黒き球体は世界を白く染める
宇宙政府にA級異常事態が発生されたことが、伝達され、三日が経った。
「う~む、コンピューターの間違いでは? 」
宇宙政府最高議会『界老院』のメンバーの一人であるアマル=ト=カメツリュは信じられない出来事につい、そう漏らす。
「いや、他の12兆のコンピューターの計算も似たようなものだったよ……」
『界老院』の内の一人であるアテル・カマトユは渋い顔になりながらそう漏らす。
「様々な方法で、あらゆる言語を考慮し、最大限の努力でコミュニケーションを取ろうとしたが、反応は無しでしたな」
『界老院』の内の一人であるテネルト・カオ・カマルテは、この未知なる存在と友好的な関係になれるかもと、淡い期待を寄せていたが全く反応がないことに少し落胆気味だ。
「そもそも、どんな物質、エネルギーで出来ているのかどころか、そもそも何なのかさっぱり分からんモノだからの~」
『界老院』オトユト=マデルは呑気な声を出しながらも、真剣な顔つきでそう言う
今『界老院』ではA級異常事態の原因である未知なる存在『大きくなる絶対に消滅させる球体と言う真実
』通称『 終幕』の話題で持ちきりだ。
だが、それも仕方がないだろう今までの人々の英知の全てをかけて調べ尽くしても、ただ二つ接触したら消滅すること、大きくなっていること以外は理解できない存在、このままいけば間違いなく宇宙の全てが飲み込まれ消滅してしまうからだ。
「こうなってしまった以上、我々の選択肢はただ何もせず『 終幕』が消えることを願うか、それとも最強の兵器『B・H・B』を使うかの二択だ」
『界老院』の最高議長であるカカ・チュラテ・デルトは、断言した。
その言葉に『界老院』の言葉の投げ合いは激しくなっていった。
「このまま、手をこまねいても被害が増えるどころか、この宇宙が滅びてしまうだげだ、『B・H・B』を使おう」
「しかし、『B・H・B』はあまりに危険かつ我々ではまだ完全に把握、コントロールできるものではない、危険だ」
「そうだ、それに『B・H・B』の影響で『 終幕』にどんな異変が起きるかわからん」
「だが、このまま放っておいても『 終幕』巨大化するだけじゃが、それにもしかしたら『B・H・B』の影響がいい方向に行くやもしれん」
「そんな運任せでは危険すぎる」
「しかし、このまま『 終幕』の巨大化が急激なスピードで進むこともありえるぞ」
『界老院』は普段ならこんな水掛け論をしない、そこまで愚かな者は一人もいない、しかし今回ばかりは情報もなく、予測もできない化け物、議論自体が出来るはずもないのだ
「このまま議論をしても仕方がない、今からコイントスをする、表なら放置、裏なら今現在存在する11兆2768億9475万9460の『B・H・B』を打ち込む、これで行くぞ」
コンピューターによる完全ランダムコイントスをカカは提案する。
『界老院』は腹をくくり頷く。
「は! 」
コインは裏が出た。
「全『B・H・B』を今から『 終幕』に打ち込む」
カカの言葉が響いた。
『B・H・B』それは人工的に作った銀河団に匹敵する質量の恒星を爆発させ、超巨大ブラックホールを発生させる、その後ブラックホールをリトリート粒子に変換し無限大の力で内側に向かう重力素をそっくりそのまま外側に向かわせる力にする、その後あらかじめ粒子に刻んだ情報どうりに通常粒子に戻し内側に向かわせ圧縮させブラックホールにする、またリトリート粒子に変換し放出させる、それを半永久的に繰り返させ、あらゆる物質、エネルギー、事象、存在を完膚なきまでに破壊しつくし、防御する手段はない、最強の最終兵器だ。
それを11兆2768億9475万9460の数で『 終幕』に打ち込む、これで効果がなければ、もう人々に出来ることはない。
一日たち全ての『B・H・B』が完了した。
「よし爆破だ! 」
カカがそう言った瞬間、爆発の音が響いた。
本来宇宙空間では音が響くことはない、しかし『B・H・B』の莫大なエネルギーに時空その物が震え、音が聞こえる。
「『B・H・B』反応ロスト」
しばらくすると、コンピューターがそう告げる。
「ぐ……ダメージは」
『B・H・B』すら消滅させる『 終幕』に畏怖しつつそう聞く、仮に1%なら1000兆、0.1%なら1京、0.01%なら10京、0.001%なら100京作ればいい、最早宇宙存亡を賭けた戦い、カカは限界までやるつもりでいた。
「ダメージ0%」
カカの小さな希望と大きな闘志はコンピューターの冷たい声で打ち砕かれた。
最早、人々に、宇宙に、希望などない、あとはただ消えてくれと縋るしかできない。
カカが絶望に項垂れていると
「『 終幕』がロストしました」
『 終幕』は突然消滅した。
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フレイヤはある世界を見つめる
「あ! ディードの鼻くそがこんなところに! 困った奴ですねー! 」
フレイヤは世界についていた、ディードの鼻くそを取り除く。
「うわ、ディードの鼻くそのせいで大変なことになっています」
フレイヤはディードの鼻くその影響がなくなるまでその世界の時間を巻き戻した。
「これでよしですね、あとは剥き出しの世界を守るシールドをディードに作らせませんとね」
フレイヤは早足でディードの元に向かった。
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「今日の異常は? 」
HUTR12754シルバー・セルの管理と統括を任された司令官ルットラ=アーマケロンはコンピューターにそう聞くと
「ありません」
コンピューターは静かに答えた。