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異世界の救世主  作者: ピチュを
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4話 炸裂!ピチュをのフルパワー!魔王城までの手がかり


「ピチュ!ピチュ!起きてよ!」


ピチュをは意識を失い倒れていた。ひめりは涙ぐみ、ウィッチも必死になってピチュをを起こそうとしてる。そんな中、


「フフフ…」

「バルン何してるの!?笑ってないで助けてよ!」

「助ける?バカなことを言うなよ、もう助からないのさ」

「それはどう言うこと?」

「全部話してあげるよ」


そういうとバルン(?)は身体を浮かせた。そしてこう言い放った。


「僕の本当の名前はバルン・ティターニアではなく、マルト・デスティニアだよ。魔王の息子さ」

「は?なにいってんの?冗談良いから早くしてよ!」

「わからないかい?なら、これでわかるかな?」


魔王の息子の額から小さい角が生えた。


「本当に…そうなの?」

「だから言ってるだろう、魔王の息子だって」

「最初から異世界を救うなんて嘘なの!?」

「救うだ?知らないねそんなの」

「そん…な…」


ひめりは膝をついて崩れた。


「どうせここにいても死ぬだけだ僕が殺してあげるよ!グラビティ!」


詠唱簡略魔法なのにとてつもない威力で重力攻撃をしてくる。


「うぅ…つ、潰れ…る!」

「させねぇ」


どこからともなく声が聞こえた。その瞬間、


無重力(フリーグラビティ)!』


誰の魔法かさっぱりわからないがマルトのグラビティが打ち消されるほどの魔法を打った。


「バカな!僕の魔法が!」

「甘かったな魔王の息子よ!俺はそう簡単にくたばらんぜ!」


その言葉と同時に目の前にいたのは、紛れもなくさっきまで倒れていたはずのピチュをだった。


「ピチュ!?」

「ああ、待たせたな」

「なぜ平気なのだ!薬の代わりに猛毒を入れたのに!」

「じゃあ聞こうか息子さんよ、本物のバルンはどーこだ?」

「街と街の間の森で捕まえて置いてきたはずだが」

「間違ってはいないが不正解。正解はここでしたー」


と、胸ポケットから小さなバルンが出てきた。もちろん声も小さい。


「なぜそんなに小さく!?」

「俺の技にサイズコントロールってのがあんだけどよ、使いどこなくて魔力余してて、そこに使った」

「ピチュって、追加能力微妙なのしかないよね」

「うるせぇ!まあ、それで俺の体内に入ってもらって毒素を抜いた」

「まさか、今まで全員にやっていたのか!?」

「いやー、バルンも大変だったとおもうぞー。治癒湯とかいって多少毒素入ってるし」

「毒入ってたの!?あの銭湯!」

「まさかばれるとは…」

「だから詰めが甘いんだよ!とにかくここから失せろ!風の斬撃(ウィンドカッター)!」


ピチュは詠唱簡略魔法で魔法を出したのにも関わらず威力が桁違いだった。マストは魔法を防いだ。だが、想い通りにいかなかったからか、すぐに身を引いてしまう。


「チッ!くそ!覚えとけ!」


魔王の息子は宙を飛んで帰っていった


「さて、バルン。俺の手の上に乗って。サイズコントロール!」


バルンは元の大きさに戻り声も戻った。と同時に服が破けてバルンは裸になった。


「あ!ちょ、忘れてた!ひめり、ウィッチ!バルンに服着せて!」


ピチュをは焦りながらも後ろを向いて指示した。






「皆さん本当に申し訳ありません!私のふがいなさで…」

「てか、森で捕まったんならなんでピチュといたの?」

「ワープ使ったときにバルンも一緒に来てた。茂みにいたのを銭湯行く前に見つけてこっそりやってた」


「なにそれ」と2人とも笑っていたがすぐに笑うのを押さえて、


「とりあえずバルンが無事で良かった!」

「私はひめりとバルンをトレードで良かったんだけどね」

「本当に殴ったろか…」


まあまあと押さえて作戦を練ることにした


「まず、次は魔王城に行こう!」

「どこにあるかわかる?」

「息子に小さくした臭い袋つけた明日までは臭い消えないはず」

「なるほど!」

「でも臭い追えるの?」

臭い(くさい)臭い袋じゃないし、バルン鼻が効くからバルンについてく」


じゃあ明日魔王の城に行こう!となり、体を休めことにした。




夜になり、ピチュをは寝付けなくてデッキで空を見ていた。すつと、


「空、色が変ですね」


と、バルンが隣に来た。


「そうだな、バルンこれも魔王の影響だろ?」

「はい。魔王が来てからこうなりました」

「なら早いとこ倒さなとな」

「ピチュをさん、本当にありがとうございます。危うくみんないなくなってしまうところでした」

「いや、俺の異変に気づいて毒素を処理してくれたからだよ。ありがとう」

「そんなこと…でも、ありがとうございます。これから長い旅になると思います、よろしくお願いしますね」

