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正体不明の存在の原因不明の事象によりロストしました。

『フレイヤ手記』「ノウズ・トラーシ」

 遥か彼方のごとく過去、人々は自らの住む大地の上の星の世界に憧れていた、星を見てはそれは神だと考え、いつも首を上げて眺めていた。


 そして、今は刹那とも言えるしかしその時の人々にとって長い時が経ち、人々は空気の加護を越えて星をまっすぐと見つめた。


 それでも星は掴めなかった。


 そしてまた時は経ち、人々は別の星にたどり着いた。


 空を見上げ大地に立ち、母星を見つめる過去に英雄は何を思ったのかそれはわからない。


 そしてまた時は経ち、人々は別の母星を持つ者と出会った。


 長い長い、悠久すら刹那に変える時の中で、銀河、銀河群、銀河団、超銀河団と、人々は大きく繁栄していった。


 そして、タキオン粒子の一つであるリトリート粒子の実用的運用と他粒子のリトリート粒子の変換が可能となり、従来の4次元的空間を渡り歩くワープ航法を超える事が可能となった。


 リトリート粒子と性質が逆転した粒子の総称である。


 混ぜたコーヒーとミルクは元のコーヒーとミルクにまた分離する事は難しいと言ったこのように『ある方向へ進むことはあっても、その逆方向に進むことは無い』という現象のことを『不可逆な』現象と言い、またその問題を『不可逆性問題』と言う。


 このことを当てはめると『未来』の方向へ行くのは容易だが『過去』に行くことは困難である、しかしリトリート粒子に変換する事で、変換した粒子は過去に向かうということだ。


 これは速度に関しても同等である、本来の物質は速度を上げることが難しいが、リトリート粒子化することにより、速度を下げることが難しくなる、つまり無限に速度が上がり続けるのだ。


 さらに超光速航法の問題点であった、ウラシマ効果や重力エネルギーの増大なども解決され、リトリート粒子を利用したリトリート航法は宇宙航法の進化への貢献度はワープ航法と同格の大発明となった。


 これにより人々は超銀河団を超え銀河フィラメント間やそれも超えたシルバー・セル間の航行が可能となった。


 そして、人々は数多の冒険による新天地の発見、それが原因起こる戦争。


 数多数多と繰り返された果てに全てのシルバー・セル、この宇宙の全てを宇宙政府による統治に成功した。


 この時になれば、零から無限の全てを知り尽くし、発展しつくし、文明の限界まで行き着いていた頃だ。


 一部の物好きな連中は「この宇宙には外がある」と言って研究しているが、どれも科学的根拠は乏しい妄想に近い研究内容と結果ばかりだ。


 そして、永遠とも思える停滞の時代を経た中で、宇宙の隅でも真ん中でもない、なんの変哲もないある場所で、時代を大きく動かす、小さな声が響いた。



「BHNNRYT784990874836550銀河フィラメントがロストしました、A級異常事態です」


 コンピューターが突然そう伝達した。

 

「銀河フィラメントがロスト……? 原因は? 」


ロストしたBHNNRYT784990874836550銀河フィラメントを含むHUTR12754シルバー・セルの管理と統括を任された司令官ルットラ=アーマケロンはA級異常事態という、記録上数京年出ていない、最大かつ今まで経験したこともない、事例を耳にしながらも、冷静にそう言った。


「原因調査中………………………………………………………………………………………………原因不明です」


 コンピュータは無慈悲にそう返す。


「原因不明だと!? 一体どういうことだ! 」


 ルットラは少し声を荒げる、焦りや恐怖のような感情に支配され始めてきたからだ。


「正体不明の存在が突如発生、原因不明の事象により、BHNNRYT784990874836550銀河フィラメントがロスト、それ以上は不明です」


 コンピューターは正直に答える。


「ぐ……その正体不明の存在の原因不明の事象とやらの効果範囲は? 」


 普段は正直者のコンピュータが気に入っていたルットラであるが、この時ばかりは少し面白くなかったが、文句を言ってもしょうがないので、とりあえずそう聞くと


「発生時は1000億光年……それからランダムに巨大化してます、秒平均3億光年、しかし後半になるほど平均は大きくなっています、形状は球体と推測、こちらに到達するまでの時間は620,897秒、信頼度59%の計算です」


 コンピュータが淡々と告げる。


「そうか……」


 ルットラはとりあえず宇宙政府に連絡しようと考えていた。


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