん?」
「バルン?え?なんでここに?!」
「いや、なんかこっちに一回行きたいと思って来たら帰られなくなって」
「は?」
てへっとバルンが笑った。
「仕方ねえ、ここに泊まれよ」
「いいんですか?」
「帰られないなら仕方ないだろ?それに、ひめりとウィッチは住所送ってたまに呼ぶし黒蝶は普通に遊びにくるし。ここにいたら楽しいこともあるしいろいとできるしいいだろ?」
「はい。ではお言葉に甘えて…またお願いしますね」
とバルンは素敵な笑顔で笑った。一時の妹ができたようでピチュをは嬉しいと思った。そして、バルンの世界を救えて良かったと、心の底から思っていた。
おはこんばんにちは!ピチュをです!
異世界の救世主、いかがだったでしょうか?
私としては最高の駄作なのですが、人によって感じ方が違うものですしね、皆さんが面白く読めたのなら本望です。
さて、今回で最終話を迎えた異世界の救世主ですが、全く違う方向性で続編(笑)を出します。正確には続編ではないので(笑)です。お楽しみください!
異世界の救世主をご愛読いただきありがとうございました!
是非他の作品も読んでください!