「おう、任せとけ」

「では、おやすみなさい」


そういってバルンは部屋に戻ると見せかけピチュをの頬にキスをしてきた。そこから感じ取れたのは、今までにないくらいの安心感だった。




次の日になりバルンに頼んで臭いをたどってもらい魔王城を目指すことにした。


「さーてバルン、臭いまだあるか?」

「あると思いますか?」


バルンは笑顔で言った


「笑顔ってことは残ってるんだね」

「はい、残ってるわけありません」

「よし!じゃあ…って、え?」


確かに臭い袋をつけたのになんでと疑問に思っていたら、


「いくら臭い袋をつけても空を飛ばれては臭いもわかりません。何せここ地上ですから」

「じゃあ、バルンも飛んだらわかるんじゃないの?」


ひめりの言う通りだ。地上でわからないなら空を飛んで追えばいい。だがバルンは、


「魔王の力で飛べないよう重力が強くなってるんです。小さくなったときは重力があまり感じなかったので飛べたのですがこの姿ではとても…」

「じゃあピチュの魔法でその重力消そうよ」

「昨日の魔法はまだ残ってるけど俺の魔力量じゃ打ち消す程の力は出ない」

「じゃあ無理か…」


ではどうやって魔王城に行けばいいのだろうと、考えていると、


「なに悩んでんの?簡単だよ」


ウィッチがドヤ顔で言ってきた。


「バルンを小さくして飛んでもらって臭い追えばいいじゃん」


ナイスアイディア!と3人で親指を立て、グットサインをした。ただ、ちょっとした問題があった。ピチュをの能力『サイズコントロール』を使えば体を小さくはできるが衣服までは小さくならない。つまり、その状態でバルンを小さくすると服が縮まらない。また裸になってしまう。そのなかピチュをが正気を保って要られるかが問題だ。


「じゃあ前はどうしたの?」

「いたのが茂みってのは言ったろ?小さくしてからそこの草で簡単に服を作ったんだ」


そこまでするほど幼女に弱いのかと引くひめりとウィッチ。


「じゃあ俺のもう1つの能力、使い方わかんねぇけど頑張ってみる」


と言い俺は両手を広げ、詠唱を始めた。


地図情報化(データマップ)!』


ピチュをの頭の中に自分を中心に半径1kmの地図情報が入ってきた。


「なるほど!」

「なになに?」

「わからん!わかるのは魔王城が半径1km以内にないこと」

「え?本当?それってきつくない?」


方角さえわかればいいものの、情報がこれしかないなら余計きつい。バルン本人すら気づいていないが俺には1つ、わかっていることがまだあった。バルンにも能力があること。その能力は『能力交換(アビリティトレード)』。人の能力と自分の能力を交換する能力だ。これを知ったのは俺自身の心の鬼と話した時に教えてもらった。ただ、誰にも言うなと言われている以上、伝えようがないと思ったが遠回しならいいかなと思い、


「なぁバルン、何か策を立てるために全員の能力をもう一度確認しないか?」


と言った。


「ですね、何か能力があるかもしれませんからね」


そしてみんなのを調べた。


「後はバルンだけだね」

「わたしですか?」

「あぁ。バルンにも能力があるかもしれないだろ?」

「ひめり、何にも能力追加されてない(笑)」

「いちいちうるさい!」

「では、私の能力を調べます」


と言い、服を脱ぎ始めた。


「ちょぉい!なんで脱ぐのー!」


ピチュをは焦りながら後ろを向いた


「こうしないと見れないんです、待っててください」

「わかったから早くしてー!」


5分近くかかったが、確認が終わったようだ


「どうだバルン?なんかあったか?」


ピチュをが聞くとバルンは無言でピチュをの胸元に手をついて何かを唱え始めた。


『力と力を対象に、力で力を引き上げる!能力交換(アビリティトレード)!』


バルンの手が光、疲れたようにバルンが膝をつく。


「バルン!?大丈夫か!」

「はい、ちょっと魔力を使ってしまっただけです。でもピチュをさんのサイズコントロールと私の能力交換(アビリティトレード)を交換できました」


と言い、バルンはサイズコントロールを使って小さくなった。ただ、魔力の量が違うのか、バルンの服まで小さくなった。


「じゃあバルン!頼んだよ!」


バルンはうなずき上空へ行った。数秒後バルンが降りてきて大きくなり、


「こっち!臭いはこっちに続いてる!」


と言った。どうやらこの禍禍しい森を通るのが近道らしい


「え?ここを…通るの?」

「そうだけど、どうした?ひめり」

「べ、別に!いこ!」

「ひめり、怖いんだー」

「いい加減にしないと本当に殴るよ?」


まあまあと言い合いも押さえたところで


「じゃあ、いきますか!」


ピチュを達の更なる旅が始まった。

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