お買い物(デート)終わり
台風のあれこれや、単純にいい感じのが書けなかったので投稿遅れてすみません!
途中にある本屋を覗いたり、寄り道などをしながらも、俺と雫は本来の目的である雑貨店に着いた。着いたのだが......。
「そこまで種類があるわけでもないのか」
「そうですね。......大体何種類ぐらいあるのでしょうか?」
雫がそう呟く。
「そうだな......。大体15種類ぐらいかな?んで、この中で良さそうなのあるか?」
既に良さげなカーテンを探している雫に向かって声をかける。
「そうですね......。大体五分程貰えたら決まると思うんで、先輩は店の中見て回ってもいいですよ?」
振り返り、俺の方を見ながら、そう雫は提案してくる。んー......。
「いや、ここで選び終えるの待っとくよ」
と、言うと雫は少し驚いた顔をしたがすぐに少しだけ笑みを浮かべて「ありがとうこざいます」と言って、またカーテンの方に向き直り選び始める。
さっきは待つとは言ったものの、雫と一緒に見て回るかな。
「やっぱりこれが一番いい感じですかね」
「うん、いいんじゃないかな」
雫と二人で悩みながらなんとか選んだカーテンは白がメインでピンクの水玉が入った可愛らしさものだ。
「これでいいのか?」
「はい、それに先輩もこれがいいと思ったんですよね?なら尚更ですよ」
そう、雫は笑顔で言った。
それから、店員に頼んでそのタイプのカーテンを箱詰めしてもらって、ようやく今日のお目当てを買い終えることが出来た。
「楽しかったですか?先輩」
電車に揺られながら雫が、そんな事をつぶやく。
「あぁ、久々に楽しかったよ」
「それなら良かったです。一緒に来たかいがありました」
雫は静かにそう言った。
それから特に話すこともなく二駅を過ぎたあたりで肩に何かが乗っかる感じがしてそっちを向くと、雫は目を閉じ、静かな寝息を立てていた。
思わずどきりとして正面を向く。だけど、正面を向いてから思わず小さく笑ってしまう。
そっか、多分雫も楽しんでくれてたんだな。
結構、雫は降りる駅に着くまで起きなくて、駅に着く前に起こしたら凄い勢いで謝られた。
降りる駅に着くと、俺たちはさっさと電車を降りてなるべく早く家に帰った。
家に帰るとすぐに雫の部屋に行って、今日買ったカーテンを取り出して取り付けを行う。
カーテンを付けるのにはそんな時間は掛からなかった。
「こんなもんでいいか?」
「ありがとうこざいます。先輩」
「どういたしまして」
カーテンを付け終わり雫の方に行ってから、振り返り部屋の様子を見る。今思うと女の子の部屋に入ってたんだよな。
そう意識してしまうとあまり部屋に長居するのはダメじゃないか?早めに退散した方がいいな。そう思ってこの部屋に入った時に部屋の隅に置いておいた自分のバックを持ってもう一つの存在を思い出し、慌ててバックの中からそれを取り出して雫に渡す。
「......先輩、これは?」
「今日楽しく過ごさせてもらったお礼と言うか、プレゼントって言うか......」
「開けてもいいですか?」
「ん?あ、あぁ。大丈夫だぞ」
そういうと、箱の周りの用紙を丁寧に取って中にある箱を取り出して、箱を開ける。中身を確認した驚いた表情をする。
「これ、私が欲しかったハンカチです!でもどうして?」
「えーっと、途中ですごく見てたし、そうなんじゃないかなって」
逆にそれで違ったら泣きたくなる。
雫の方も思いたある事があったようで少し顔を赤くする。若干気まずいような雰囲気になったので一度わざとらしい咳払いをして雰囲気を戻して口を開く。
「それで、気に入ってくれた?」
「はい。もちろんです!大切に使いますね」
そう言った雫は今日一番の笑顔をしてくれて、俺は買って良かったなと心の底から思えた。
こうして、雫と二人での買い物が無事に終わった。




