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お買い物(デート)その1

お久しぶりのある妹です!

ぱぱっと支度を済ませた俺は今家の前で雫が出てくるのを待っている。それにしてもなかなか出てこないな。まさか本当なのか?女子の支度は時間が掛かるって言うのは本当だったという訳なのか!?迷信かなんかだと思ってたぞ。これなら恵さんのお言葉に甘えて雫が来るまでリビングで待っておけば良かった。そう言えば少し前にいつものあの3人で遊びに行こうとした時彩菜が少し遅れてきて「女の子は色々あるの!仕方ないでしょ!」とか言ってたことあったっけ。


そんな事を考えながら待つこと約15分ぐらい。玄関の開く音が俺の耳と届いてきた。振り返って見ると雫が家からちょうど出てきた所だった。


「すみません先輩。準備が遅くなって」


「そんなに待ってないから大丈夫だよ」


「そんな嘘はつくものじゃないですよ?先輩」


別に嘘という訳じゃないと思うけど......。まぁ、少し予想より遅かったかなって思ったけど言わぬが仏なんだろうな。感だけど。


「そんなことより先輩。どうですか?」


そう言って何かを聞いてくる雫。え?何がどうですか?なの?俺はなんて答えたらいいの?


「はぁ、先輩に期待した私が馬鹿でした。それより先輩、結構オシャレですね」


ため息をついた雫が話題を変えてきた。俺としては何故かさっきの一言に物凄い刺を感じたけど......気のせいだよな?


「そうか?別にいつも通りだと思うんだが......。それを言うなら雫もその服装似合ってるよな」


「っ!?そこでその返しは......ズルいですよ。せ、先輩!早く行きましょ!」


そう言って雫は俺の手を取って歩き出す。俺は手を引かれるがままに雫の後を追う。

それから、雫が俺の手を握っているのに気付いたのは歩き始めてたから5分後のことだった。

そんな訳で、俺たちは家から10分程度の場所にある駅から5駅先にあるデパートに向かっていた。日曜日なだけあって電車にもそこそこの人が乗っていた。そんな中でもなんとか座れる場所があったから座った訳だけど......。


「ち、近くないか?」


「しょうがないじゃないですか。先輩は先輩なんですから我慢してください」


と雫は謎の理論を唱えてくる。何故こんな会話をしているかと言うと、俺と雫が座れたのは良かったのだが、案外スペースが無く、結構狭かった。それまでならよかったのだが、雫の隣が次の駅に着いた時に降りて、代わりのように入って来た男性がそこに座ったからだ。普通の男性なら問題なかったと思うんだけど、その隣に来た男が金髪で耳にピアスを付けてたからなぁ......。人は見かけじゃないとわかっているが俺も少しご遠慮したい。雫も俺と似たような感情だったのか俺の方に寄ってきた、という感じなのだ。

うーん、流石に少しまずい。これでも健全な男子高校生なんだぞ?女の子がこんな近くにいたら変に意識してしまう。なんとか打開しないと......。


「えーっと、俺立とうか?そしたら俺のいた場所に座ったらいいし」


「先輩が立つなら私も立ちます。先輩を立たせて私だけ座ってるのは駄目です」


すごく俺に気を使ってくれてるのは分かる。分かるけど今は立たせてくれた方が俺の為なんだけど......。仕方ない他の案だとーー駄目だ。似たような感じのことを言われて終わりそうだ。


説得を諦めた俺は4駅分雫の隣を乗り続けた。


次回、お買い(デート)その2

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